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ポリロタキサン、及び医薬組成物 NEW

国内特許コード P170014014
整理番号 (S2013-1375-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-532848
出願日 平成26年8月18日(2014.8.18)
国際出願番号 JP2014071553
国際公開番号 WO2015025815
国際出願日 平成26年8月18日(2014.8.18)
国際公開日 平成27年2月26日(2015.2.26)
優先権データ
  • 特願2013-172994 (2013.8.23) JP
発明者
  • 田村 篤志
  • 由井 伸彦
出願人
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学
発明の名称 ポリロタキサン、及び医薬組成物 NEW
発明の概要 複数の環状分子を貫通させた線状分子の両端部に細胞内分解性結合を介して嵩高い置換基を有するポリロタキサンを含有する脂質代謝異常及びオートファジーの機能異常の少なくともいずれかに起因する疾患に対する医薬組成物などである。
従来技術、競合技術の概要


リソソーム中の分解酵素、あるいは膜輸送タンパク質の遺伝的な欠損乃至変異により、リソソーム内に脂質、糖質、コレステロールなどの蓄積が起こる疾患を総称してライソゾーム病と呼ぶ。日本では約30種類のライソゾーム病が特定疾患として指定されており、有効な治療法が少ないことが知られている。
例えば、前記ライソゾーム病の1つであるニーマン・ピック病C型(以下、「NPC病」と称することがある。)は、膜タンパク質であるNPC1の変異によりリソソームにコレステロール、脂質が蓄積する。前記NPC病は、幼児期より発症し、進行性の神経障害、肝脾腫等の症状を示し、10歳前後で死亡する症例の多い難治性代謝疾患である。



近年、前記NPC病に対する治療薬として、シクロデキストリンの利用が期待されている。シクロデキストリンは環状の糖類であり、糖の繰り返し数に応じてα-シクロデキストリン(繰り返し数6)、β-シクロデキストリン(繰り返し数7)、γ-シクロデキストリン(繰り返し数8)と命名されている。各シクロデキストリンは空洞部に様々な化合物を包接することが知られており、特にβ-シクロデキストリンはコレステロールの包接能に優れることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。近年、ヒドロキシプロピル基で修飾されたβ-シクロデキストリン(以下、「HP-β-CD」と称することがある)をNPC病患者由来細胞に対して作用させることで細胞内コレステロール量が減少することが明らかとなっている。さらに、Npc1欠損マウス(Npc1-/-マウス)に対しHP-β-CDを投与することで、各組織のコレステロール蓄積量を減少させ、生存期間を延長することが見出されている(例えば、非特許文献2参照)。以上より、β-シクロデキストリンは細胞内に蓄積したコレステロールを減少させることが可能であることから、新たなNPC病治療薬として注目されている。特に米国では人道的使用が許可されており、2012年より前記NPC病治療のフェーズI試験が開始されていることから非常に期待度の高い薬剤であると考えられる。



一方、シクロデキストリン(以下、「CD」と称することがある)は、分子量が1,000程度の低分子であるため、血中半減期が数十分間程度と短く、投与後速やかに腎排泄されてしまうという問題や、細胞膜透過性が低いという問題がある(例えば、非特許文献3参照)。このため、十分な治療効果を得るためには、高濃度のCD(前記Npc1欠損マウスに対する投与量は4,000mg/kg)を頻回投与する必要がある(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、高濃度のCDは、溶血活性や組織障害性を示すため、高濃度での使用は正常組織の障害といった副作用が懸念される(例えば、非特許文献4参照)。そのため、ヒトに対して非侵襲的に十分な治療効果を得ることは困難だと考えられる。



したがって、安全性が高く、優れたコレステロール除去作用を有し、ニーマン・ピック病C型を含むライソゾーム病に対する高い治療効果又は予防効果を有する医薬組成物の速やかな開発が強く求められているのが現状である。



また、前記ライソゾーム病は、脂質等の代謝異常だけではなく、細胞のタンパク質分解機能であるオートファジーに異常があることも近年明らかになりつつある(例えば、非特許文献5参照)。オートファジーは細胞内で不要となったタンパク質やミトコンドリア等のオルガネラをリソソームで分解するが、オートファジーの機能異常は細胞内への不要タンパク質の蓄積をもたらす。オートファジーの機能障害がライソゾーム病の病態と関連しているという指摘もされている。特に、NPC病では、細胞質中にオートファゴソームの蓄積を生じることが示されている(例えば、非特許文献6参照)。このようなオートファゴソームの蓄積は、本来オートリソソームで分解される不要タンパク質やオルガネラが細胞質中に蓄積することを示唆している。
また、オートファジーによるタンパク質分解に異常がある他の疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患が知られている(例えば、非特許文献7参照)。



したがって、ライソゾーム病を含む、オートファジー機能異常に起因する疾患に対する高い治療効果又は予防効果を有する医薬組成物の速やかな開発も強く求められているのが現状である。

産業上の利用分野


本発明は、ポリロタキサンを含有する脂質代謝異常及びオートファジーの機能異常の少なくともいずれかに起因する疾患に対する医薬組成物、及び新規ポリロタキサンに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の環状分子を貫通させた線状分子の両端部に細胞内分解性結合を介して嵩高い置換基を有するポリロタキサンを含有することを特徴とする脂質代謝異常及びオートファジーの機能異常の少なくともいずれかに起因する疾患に対する医薬組成物。

【請求項2】
脂質代謝異常及びオートファジーの機能異常の少なくともいずれかに起因する疾患が、ライソゾーム病である請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
環状分子が、シクロデキストリンである請求項1から2のいずれかに記載の医薬組成物。

【請求項4】
細胞内分解性結合が、アセタール結合、ケタール結合、ジスルフィド結合、エステル結合、オルトエステル結合、ビニルエーテル結合、及びヒドラジド結合から選択されるいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。

【請求項5】
線状分子が、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールのいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。

【請求項6】
ライソゾーム病が、ゴーシェ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C型、GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス、ファーバー病、ウォルマン病、及びファブリー病から選択されるいずれかである請求項2から5のいずれかに記載の医薬組成物。

【請求項7】
複数の環状分子を貫通させた線状分子の両端部に細胞内分解性結合を介して嵩高い置換基を有するポリロタキサンであって、
前記線状分子は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールの順に重合した共重合体であり、
前記複数の環状分子がβ-シクロデキストリンであることを特徴とするポリロタキサン。

【請求項8】
細胞内分解性結合が、アセタール結合、ケタール結合、ジスルフィド結合、エステル結合、オルトエステル結合、ビニルエーテル結合、及びヒドラジド結合から選択されるいずれかである請求項7に記載のポリロタキサン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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