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高分子ナノ粒子複合体、及びそれを含むMRI造影用組成物 UPDATE

国内特許コード P170014017
整理番号 (S2013-1353-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-532935
登録番号 特許第6145612号
出願日 平成26年8月22日(2014.8.22)
登録日 平成29年5月26日(2017.5.26)
国際出願番号 JP2014072664
国際公開番号 WO2015025983
国際出願日 平成26年8月22日(2014.8.22)
国際公開日 平成27年2月26日(2015.2.26)
優先権データ
  • 特願2013-173866 (2013.8.23) JP
発明者
  • 片岡 一則
  • 西山 伸宏
  • カブラル オラシオ
  • 米 鵬
  • 岸村 顕広
  • 三浦 裕
  • 青木 伊知男
  • 國領 大介
  • 佐賀 恒夫
出願人
  • 国立大学法人 東京大学
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 高分子ナノ粒子複合体、及びそれを含むMRI造影用組成物 UPDATE
発明の概要 本発明は、腫瘍組織に特異的に集積して該組織を選択的に描出することができ、少ない使用量でコントラストが高く、かつ長時間の造影が可能であり、しかも副作用が少なく安全である高分子ナノ粒子複合体、及びこれを用いたMRI造影剤等を提供する。本発明に係る高分子ナノ粒子複合体は、非荷電性親水性のポリマー鎖セグメントとアニオン性のポリマー鎖セグメントとを含むブロックコポリマーと、MnCaPとを含んでなることを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要


癌の累積罹患率、死亡率が増加の一途をたどる中、あらゆる部位において癌の早期発見は命題といえる。早期発見によって治療時の侵襲も低くなるほか、完治も期待できる。既に進行癌の診断が下された患者に対しては、遠隔転移の有無を的確に診断することは病期(ステージ)の決定、その後の治療方針の決定に非常に重要である。癌の治療には外科治療、放射線療法、化学療法が挙げられるが、外科治療に際しては転移病巣の的確な切除、あるいは焼灼を行うことで癌の根治が期待できる。また放射線療法でも腫瘍の部位を正確に判定し、重点的に照射を行うことで健常部位への照射を防ぎ、副作用を軽減することができる。これらの意味でもあらゆるステージでの癌患者にとって、癌の正確な部位診断、とりわけ悪性度の高い癌の正確な診断を行うことは非常に大きなメリットがある。
悪性腫瘍の画像診断法の代表例としては、X線CT、超音波、核磁気共鳴映像法(MRI)が挙げられる。これらの検査は普及率が高く、各々、利点と欠点を併せ持つ。中でも、MRIは、世界で最も急速に普及している画像診断技術であり、放射線被爆等の問題がなく、軟部組織の質的変化も可視化でき、客観性及び再現性が高いことから、近年その重要度が特に高まっている。しかしながら、MRIは、そのハードウェアのみでは小さな腫瘍が正常組織の複雑な信号に埋もれるため、その同定が困難であり、診断精度向上ためには、腫瘍組織を選択的に描出できるMRI造影剤の開発が大きな課題となっている。
これまで、腫瘍組織とその周囲組織とのコントラストを高めるための様々な造影剤が開発され、実用化されている。代表的な造影剤としては、Gd-DTPA(ガドリニウム-ジエチレントリアミン五酢酸)等の金属錯体が挙げられるが(例えば、非特許文献1:Wesbey GE,et al.Physiol Chem Phys Med NMR.1984;16(2):145-155.)、Gd-DTPAは部位特異性に欠け、経静脈投与により、癌などの特定組織への標的性は無く、速やかに各臓器及び筋肉内に拡散するため、腫瘍において確定的な診断を下す事が困難であった。Gd-DTPAはキレート化してその副作用はフリーのGdイオンよりも軽減されるが投与量および濃度(原液は500mM)は大きく、例えば、腎障害患者等において血中滞留性が延長した場合、Gdがイオン化し腎性全身線維症と呼ばれる深刻な症状を引き起こす危険性がある。一方、Mnイオンは、Gd-DTPA等と同様にMRIのコントラストを高める造影剤であるが、Gd-DTPAと同じ濃度を単独に経静脈的に投与すると心毒性など深刻な副作用が生じる。一方、Mnは生体必須元素の一つでもあり、また経口造影剤として臨床で認可されるなど、ごく少量が体内に留まっていても毒性は生じない。
ところで、近年、画像診断の分野では、単に癌組織を可視化するだけでなく、悪性度や細胞死などの癌の性質や状態を描出できる、スマート機能型プローブの開発が盛んに行われている(例えば、非特許文献2:Urano et al.,Nat Med.2009 Jan;15(1):104-109.)。しかしながら、そのほとんどは蛍光プローブであり、MRI造影剤に関して、実用的な研究はほとんど無い。

産業上の利用分野


本発明は、MRI造影能を有する物質を内包した高分子ナノ粒子複合体、並びに、それを用いたMRI造影用組成物、MRI造影方法、及びMRI造影用キット等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非荷電性親水性のポリマー鎖セグメントとアニオン性のポリマー鎖セグメントとを含むブロックコポリマーと、MnCaPとを含んでなり、
前記アニオン性のポリマー鎖セグメントが、側鎖にアニオン性基を有するポリペプチドであり、
前記非荷電性親水性のポリマー鎖セグメントが、ポリエチレングリコール、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-イソプロピル-2-オキサゾリン)、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル及びポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)からなる群より選ばれる親水性ポリマーに由来するものである、高分子ナノ粒子複合体。

【請求項2】
前記アニオン性のポリマー鎖セグメントが、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)及びポリ(リンゴ酸)からなる群より選ばれるアニオン性ポリマーに由来するものである、請求項に記載の複合体。

【請求項3】
前記ブロックコポリマーの非荷電性親水性のポリマー鎖セグメントをシェル部分とし、アニオン性のポリマー鎖セグメントをコア部分として形成されたナノ粒子状粒子に、前記MnCaPが内包された形態のものである、請求項1または2に記載の複合体。

【請求項4】
前記ブロックコポリマーが、下記一般式(1-a)又は(2-a)で示されるものである、請求項1~のいずれか1項に記載の複合体。


〔式(1-a)及び(2-a)中、R1は水素原子又は未置換若しくは置換された直鎖若しくは分枝のC1-12アルキル基を表し、L1及びL2は連結基を表し、R2はそれぞれ独立してメチレン基又はエチレン基を表し、R3はそれぞれ独立して水素原子、アミノ基の保護基、疎水性基又は重合性基を表し、R4はヒドロキシル基又は開始剤残基を表し、R5はそれぞれ独立して水素原子又はアルカリ金属イオンを表し、mは5~20,000の整数であり、nは2~5,000の整数である。〕

【請求項5】
水性媒体中における動的光散乱法により測定した平均分散粒子径が30nm~150nmである、請求項1~のいずれか1項に記載の複合体。

【請求項6】
低pH条件下において、高分子ナノ粒子複合体からMn2+イオンが放出されるものである、請求項1~のいずれか1項に記載の複合体。

【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の複合体を含むことを特徴とする、MRI造影用組成物。

【請求項8】
腫瘍の検出用のものである、請求項記載の組成物。

【請求項9】
腫瘍が原発性腫瘍又は転移性腫瘍である、請求項記載の組成物。

【請求項10】
腫瘍の悪性度の評価用のものである、請求項のいずれか1項に記載の組成物。

【請求項11】
被験動物の体内に存在する請求項1~のいずれか1項に記載の複合体を検出することを特徴とする、MRI造影方法。

【請求項12】
腫瘍の検出に用いられる、請求項11記載の方法。

【請求項13】
腫瘍が原発性腫瘍又は転移性腫瘍である、請求項12記載の方法。

【請求項14】
請求項1~のいずれか1項に記載の複合体を含むことを特徴とする、MRI造影用キット。

【請求項15】
腫瘍の検出用のものである、請求項1記載のキット。

【請求項16】
腫瘍が原発性腫瘍又は転移性腫瘍である、請求項1記載のキット。

【請求項17】
腫瘍の悪性度の評価用のものである、請求項14~16のいずれか1項に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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