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電気式人工喉頭装置 NEW

国内特許コード P170014021
整理番号 (S2013-1198-N0)
掲載日 2017年4月10日
出願番号 特願2015-530782
出願日 平成26年7月22日(2014.7.22)
国際出願番号 JP2014069274
国際公開番号 WO2015019835
国際出願日 平成26年7月22日(2014.7.22)
国際公開日 平成27年2月12日(2015.2.12)
優先権データ
  • 特願2013-165087 (2013.8.8) JP
発明者
  • 戸田 智基
  • 田中 宏
  • 中村 哲
  • サクティ サクリアニ
  • ニュービッグ グラム
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 電気式人工喉頭装置 NEW
発明の概要 使用者が発する発声音に適合した音源音を円滑に出力することが可能な電気式人工喉頭装置を提供する。電気式人工喉頭装置1は、使用者Pの声道に入力された音源音が調音処理されて発せられる発声音を集音して、発声信号を生成する集音部10と、集音部10が生成する発声信号に対応した音源信号を生成する信号処理部20と、信号処理部20が生成する音源信号を再生して音源音を出力する音源信号再生部30と、を備える。
従来技術、競合技術の概要


喉頭異常者ではない健常な人(以下、「喉頭正常者」という)は、肺から排出されて気管を通過する空気によって声帯を振動させることで発する音源音を、声道に入力して調音処理する(音源音を声道で共鳴させて変調する、以下同じ)ことで、口から音(以下、「発声音」という)を発する。



しかしながら、喉頭異常者は、声道の調音処理機能は正常であっても、自己の体内で音源音を発して声道に入力することが不可能または困難であるため、喉頭正常者と同じように発声音を発することができない。



そこで、喉頭異常者の喉の外部に密着して振動することで、喉頭異常者の声道に音源音を入力する電気式人工喉頭装置が、広く使用されている。喉頭異常者は、この電気式人工喉頭装置を使用することで、声道に音源音を入力することが可能となる。そのため、喉頭異常者は、喉頭正常者が発声音を発する場合と同様に声道の形状を変化させる(例えば、口や舌を動かす)という簡易かつ容易な動作によって、所望の発声音を発することが可能になる。



ただし、電気式人工喉頭装置が発する音源音は、喉頭異常者が発する言葉や発話内容(即ち、上記の調音処理)とは無関係に決定される。例えば、電気式人工喉頭装置が発する音源音は、基本周波数(ピッチ)が時間的に変化せず、一定になることがある。そのため、喉頭異常者は、アクセントやイントネーション(例えば、音源音の基本周波数や振幅の変動による語調の変化)を発声音に付加することが、極めて困難である。その結果、喉頭異常者が発する発声音が、機械的な音として聞こえたり、正しく伝わり難くなったりするため、問題となる。



これらの問題について、具体的に図5及び図6を参照して説明する。図5は、喉頭正常者が発する発声音の各種特徴について示したグラフである。また、図6は、電気式人工喉頭装置を使用した喉頭異常者が発する発声音の各種特徴について示したグラフである。なお、図5及び図6のグラフでは、それぞれの発声音の特徴として、信号波形、基本周波数、非周期成分及びスペクトログラムを示している。



図5及び図6において、信号波形のグラフは、横軸が時間、縦軸が振幅である。また、基本周波数のグラフは、横軸が時間、縦軸が周波数である。また、非周期成分のグラフは、横軸が時間、縦軸が強度である。また、スペクトログラムは、横軸が時間、縦軸が周波数であり、色が暗い(黒色に近い)ほど強度が大きいことを示している。



図5及び図6に示した発声音の各種特徴のうち、信号波形は、発声音の全体的な特徴を示すものである。また、基本周波数は、主として音源音の特徴を示すものである。また、非周期成分は、主として音源音の特徴(具体的には、発声音のかすれ具合などを表す音色等)の特徴を示すものである。また、スペクトログラムは、声道における調音処理の特徴を示すものである。



図5に示すように、喉頭正常者が発する発声音の基本周波数は、時間的に変化しており一定とはならない。即ち、喉頭正常者が発する発声音には、アクセントやイントネーションが付加されている。



これに対して、図6に示すように、喉頭異常者が発する発声音の基本周波数は、時間的に変化せず一定となっている。即ち、喉頭異常者が発する発声音には、アクセントやイントネーションが付加されていない。そのため、喉頭異常者が発する発声音は、機械的な音として聞こえたり、正しく伝わり難かったりする。



そこで、特許文献1では、センサを用いて検出した筋電位や関節角度などに応じて、音源音の基本周波数や音量を制御する電気式人工喉頭装置が提案されている。また、特許文献2では、喉頭異常者によるスイッチの操作内容に応じて、基本周波数の変動態様が異なる複数のパターンの音源音を出力することが可能な電気式人工喉頭装置が提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、例えば喉頭癌等の疾患によって声帯を含む喉頭部を摘出した人や、声帯が正常に機能しない人など、自らの体内で音源となる音(以下、「音源音」という)を出力することが不可能または困難な人(以下、「喉頭異常者」という)の声道(鼻腔、口腔、舌等で形成される空間、以下同じ)に、体外から音源音を入力する電気式人工喉頭装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
使用者の声道に入力された音源音が調音処理されて発せられる発声音を集音して、発声信号を生成する集音部と、
前記集音部が生成する前記発声信号に対応した音源信号を生成する信号処理部と、
前記信号処理部が生成する前記音源信号を再生して前記声道に入力するための音源音を出力する音源信号再生部と、
を備えることを特徴とする電気式人工喉頭装置。

【請求項2】
前記信号処理部が、
前記集音部が生成する前記発声信号から、前記使用者の声道における調音処理の特徴を示す音声特徴量を抽出する音声特徴量抽出部と、
前記音声特徴量抽出部が抽出する前記音声特徴量に基づいて、前記使用者の声道における調音処理に対応した音源音の特徴を示す音源特徴量を推定する音源特徴量推定部と、
前記音源特徴量推定部が推定する前記音源特徴量を有する前記音源信号を生成する音源信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気式人工喉頭装置。

【請求項3】
前記信号処理部が、前記音声特徴量と前記音源特徴量との対応関係を示す統計モデルを記録しているデータベースを、さらに備え、
前記音源特徴量推定部が、前記データベースが記録している前記統計モデルに基づいて、前記音源特徴量を推定することを特徴とする請求項2に記載の電気式人工喉頭装置。

【請求項4】
前記統計モデルは、ある言葉について喉頭異常者が発する第1発声音を集音して生成される第1発声信号から抽出される第1音声特徴量と、当該ある言葉について喉頭正常者が発する第2発声音を集音して生成される第2発声信号から抽出された第2音源特徴量と、を対応付けることで構築されたものであり、
前記第1発声音は、前記喉頭異常者の声道に入力された第1音源音が調音処理されて発せられるものであり、
前記第1音声特徴量は、前記喉頭異常者の声道における調音処理の特徴を示すものであり、
前記第2発声音は、前記喉頭正常者の声帯が出力する第2音源音が声道で調音処理されて発せられるものであり、
前記第2音源特徴量は、前記第2音源音の特徴を示すものであることを特徴とする請求項3に記載の電気式人工喉頭装置。

【請求項5】
前記統計モデルは、前記第1発声信号から抽出される前記第1音源音の特徴を示す第1音源特徴量が、前記第2音源特徴量の分布範囲内となることを特徴とする請求項4に記載の電気式人工喉頭装置。

【請求項6】
前記音源特徴量が、前記音源音の基本周波数を示すものであり、前記第2音源特徴量が、前記第2音源音の基本周波数を示すものであることを特徴とする請求項4または5に記載の電気式人工喉頭装置。

【請求項7】
前記統計モデルは、前記第1音声特徴量と、前記第2発声信号から抽出される第2音声特徴量と、の対応関係に基づいて、前記第1発声信号及び前記第2発声信号の時間方向におけるずれを補正した上で、前記第1音声特徴量と前記第2音源特徴量とを対応付けることで構築されたものであり、
前記第2音声特徴量は、前記喉頭正常者の声道における調音処理の特徴を示したものであることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の電気式人工喉頭装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015530782thum.jpg
出願権利状態 公開
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