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レーザーマイクロダイセクション装置、該レーザーマイクロダイセクション装置を含む分析装置及びマイクロチップの製造方法 NEW

国内特許コード P170014027
整理番号 (S2014-0002-N0)
掲載日 2017年4月10日
出願番号 特願2015-541497
出願日 平成26年9月11日(2014.9.11)
国際出願番号 JP2014074064
国際公開番号 WO2015053039
国際出願日 平成26年9月11日(2014.9.11)
国際公開日 平成27年4月16日(2015.4.16)
優先権データ
  • 特願2013-210366 (2013.10.7) JP
発明者
  • 澤田 誠
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 レーザーマイクロダイセクション装置、該レーザーマイクロダイセクション装置を含む分析装置及びマイクロチップの製造方法 NEW
発明の概要 従来の分析装置をそのまま使用しても、空間分解能を向上することができる試料の採取装置を提供する。
試料を載置することができ、該試料を水平方向に移動することができる試料移動手段、熱可塑性フィルムを載置することができ、該熱可塑性フィルムを水平方向及び垂直方向に移動することができる熱可塑性フィルム移動手段、試料にダイセクションレーザー光を照射し、該ダイセクションレーザー光を照射した箇所の試料を切り出し、熱可塑性フィルムに採取試料として接着するためのレーザー照射部、ダイセクションレーザー光を照射する箇所の試料の位置座標及び採取試料が接着する箇所の熱可塑性フィルムの位置座標を関連付けて記憶する記憶手段、及び前記記憶手段に記憶された試料の位置座標及び熱可塑性フィルムの位置座標に基づき、前記試料移動手段及び前記熱可塑性フィルム移動手段を駆動制御する移動手段駆動制御部、を含むことを特徴とするレーザーマイクロダイセクション装置を提供する。
従来技術、競合技術の概要


近年、生命科学の研究では、ある分子が生体試料のどの場所に存在しているのか、又、生体試料中の興味のある場所にどのような分子が存在しているのかを精度よく分析することが求められている。



また、生体試料を分析する際には、試料を取り出して単に分析するのではなく、顕微鏡により観察している試料にどの様な分子が含まれているのかを併せて表示する質量分析イメージングが要望されている。当該要望を実現する装置としては、顕微鏡で生体試料を観察し、そして、生体試料を質量分析することができる質量顕微鏡が市販されている。



通常の質量分析方法は、試料にレーザー光を照射し、照射された部分の試料をイオン化して質量分析している(以下、質量分析装置の試料をイオン化するためのレーザー光を「イオン化レーザー光」と記載することがある。)。したがって、試料を連続的に分析するためには、イオン化レーザー光を試料に照射した後、当該試料をイオン化レーザー光の直径に相当する長さ移動し再度イオン化レーザー光を照射することで、試料を連続的に分析することが可能である。しかしながら、質量分析においては、イオン化レーザー光を照射した部分のみがイオン化するのではなく、イオン化レーザー光の直径に相当する長さを移動した後にイオン化レーザー光を照射しても、移動前の試料も同時にイオン化してしまうという問題がある。そのため、イオン化レーザー光を照射する箇所を連続的に移動することは難しく、使用するイオン化レーザー光の直径にもよるものの空間分解能は約200μm程度であることから、試料を連続的に精密分析することが難しいという問題がある(非特許文献1参照)。また、イオン化レーザー光を照射した部分の生体試料を完全にイオン化することはできず、分析結果の定量性にも問題がある。更に、従来の質量顕微鏡は、単に顕微鏡と質量分析装置を組み合わせたもので、装置が大型化するという問題もある。



上記問題点を解決するため、大気圧イオン化法を用いた質量顕微鏡が知られている(特許文献1参照)。大気圧イオン化法を用いた質量顕微鏡では、イオン化レーザー光を直径1μm程度まで絞ることで空間分解能を約5μm程度にすることができ、また、真空にする必要が無いことから、装置が小型化され手軽に試料を分析することができるというメリットがある。しかしながら、大気圧イオン化法を用いた質量顕微鏡は、試料をイオン化する際に真空にしていないことから、分析できる試料は大気圧下でイオン化レーザー光を照射してイオン化できるものに限られ、分析能の限界は分子量が2000程度で、多様な試料の分析をすることができないという問題がある。また、イオン化レーザー光の直径を細径化するためにはイオン化レーザー光源を高性能化する必要があるため、コストが大幅に増加するという問題がある。



更に、大気圧イオン化法を用いての分析は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間質量分析計(以下、「MALDI-TOF-MS」と記載することがある。)に限られており、液体クロマトグラフ質量分析(以下、「LC-MS」と記載することがある。)、エレクトロスプレーイオン化質量分析(以下、「ESI-MS」と記載することがある。)、等の他の質量分析方法には対応していないという問題がある。



上記のイオン化レーザー光を直接試料に照射して質量分析する方法以外にも、例えば、試料から所望の位置の試料をレーザーマイクロダイセクションで採取し、LC-MS分析を行う方法も知られている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載されている方法は、採取したサンプルに含まれているタンパク質を検出しているのみで、検出解析したデータを質量顕微鏡のように生体試料に重ね合わせて表示することはできないという問題がある。



上記特許文献2に記載されているレーザーマイクロダイセクション装置による試料の採取方法以外に、レーザーマイクロダイセクション装置による試料の採取方法として、コールドレーザーアブレーションまたはマルチフォトン吸収によって、サブミリメータ領域で試料から所定の構造体を切り離す方法(特許文献3参照)、熱可塑性フィルムを試料の上に置き、レーザー光(以下、試料を切り出すためのレーザー光を「ダイセクションレーザー光」と記載することがある。)を照射することで試料を熱可塑性フィルムに接着させる方法(特許文献4、5参照)等が知られている。



しかしながら、特許文献4、5に記載されている技術は、単に、組織標本から細胞やDNAを取り出すための技術に過ぎず、そもそも、熱可塑性フィルムに接着した生体試料にイオン化レーザー光を照射して質量分析を行うと、通常は、熱可塑性フィルムもイオン化レーザー光によりイオン化されてしまい、質量分析のノイズになると考えられていたため、熱可塑性フィルムに試料を接着したまま、質量分析を行うことは知られていなかった。



更に、上記特許文献4、5に記載されているレーザーマイクロダイセクション装置は、生体試料から単に所望部分の試料を採取するものであり、特許文献4、5に記載されているレーザーマイクロダイセクション装置を通常の質量分析装置で分析するためのサンプル採取装置として使用したとしても、空間分解能を向上することは難しいという問題がある。

産業上の利用分野


本発明は、レーザーマイクロダイセクション装置、該レーザーマイクロダイセクション装置を含む分析装置及びマイクロチップの製造方法であって、特に、レーザー光を照射する際の試料の位置座標と採取試料が熱可塑性フィルムに接着する位置座標を関連付けて記憶しておくことで、分析装置の空間分解能を向上することができ、更に、試料の画像と分析装置による分析結果を併せて表示することができる分析装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
試料を載置することができ、該試料を水平方向に移動することができる試料移動手段、
熱可塑性フィルムを載置することができ、該熱可塑性フィルムを水平方向及び垂直方向に移動することができる熱可塑性フィルム移動手段、
試料にダイセクションレーザー光を照射し、該ダイセクションレーザー光を照射した箇所の試料を切り出し、熱可塑性フィルムに採取試料として接着するためのレーザー照射部、
ダイセクションレーザー光を照射する箇所の試料の位置座標及び採取試料が接着する箇所の熱可塑性フィルムの位置座標を関連付けて記憶する記憶手段、及び
前記記憶手段に記憶された試料の位置座標及び熱可塑性フィルムの位置座標に基づき、前記試料移動手段及び前記熱可塑性フィルム移動手段を駆動制御する移動手段駆動制御部、
を含むことを特徴とするレーザーマイクロダイセクション装置。

【請求項2】
前記熱可塑性フィルムには少なくとも2以上の採取試料を接着することができ、接着した任意の採取試料と該採取試料に隣接する他の採取試料との中心間距離が、ダイセクションレーザー光を照射した際の試料の中心間距離より大きいことを特徴とする請求項1に記載のレーザーマイクロダイセクション装置。

【請求項3】
前記任意の採取試料と該採取試料に隣接する採取試料との中心間距離が、(イオン化レーザー光の直径+採取試料の直径)/2より大きいことを特徴とする請求項2に記載のレーザーマイクロダイセクション装置。

【請求項4】
前記試料移動手段が垂直方向にも移動することができることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のレーザーマイクロダイセクション装置。

【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のレーザーマイクロダイセクション装置を含む分析装置。

【請求項6】
前記分析装置が、質量分析装置、クロマトグラフィーを含む分析装置、元素分析装置、核酸配列分析装置、マイクロチップ分析装置から選ばれる1種であることを特徴とする請求項5に記載の分析装置。

【請求項7】
前記分析装置が、試料の画像と分析装置による分析結果を併せて表示することができる表示部を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の分析装置。

【請求項8】
請求項1~4の何れか一項に記載のレーザーマイクロダイセクション装置を用いた、熱可塑性フィルムに試料が接着したマイクロチップの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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