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光共振器 NEW

国内特許コード P170014028
整理番号 (S2014-0218-N0)
掲載日 2017年4月10日
出願番号 特願2016-532145
公表番号 特表2017-502501
出願日 平成26年12月4日(2014.12.4)
公表日 平成29年1月19日(2017.1.19)
国際出願番号 JP2014082772
国際公開番号 WO2015087944
国際出願日 平成26年12月4日(2014.12.4)
国際公開日 平成27年6月18日(2015.6.18)
優先権データ
  • 61/914,737 (2013.12.11) US
  • 61/987,126 (2014.5.1) US
発明者
  • 浦川 順治
  • 本田 洋介
出願人
  • 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
発明の名称 光共振器 NEW
発明の概要 【課題】本発明は、偏光レーザー、偏光X線、及び干渉性のX線を発生させる光共振器を提供する。
【解決手段】2つ以上の偏光レーザーを周回させるレーザー光路の交差位置に電子ビーム導入部が挿入された光共振器の構成とした。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、シンクロトロン放射光が知られている。シンクロトン放射光を偏光X線に変換する方法が知られている。シンクロトン放射光は、通常、数keVから100keVの範囲に在る高輝度の白色光である。シンクロトン放射光は、通常、直線偏光であるが、シンクロトロン加速器に設けられた偏向電磁石又は直線アンジュレーターの中を電子ビームを通過させることにより水平直線偏光が生成される。該水平直線偏光は、“偏光子(移相子という)”を用いて円偏光や垂直直線偏光に変換される。例えば、方位角45度の水平直線偏光を“λ/4板”を通すと右回り円偏光に変換される。方位角-45度の水平直線偏光を“λ/4板”を通すと左回り円偏光に変換される。水平直線偏光を“λ/2板”を通すと垂直偏光に変換される。この方法で直線偏光軟X線を他の偏光性の軟X線に変換することは可能であるが、偏光性の変換率が低いことが問題である。直線偏光硬X線は、結晶シリコンやダイヤモンド等の透過型移相子を用い、この透過型移相子を周期的に振動させることにより右巻円偏光X線と左巻円偏光X線とに交互に(交流的に)変換される。透過型移相子の周期的な振動には、例えば、ピエゾ素子やガルバノスキャナーが用いられており、ピエゾ素子による偏光スイッチィングの最高速度は100Hz(10ミリ秒)であるが、ガルバノスキャナーでは2kHz(0.5ミリ秒)の偏光スイッチングが可能であると言われている。しかし、2kHz(0.5ミリ秒)程度の偏光スイッチングでは、静止状態の試料の偏光X線分析は可能であるが、生物試料の偏光X線分析は困難である。また、シンクロトン等の円形加速器は、周長が数キロメートルもある巨大装置であることから、この方法による偏光X線の生成方法は、産業利用には向かないという問題がある。



従来、コヒーレントなX線としてX線自由電子レーザー(SACLA)が知られている。しかし、SACLAは巨大設備であることから、産業利用には向かないという問題がある。



一方、光共振器生成レーザービームと加速電子ビームの衝突(レーザー逆コンプトン散乱法)によるX線発生装置が知られている。該発生装置は、加速電子ビーム供給源として小型加速器の使用が可能であるので、前記SPring-8及びSACLAに比べて産業利用のために非常に有利である。したがって、レーザー逆コンプトン散乱法による偏光X線及びコヒーレントX線を生成させるための光共振器の開発は、産業利用に計り知れないほど大きな効果を与えるに違いない。



従来、レーザー増幅のための多くの光共振器が提案されている(特許文献1)。



特許文献1は、図1に、離調した同心的構造を有し、レーザー光路の中点が同一直線上に並ぶように設計された4鏡光共振器を開示している。しかし、特許文献1のどこにも偏光レーザーの生成については記載も示唆もない。



従来、光共振器を用いたレーザー逆コンプトン散乱X線発生装置が幾つか提案されている(特許文献2~4)。



特許文献2は、一つの光共振器構造体の中に同列状に複数の凹面鏡が並ぶ凹面鏡群を対向配置した光共振器に電子ビームを導入し、光共振器内の反復反射レーザー光と衝突させることにより短波長光を発生する装置を開示している。該装置は、個々の対向した凹面鏡間で反復反射されたレーザー光の集束領域でレーザー光と電子ビームとを衝突させることにより衝突頻度を向上させ、その衝突が、複数の各凹面鏡間で行われる、とする装置である。しかし、該光共振器に蓄積されるレーザー光は、レーザー光源からのモード―ロックレーザーを一対の対向する凹面鏡間で反復反射するだけのことであるから(一対の対向する凹面鏡を配した共振器は、構造的に、フォックス・スミス干渉計型共振器と同じであるので)、前記の説明のようにレーザー光の増幅倍率は精々1000倍程度に過ぎない。したがって、該発明にも述べられているように、該装置は、フォトリソグラフィー用の短波長光を発生させるための装置であり、レーザー逆コンプトン散乱X線発生については言及していない。また、この光共振器は、偏光レーザー及び偏光X線を生成するものではない。



特許文献3は、円形加速器の電子ビーム周回路の中に1対のミラーを持つフォックス・スミス干渉計型共振器を設け、該共振器内でレーザー光と電子ビームとを衝突させてX線を発生させる装置を開示している。該光共振器に導入されるレーザー光は、レーザー発振器のみからのレーザー光であるので、反射ミラーの反射率をいくら高くしたとしても、前記の説明のようにレーザー光の増幅倍率は精々1000倍程度が限界であるので、該装置により強いレーザー逆コンプトン散乱X線を発生することは、困難である。また、この光共振器は、偏光レーザー及び偏光X線を生成するものではない。



特許文献4は、円形加速器の電子ビーム周回路の中に2枚の超高反射ミラーを持つフォックス・スミス干渉計型共振器を置き、該共振器内に蓄積されたレーザービームと、上記加速器発生電子ビームを共振器内で衝突させ、X線又はγ線を発生させる装置を開示している。また、該共振器を円形加速器の電子ビームの周回路に同列状に配置し、X線又はγ線を発生させる装置も開示されている。しかし、この装置に用いられる該光共振器は、2枚の凹面鏡が対向配置されている通常の光共振器であるので、凹面鏡として例え反射率が99.99984%という超高反射率の反射鏡を用いたとしても、前記説明のようにレーザー光の増幅倍率は精々1000倍程度が限界であるので、該装置により強いレーザー逆コンプトン散乱X線を発生することは、困難である。また、この光共振器は、偏光レーザー及び偏光X線を生成するものではない。



これまで、光共振器を用いるコヒーレントX線の発生について、例えば、下記の特許文献が報告されている(特許文献5~8、非特許文献4)。



特許文献5は、光共振器を用いるレーザー逆コンプトン散乱法によるコヒーレントX線の発生方法及び装置を開示している。しかし、特許文献5には偏光レーザーの干渉縞を形成させこれに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生させようとする方法及び装置については、どこにも記載も示唆もされていない。



特許文献6は、光共振器を用いるレーザー逆コンプトン散乱法によるコヒーレントX線の発生方法及び装置を開示している。しかし、特許文献6には偏光レーザーの干渉縞を形成させこれに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生させようとする方法及び装置については、どこにも記載も示唆もされていない。



特許文献7及び非特許文献4は、4鏡光共振器を用いレーザー光路の焦点におけるレーザー干渉によりレーザー光のコヒーレントの追加を行い、強いコヒーレントレーザービームを生成させ、該コヒーレントレーザービームに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生させる方法及び装置を開示している。しかし、特許文献7には偏光レーザーの干渉縞を形成させこれに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生させようとする方法及び装置については、どこにも記載も示唆もされていない。
特許文献7は特許文献1と同じであるが、関連事項は異なる。



特許文献8は、パルス状のコヒーレントなUV又はXUV放射を発生させる方法及び放射源を開示している。該装置は、4対のミラーを内含する光共振器であり、導入されたパルス状のフェムト秒レーザーを前記光共振器に含まれる非線形媒体によりパルスレーザー光の集束点でコヒーレントなUV又はXUV放射のような高調波レーザーに増強する装置である。しかし、特許文献8は、光共振器を用いるレーザー逆コンプトン散乱法によるコヒーレントX線の発生方法及び装置の発明ではない。



他方、光共振器を用いるレーザー干渉の生成やレーザー干渉縞の形成方法及び装置に関する多くの特許文献及び非特許文献が知られている。また、特許文献7には光共振器を用いるレーザー干渉法により生成させるコヒーレントレーザービームに電子ビームを照射することによるコヒーレントX線の発生方法及び装置が記載されている。したがって、レーザー干渉縞又はコヒーレントレーザービームに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生させることは容易に想到されることであるかも知れない。しかし、これまで光共振器内に偏光レーザーの干渉縞を形成させ、これに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生させようとする光共振器は、本発明者が調べた限りにおいて知られていない。それは、後述のように光共振器内に偏光レーザー干渉による定在波干渉縞を形成させ、電子ビームとの衝突によりX線を発生させるための原理、この原理はこれまで知られていなかったのであるが、本発明者により初めて発見されたからである。



前記特許文献5~7は、光共振器内のコヒーレントレーザービームに電子ビームを照射することによりコヒーレントX線を発生できると述べているが、生成X線のコヒーレンス性は誤りであるかもしれない。なぜなら通常の数10ミクロンサイズのレーザービームと通常の数10ミクロンサイズの電子ビームの衝突により発生させるX線は、発生初期のショートレンジの時・空間ではコヒーレントであるかもしれないが、X線が空間に発散する過程で位相・振幅がすぐにランダムになるからである。



以上のような状況の中で、本発明者らはレーザー逆コンプトン散乱を可能にするような高強度レーザーを生成するために1対の平面鏡及び1対の凹面鏡を3次元空間に配置させた3次元4鏡光共振器を提案した(特許文献9)。該3次元4鏡光共振器に偏光制御システムを付帯させることにより該光共振器内に円偏光レーザーの偏光成分、すなわちパリティーの異なる円偏光レーザー、を交互に切り替えて生成することができる。また、パリティーの異なる円偏光レーザーのどちらかを選択的に生成することもできる。したがって、パリティーの異なる円偏光レーザーに電子ビームを照射することにより右巻円偏光X線又は左巻円偏光X線を生成することができる(非特許文献1、非特許文献2)。また、1対の平面鏡及び1対の凹面鏡を2次元平面に配置させた2次元4鏡光共振器を提案した(非特許文献3)。該2次元4鏡光共振器に偏光制御ユニットを付帯させることにより光共振器内にパリティーの異なる円偏光レーザー又はパリティーの異なる直線偏光レーザーを交互に切り替えて生成することができる。したがって、パリティーの異なる偏光レーザーに電子ビームを照射することによりパリティーの異なる円偏光X線又はパリティーの異なる直線偏光X線を生成することができる。上記パリティーとは、本発明では、円偏光では右巻偏光及び左巻偏光のことをいい、直線偏光では水平偏光及び垂直偏光のことをいう。

産業上の利用分野


(参照による取り込み)
本出願は、2013年11月11日に出願された米国仮特許出願第US61/914737号及び2014年5月1日に出願された米国仮特許出願第US61/987126号の優先権を主張し、その内容を参照することにより本出願に取り込む。



本発明は、偏光レーザー、偏光X線、及び干渉性のX線の生成を可能にする光共振器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
2つ以上の独立したレーザー光路及び前記レーザー光路の交差と各々の独立したレーザー光路の両端で各々の独立したレーザーを導き、出力し反射する窓を内含する光学系を備えることを特徴とする光共振器。

【請求項2】
前記光学系として、独立した2つ以上のレーザーをそれぞれ増幅する共振鏡を備え、該共振鏡間に2つ以上のレーザーを周回させるレーザー光路を形成させ、該レーザー光路を交差させる光学系を備える光共振器であって、2つ以上の偏光レーザーを独立して周回させる請求項1に記載の光共振器。

【請求項3】
前記レーザー光路の交差位置に電子ビーム導入部が挿入される光共振器であって、2つ以上の偏光レーザーを独立して周回させ、前記偏光レーザーに電子ビームが照射され、偏光X線を発生させる請求項2に記載の光共振器。

【請求項4】
前記偏光レーザーが偏光成分に分離された偏光レーザーであり、該偏光成分に電子ビームが照射され、偏光X線を発生させる請求項2に記載の光共振器。

【請求項5】
前記偏光レーザーが偏光成分に分離された偏光レーザーであり、該偏光成分に電子ビームが照射され、偏光X線を発生させる請求項3に記載の光共振器。

【請求項6】
前記偏光レーザー光路の交差位置に干渉縞を形成させる請求項2に記載の光共振器。

【請求項7】
前記偏光レーザーの交差位置の干渉縞に電子ビーム導入部が挿入され、干渉縞に電子ビームが照射され、X線を発生させる請求項6に記載の光共振器。

【請求項8】
共振鏡、該共振鏡間に形成されるレーザー光路、該レーザー光路の交差位置にX線集光レンズ及びピンホールを備える光学素子を内蔵する電子ビーム導入部が挿入され、前記交差位置のレーザーに電子ビームが照射され、X線が発生され、発生X線が前記光学素子を介して干渉性のX線に変換されることを特徴とする光共振器。

【請求項9】
レーザー干渉縞を生成するようにひずみが与えられた共振鏡及び前記共振鏡間の光路に挿入された電子ビーム導入管から構成される光共振器であって、前記共振鏡間の光路にレーザー干渉縞が生成され、該生成のレーザー干渉縞に前記電子ビーム導入管によって導入される電子ビームが照射され、それによって干渉性X線を発生させることを特徴とする光共振器。

【請求項10】
前記光共振器として3次元8鏡光共振器が用いられる請求項2に記載の光共振器。

【請求項11】
前記光共振器として3次元8鏡光共振器が用いられる請求項3に記載の光共振器。

【請求項12】
前記光共振器として3次元8鏡光共振器が用いられる請求項4に記載の光共振器。

【請求項13】
前記光共振器として3次元8鏡光共振器が用いられる請求項5に記載の光共振器。

【請求項14】
前記光共振器として3次元8鏡光共振器が用いられる請求項6に記載の光共振器。

【請求項15】
前記光共振器として3次元8鏡光共振器が用いられる請求項7に記載の光共振器。

【請求項16】
前記光共振器として2次元4鏡光共振器又は3次元4鏡光共振器が用いられる請求項8に記載の光共振器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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