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イオン発生器 NEW コモンズ

国内特許コード P170014037
掲載日 2017年4月11日
出願番号 特願2016-056970
公開番号 特開2016-225279
出願日 平成28年3月22日(2016.3.22)
公開日 平成28年12月28日(2016.12.28)
優先権データ
  • 特願2015-106896 (2015.5.27) JP
発明者
  • 大幸 裕介
  • 水谷 聖
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 イオン発生器 NEW コモンズ
発明の概要 【課題】イオン源と高電圧が印加されたイオン発生電極と引抜電極を備え、被注入体にイオンを注入するイオン発生器に関する。
【解決手段】イオン源34と、一端に先鋭化部14を有するイオン発生電極10と、引抜電極20と、を有し、直流高圧電源24により高電圧が印加されると、先鋭化部14からイオンを放出させるイオン発生器において、イオン発生電極10は、イオン発生電極10を構成する材料のガラス転移温度以上、融解温度未満に加熱されるとイオン源34のガス分子がイオン化されて伝導されることを特徴とするイオン発生器1である。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


材料中にイオン注入を行うと物性が著しく変化するため、近年では半導体関連産業などでイオンを電気的に加速するイオン加速器を利用したイオン注入処理が不可欠となっており、より局所域に任意量のイオンを注入する技術が求められている。



加速器などを用いたイオン注入装置は半導体産業等で使用されているが、大型かつ高額装置であり非汎用的である。また予めイオン発生器などで発生させたイオンを電気的に加速して利用するが、イオン発生器では一般に様々な質量のイオンやラジカルも同時に発生するため、目的とするイオンの生成効率が悪く、質量分離器を通して様々な種類の発生イオン種から目的とするイオンだけを選別するなど、イオン注入に複雑な処理工程が必要となる。



一方、市販のイオン銃は小型で取り扱いも容易であるが、被照射スポット径が1~20mm程度と大きい、また電極の消耗などの理由によって最大で1000時間程度と寿命が短く、高価であるなどの欠点もある。これらのイオン銃はイオンの発生方法などによってコールドカソード型、エレクトロンボンバード型などがある。コールドカソード型イオン銃は、100ガウス程度の磁場と電界を利用してガスをイオン化してプラズマ状態にし、発生したイオンを利用する。多価イオンが発生しやすく、またラジカルイオンも50%程度発生することから、イオン加速器と同様に注入目的のイオンの生成効率が低い。
エレクトロンボンバード型イオン銃は加速エネルギが80~100 eVと低エネルギのために1価のイオンが生成しやすく、またエネルギ分布も狭いために分析用途に用いられる。しかしフィラメントを利用するためにコールドカソード型よりもさらに寿命は短くなる。これら一般的なイオン銃では水素イオンH+の生成効率は特に低い。



以上に対して、比較的長寿命且つ被照射スポット径が1mm以下と小さいイオン放出装置として、電界電離型と呼ばれるイオン銃がある(特許文献1)。図15に従来例のイオン発生器として電界電離型イオン銃の構造を示す。
イオン発生電極110と引抜電極120は、直流高電圧124で高電圧が印加される。イオンはイオン発生電極110の先鋭化された端部から引抜電極120に向かって放出され、引抜電極120の孔121を抜けて被注入体122に注入される。イオン発生電極110、引抜電極120、および被注入体122は、チャンバ132内に設置され、注入チャンバ132内は、真空ポンプ144で真空にされる。真空にした後、イオン源をガスボンベ140から注入チャンバ132内へ入れる。イオン発生電極110は、冷却器127によりイオン発生電極110を約-250℃の極低温に冷却される。イオン発生電極110に、効率良くイオン源であるガスを吸着させるためである。
例えば、イオン源のガスを水素ガスとする。水素ガスはイオン発生電極110に吸着し、直流の高電圧印加によって水素ガスが水素イオンH+(以下、H+記す)と電子に解離する。イオン発生電極110には一般に仕事関数の大きいタングステンなどが利用される。イオン発生電極110の先端114は電界集中させるために100ナノメートル以下程度に先鋭化されている。このH+が引抜電極によってチャンバ内に飛び出して、被注入体122に注入される。イオン化領域が金属線先端の極めて狭い範囲に限られ、イオンビームのエネルギ幅が小さいので、被照射スポット径が最も小さいイオン銃である。



図16に、従来例のイオン発生器によるイオン注入の作用手順を示す。S901にて、注入チャンバ132内に被注入体122をセットして、注入チャンバ132の扉を閉める。S903にて、イオン発生電極110に接触している冷却器127に液体ヘリウムをいれてイオン発生電極110の先端114を極低温に冷却する。液体ヘリウムは貴重な資源である。S905にて、真空ポンプ144で注入チャンバ132内を真空にしてバルブ(図示せず)を閉める。S907にて、ガスボンベ140のバルブ142を開けてイオン源Gのガスを注入チャンバ132内にいれてバルブ142を閉める。S909にて、イオン発生電極110の先端114にイオン源のガスを吸着させる。S911にて、直流高圧電原124にてイオン発生電極110と引抜電極120に高電圧を印加して、イオン化したガスを被注入体122に注入する。S913にて、注入チャンバ132から被注入体122を取り出す。以上の7ステップを要する。



ここで、イオン発生部であるイオン発生電極110の先端114にイオン源のガス分子を効率良く吸着させるため、イオン発生電極110の先端114を-250℃程度の極低温まで冷却する必要がある。冷却に用いる液体ヘリウムは貴重な資源であり高価である。さらにイオン発生電極110の先端114の狭い面積にのみイオン源のガス分子が吸着させ、吸着させたガス分子をイオン化して放出されるため、放出イオン電流値が数ピコアンペア程度と小さい。またチャンバ内のイオン源ガスが無くなるとイオン放出できないことから、連続的なイオン放出が不可能である。

産業上の利用分野


本発明は、イオン源と高電圧が印加されたイオン発生電極と引抜電極を備え、被注入体にイオンを注入するイオン発生器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
イオン源と、一端に先鋭化部を有するイオン発生電極と、引抜電極と、を有し、
高電圧が印加されると、
前記先鋭化部からイオンを放出させるイオン発生器において、
前記イオン発生電極は、ガラス転移温度以上、融解温度未満に加熱されるとイオンが伝導されることを特徴とするイオン発生器。

【請求項2】
前記先鋭化部は、曲率はR1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載するイオン発生器。

【請求項3】
イオン源を封入したチャンバの壁に、イオン発生電極を、一方の先鋭化部をチャンバ外に、他方のイオン伝導体12を前記チャンバ内に設置されたことを特徴とする請求項1または2に記載するイオン発生器。

【請求項4】
前記チャンバ内の前記イオン発生電極は、イオン源を分解する触媒で覆われていることを特徴とする請求項3に記載するイオン発生器。

【請求項5】
前記イオン源は、前記イオン発生電極に含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載するイオン発生器。

【請求項6】
前記イオン源は、一価である 、水素イオン、または銀イオン、またはリチウムイオン、またはナトリウムイオン、またはカリウムイオン、またはルビジウムイオン,またはセシウムイオン、またはフッ化物イオンのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載するイオン発生器。

【請求項7】
前記先鋭化部、前記引抜電極、および被注入体は、真空引きされた注入チャンバに収納されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載するイオン発生器。






国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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