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抗菌性ポリマー及びその製造方法並びに用途 新技術説明会

国内特許コード P170014098
整理番号 (S2014-0938-N0)
掲載日 2017年5月9日
出願番号 特願2014-097237
公開番号 特開2015-214630
出願日 平成26年5月8日(2014.5.8)
公開日 平成27年12月3日(2015.12.3)
発明者
  • 福島 和樹
  • 岸 昴平
  • 佐々木 彩乃
  • 佐藤 千香子
  • 田中 賢
出願人
  • 国立大学法人山形大学
発明の名称 抗菌性ポリマー及びその製造方法並びに用途 新技術説明会
発明の概要 【課題】有効な抗菌性を有するとともに、生体内組織や血液に接して使用した際に細胞毒性、特に溶血性が低く抑えられた生体適合性を有するポリマー材料を提供すること。
【解決手段】主鎖と、その主鎖にリンカーを介して少なくとも以下(A),(B)で特定される構造を含む側鎖部分を連結してなることを特徴とするポリマー。
(A)カチオン性基を含む構造
(B)生体適合性の発現が期待される構造
【選択図】図23
従来技術、競合技術の概要


抗生物質の普及は感染症による被害を著しく改善してきたが、その乱用による多剤耐性菌の出現など、既存の抗生物質では対応が困難な新たな問題が生じている。また、臓器移植手術などのために免疫抑制剤の投与を受けた患者や、加齢による免疫機能が低下した高齢者にとっては、人口心臓弁やカテーテルなど体内へ挿入された人工材料による微生物感染を起こしやすい。このような事例に対し、感染症を防ぐ新たな材料として、カチオン性ポリマーが注目されている。従来のほとんどの抗生物質は、細胞内の特定のタンパク質等を標的とするため、これらの標的となる生体分子が変異することで、細菌が容易に抵抗性を獲得することができる。対照的に、例えば、マゲイニンやセクロピンなどのカチオン性ペプチドは、正電荷を持つ両親媒性構造に基づき、細菌の細胞膜と相互作用して損傷を与えるため、耐性菌が出現しにくい抗菌活性を発現することが可能である。



一方、これら天然の抗菌性ペプチドは製造コストが高く、大量生産が難しいため、特定の医薬用途に限定される。そこで、安価なモノマーから調製可能であり、これらの抗菌性ペプチドの物理的及び生物学的特性を模倣した、両親媒性のアリールアミドポリマーが報告されている(非特許文献1参照)。これらのうち最も抗菌活性の高いポリマーは、大腸菌やサルモネラ菌、緑膿菌等の病原性細菌に対して、50μg/mL以下の最小発育阻止濃度(MIC)を有する(非特許文献1の表2参照)。



また、N-(t-ブトキシカルボニル)アミノエチルメタクリレートと、ブチルメタクリレートとのラジカル共重合で調製したカチオン性両親媒性のポリメタクリレート誘導体について、種々の分子量における抗菌活性及び溶血活性を調べた結果も報告されている(非特許文献2参照)。その結果、高分子量のポリマーに比べて、分子量2000以下の低分子量ポリマーが最も小さなMICと、減少した溶血活性を示した。また、ブチル基の含有量が高くなるにしたがって、溶血活性に対する選択的な抗菌活性が低下する。



さらに、特許文献1には、開環重合により調製される生分解性カチオン性ブロックコポリマー及びその抗微生物用途での使用方法が記載されている。カチオン性の親水性ブロックと疎水性ブロックとを含む、両親媒性のブロックコポリマーは、水溶液中でナノ構造を形成することにより、カチオン性電荷及びポリマー物質の局所濃度が増加し、負に荷電した細胞壁との相互作用の増強、ひいてはより強い抗微生物活性がもたらされると考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、抗菌性ポリマーに関し、特に生体内組織や血液に接して使用した際に生体適合性を示すポリマーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
主鎖と、その主鎖にリンカーを介して少なくとも以下(A),(B)で特定される構造を含む側鎖部分を連結してなることを特徴とするポリマー。
(A)カチオン性基を含む構造
(B)生体適合性の発現が期待される構造

【請求項2】
前記カチオン性基が、第1級~第4級アンモニウム基であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。

【請求項3】
前記カチオン性基が、第1級アンモニウム基であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。

【請求項4】
前記生体適合性の発現が期待される構造が、少なくとも1つのエーテル基を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー。

【請求項5】
前記主鎖が、生分解性ポリマー、非生分解性ポリマー又はそれらの共重合体であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー。

【請求項6】
前記主鎖が、生分解性ポリマーである請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー。

【請求項7】
一般式(I):
【化21】



(式中、
X及びX’は、互いに独立して-O-、-NH-又は-CH-であり、ただし、少なくとも一方は-CH-ではなく;
Yは、式:-L-Z(式中、Zは、カチオン性基を有する側鎖部分又はカチオン性基の前駆体となる基を有する側鎖部分Zであるか、又は生体内で中間水を保持しうる基Zであり、Lは、主鎖とZとのリンカーであり、アルキレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合もしくはウレア結合又はそれらの組み合わせを有する単位構造から選択される)で示される基であり;
Mは、水素原子、炭素数3以下の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;
m及びm’は、互いに独立して、0~5の整数であり、ただし、X及びX’が共に-O-のとき、m及びm’の少なくとも一方は0ではなく、また、m及びm’の和は、7以下である)
で表される環状モノマーから選択される少なくとも2種類を混合し、ここで、第1の環状モノマーはZを有し、第2の環状モノマーはZを有し、これら少なくとも2種類のモノマー化合物を混合して開環重合する工程を含むことを特徴とするポリマーの製造方法。

【請求項8】
前記第1の環状モノマーと、第2の環状モノマーとの配合比率が、モル比で1:99~99:1であることを特徴とする請求項7に記載のポリマーの製造方法。

【請求項9】
請求項1~6の何れか一項に記載のポリマーを表面の少なくとも一部に有することを特徴とする医療機器。

【請求項10】
請求項1~6の何れか一項に記載のポリマーを含むことを特徴とする抗菌剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014097237thum.jpg
出願権利状態 公開
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