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アジド基を有するリボヌクレオシド類縁体及びその製造方法、並びに該類縁体から形成されるトリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むキメラ型オリゴリボヌクレオチド類縁体 NEW

国内特許コード P170014124
整理番号 (S2014-0518-N0)
掲載日 2017年5月10日
出願番号 特願2016-507438
出願日 平成27年2月25日(2015.2.25)
国際出願番号 JP2015055405
国際公開番号 WO2015137121
国際出願日 平成27年2月25日(2015.2.25)
国際公開日 平成27年9月17日(2015.9.17)
優先権データ
  • 特願2014-046396 (2014.3.10) JP
発明者
  • 磯部 寛之
  • 藤野 智子
  • 古樫 加奈子
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 アジド基を有するリボヌクレオシド類縁体及びその製造方法、並びに該類縁体から形成されるトリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むキメラ型オリゴリボヌクレオチド類縁体 NEW
発明の概要 1,2,3-トリアゾール環を含む有機基を介して結合した構造を含むトリアゾール連結型非天然ヌクレオチドを合成するための、5-位がヒドロキシル基である非天然ヌクレオシド類縁体を製造する手段を提供する。本発明は、式(Ic):



[式中、
Xは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
PG2及びPG5は、それぞれ独立して、水素又は保護基である]
で表される化合物の製造方法であって、
D-キシロースを出発原料として、D-キシロースの3α-ヒドロキシルを3β-アジド化し、且つ1-位にプリン塩基又はピリミジン塩基を結合させることを含む、前記方法に関する。
従来技術、競合技術の概要


核酸は、遺伝情報の蓄積及び伝達を担う重要な生体高分子である。天然に存在する核酸は、リン酸ジエステル結合により連結されたフラノース骨格上に核酸塩基を配し、その配列により遺伝情報が記述される。核酸塩基の配列は、遺伝情報の記述のみならず、リボザイム等にみられるような核酸の機能発現に重要な役割を果たしている。



最近、ヒトの全塩基配列が解読され、この情報をもとに遺伝子療法が発展するものと期待されている。遺伝子療法として発展が期待されるいくつかの手法のうち、アンチセンス法及びアンチジーン法は、遺伝子の複写及び転写経路を阻害する技術である。RNA干渉法(以下、「RNAi」とも記載する)は、数十塩基対程度の短鎖RNA(例えば、siRNA等)を用いて、標的遺伝子の発現を特異的に抑制する技術である。



前記の技術では、特定の核酸塩基配列に対して、高選択的且つ高効率的に結合する配列認識能を有する分子が必要となる。前記の技術開発においては、当初、天然型核酸の骨格を有する化合物を利用した試みが行われてきた。しかしながら、1)標的塩基配列に対する結合力の弱さ、2)標的塩基配列に結合した後の複合体の、酵素等の生体物質に対する安定性、並びに3)細胞内に移行してさらに標的塩基配列に到達するための生体膜透過性の観点から、問題が存在した。特に、天然型核酸の骨格を有する化合物においては、細胞内の核酸分解酵素による分解が大きな問題であった。



現在では、非天然型骨格上に核酸塩基を配置した核酸類縁体である人工核酸の使用が検討されている。これまで知られている人工核酸としては、1)リン酸ジエステル結合部分を修飾した人工核酸、2)フラノース部位のグリコシル結合及び/又はヒドロキシル基を修飾した人工核酸、3)核酸塩基部位を修飾した人工核酸、並びに4)糖・リン酸骨格以外の構造を利用した人工核酸等がある。前記人工核酸として、例えば、1)リン酸部位の酸素原子を硫黄原子で置換したホスホロチオエート型、ホスホロジチオエート型、ホスホロジアミデート型、メチルホスホネート型又はメチルホスホノチオエート型の人工核酸、2)フラノース環上の置換基修飾型、糖環骨格が1炭素増炭したピラノース型、又は多環式糖骨格型の人工核酸、3)塩基間スタッキングの強化又は核酸鎖間静電反発の抑制を行う修飾塩基としてピリミジンC-5位修飾塩基型、プリンC-7位修飾塩基型、環拡張修飾塩基型の人工核酸、並びに4)ペプチド鎖を基礎骨格としたペプチド核酸(PNA)等が知られている(例えば、非特許文献1及び2、特許文献1~3)。



前記の人工核酸のうち、PNAは、中性のペプチド鎖を骨格に利用するため、特異的塩基配列に対する結合力が高く、さらに加水分解酵素に対する安定性も高い等、多くの利点を有している。さらに、その合成に既存のオリゴペプチド合成手法が利用できるため、固相上で簡便に製造できる。このため、PNAは、もっとも注目されている人工核酸となっている。しかしながら、PNAは、疎水的な骨格を利用するため、溶解性が低い等の短所も報告されている。また合成的にも、ペプチド鎖の伸長及び核酸塩基をもつペプチド鎖の導入と多工程を要し、またこれらの工程に関わる置換基の保護・脱保護の工程が必要である。このため、PNAは、合成が簡便であるとはいえない。



これに対し、本発明者らは、核酸のリン酸ジエステル結合に代えて、1,2,3-トリアゾール環を介する結合を有する新規非天然ヌクレオシド誘導体を開発した(特許文献4)。当該文献に記載の非天然ヌクレオシド誘導体は、1,2,3-トリアゾール環を介する結合を主骨格とする。このため、この非天然ヌクレオシド誘導体は、生体内で分解され難く、且つ相補鎖に対する結合力が高いという利点を有する。さらに、当該文献に記載の非天然ヌクレオシド誘導体の製造方法は、鎖長伸長段階に、3-位アジドと5-位エチニルとの付加環化反応を採用している。このため、この製造方法は、簡便な反応条件で鎖長伸長が可能であるという利点も有する(非特許文献3~6)。



特許文献5は、前記1,2,3-トリアゾール環を介する結合を有する新規非天然ヌクレオシド誘導体の原料として使用し得る化合物の製造方法を記載する。



特許文献6は、1,2,3-トリアゾール環を介する結合を有する非天然ヌクレオチドを記載する。

産業上の利用分野


本発明は、アジド基を有するリボヌクレオシド類縁体及びその製造方法、並びに該類縁体から形成されるトリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むキメラ型オリゴリボヌクレオチド類縁体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(Ic):
【化1】


[式中、
Xは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
PG2及びPG5は、それぞれ独立して、水素又は保護基である]
で表される化合物の製造方法であって、
D-キシロースを出発原料として、D-キシロースの3α-ヒドロキシルを3β-アジド化し、且つ1-位にプリン塩基又はピリミジン塩基を結合させることを含む、前記方法。

【請求項2】
D-キシロースから、式(II):
【化2】


[式中、
PG1’及びPG2’は、塩基性条件下において安定で、且つ酸処理によって脱保護される保護基であって、
但し、PG1’及びPG2’は、それぞれ同一若しくは異なる独立した基であるか、又は
それらが一緒になって形成される1個の基である]
で表される化合物を形成させる、フラノース環形成工程;
式(II)で表される化合物を3β-アジド化して、式(IV):
【化3】


[式中、
PG1’及びPG2’は前記と同義であり;
PG5’は、酸性条件下において安定である保護基である]
で表される化合物を形成させる、アジド基導入工程;
式(IV)で表される化合物を酸処理することによってPG1’及びPG2’を脱保護し、式(V):
【化4】


[式中、PG5’は前記と同義である]
で表される化合物を形成させる、脱保護工程;並びに
式(V)で表される化合物に、プリン塩基又はピリミジン塩基に対するグリコシル化反応を用いてプリン塩基又はピリミジン塩基を導入して、式(Ic)で表される化合物を形成させる、塩基導入工程;
を含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
式(Ic):
【化5】


[式中、
Xは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
PG2及びPG5は、それぞれ独立して、水素又は保護基である]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。

【請求項4】
式(M):
【化6】


[式中、
mは、1以上の整数であり;
X1及びXmは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
R12及びRm2は、それぞれ独立して、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
R13は、ヒドロキシル又はその保護形態若しくは活性化形態であり;
Ymは、1,2,3-トリアゾール環を含む二価の基であり;
R5は、ヒドロキシル又はその保護形態であり、
但し、mが2以上の整数の場合、Xm、Rm2及びYmは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよい]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。

【請求項5】
式(N)、(Q)及び(R)のいずれか:
【化7】


[式中、
k、n、r及びsは、それぞれ独立して、0以上の整数であり、
但し、k及びnは、同時に0になることはなく、
r及びsは、同時に0になることはなく;
pは、1以上の整数であり;
m及びqは、それぞれ独立して、0以上の整数であり;
但し、m及びqは、同時に0になることはなく;
tは、0以上の整数であり;
X1、Xk、Xm、Xn、Xp、Xq、Xr及びXsは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
R12、Rk2、Rm2、Rn2、Rp2、Rq2、Rr2及びRs2は、それぞれ独立して、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
R13は、ヒドロキシル又はその保護形態若しくは活性化形態であり;
Ym及びYqは、1,2,3-トリアゾール環を含む二価の基であり;
Pk、Pn、P、P及びPsは、リン酸ジエステル結合、又はリン酸ジエステル結合の非架橋酸素原子が1個以上の硫黄原子若しくはボラノ基で置換された結合からなる群より選択される二価の基であり;
R5は、ヒドロキシル又はその保護形態であり、
但し、kが2以上の整数の場合、Xk、Rk2及びPkは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
mが2以上の整数の場合、Xm、Rm2及びYmは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
nが2以上の整数の場合、Xn、Rn2及びPnは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
pが2以上の整数の場合、Xp、Rp2及びPpは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
qが2以上の整数の場合、Xq、Rq2及びYqは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
rが2以上の整数の場合、Xr、Rr2及びPrは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
sが2以上の整数の場合、Xs、Rs2及びPsは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
tが2以上の整数の場合、Xm及びXs、Rm2及びRs2、Ym、並びにPsは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよい]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。

【請求項6】
Ym及びYqが、それぞれ独立して、以下の式(Y-I)及び(Y-II):
【化8】


[式中、
*aは、Xm又はXqを含むヌクレオシド部分との結合位置を示し、
*bは、X1、Xn、Xp、Xr又はXsを含むヌクレオシド部分との結合位置を示す]
からなる群より選択される、請求項4又は5に記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。

【請求項7】
請求項4に記載の式(M)で表される化合物の製造方法であって、以下の工程:
式(IA):
【化9】


[式中、
XIAは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIA2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIA5は、水素又は保護基である]
で表される化合物と式(IB):
【化10】


[式中、
XIBは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIB2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIB3は、ヒドロキシル又はその保護形態若しくは活性化形態であり;
RIB5は、水素又は保護基である]
で表される化合物とを連結反応させる、工程(1);
前記工程(1)で得られた工程(1)の連結体とm-2個の式(IA)で表される化合物とを順次連結反応させる、工程(2);
前記工程(2)で得られた工程(2)の連結体と式(IC):
【化11】


[式中、
R5は、前記と同義であり;
R2は、Rm2と同義であり;
Xは、Xmと同義である]
で表される化合物とを連結反応させる工程(3);
を含む、前記方法。

【請求項8】
請求項5又は6に記載の式(N)で表される化合物の製造方法であって、以下の工程:
n個のリボヌクレオチドを連結して得られるオリゴリボヌクレオチドと請求項4に記載の式(M)で表される化合物とを連結反応させる工程(1);
前記工程(1)で得られた工程(1)の連結体とk個のリボヌクレオチドとを順次連結反応させる工程(2);
を含む、前記方法。

【請求項9】
請求項5又は6に記載の式(Q)で表される化合物の製造方法であって、以下の工程:
請求項4に記載の式(M)で表される化合物とp-1個のリボヌクレオチドとを順次連結反応させる工程(1);
前記工程(1)で得られた工程(1)の連結体と式(IB):
【化12】


[式中、
XIBは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIB2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIB3は、ヒドロキシル又はその保護形態若しくは活性化形態であり;
RIB5は、水素又は保護基である]
で表される化合物とを連結反応させる工程(2);
前記工程(2)で得られた工程(2)の連結体とq-1個の式(IA):
【化13】


[式中、
XIAは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIA2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIA5は、水素又は保護基である]
で表される化合物とを順次連結反応させる工程(3);
前記工程(3)で得られた工程(3)の連結体と式(IC):
【化14】


[式中、
R5は、前記と同義であり;
R2は、Rm2と同義であり;
Xは、Xmと同義である]
で表される化合物とを連結反応させる工程(4);
を含む、前記方法。

【請求項10】
請求項5又は6に記載の式(R)で表される化合物の製造方法であって、以下の工程:
r個のリボヌクレオチドを連結して得られるオリゴリボヌクレオチドと請求項4に記載の式(M)で表される化合物とを連結反応させる工程(1);
前記工程(1)で得られた工程(1)の連結体とs-1個のリボヌクレオチドとを順次連結反応させる工程(2);
前記工程(2)で得られた工程(2)の連結体と式(IB):
【化15】


[式中、
XIBは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIB2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIB3は、ヒドロキシル又はその保護形態若しくは活性化形態であり;
RIB5は、水素又は保護基である]
で表される化合物とを連結反応させる工程(3);
前記工程(3)で得られた工程(3)の連結体とm-1個の式(IA):
【化16】


[式中、
XIAは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIA2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIA5は、水素又は保護基である]
で表される化合物とを順次連結反応させる工程(4-i)と、
前記工程(4-i)で得られた工程(4-i)の連結体と式(IC):
【化17】


[式中、
R5は、前記と同義であり;
R2は、Rm2と同義であり;
Xは、Xmと同義である]
で表される化合物とを連結反応させる工程(4-ii)と、
前記工程(4-ii)で得られた工程(4-ii)の連結体とs-1個のリボヌクレオチドとを順次連結反応させる工程(4-iii)と、
前記工程(4-iii)で得られた工程(4-iii)の連結体と式(IB):
【化18】


[式中、
XIBは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
RIB2は、水素、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
RIB3は、ヒドロキシル又はその保護形態若しくは活性化形態であり;
RIB5は、水素又は保護基である]
で表される化合物とを連結反応させる工程(4-iv)と、
をt-1回繰り返す工程(4);
前記工程(4)で得られた工程(4)の連結体とq-1個の式(IA)で表される化合物とを順次連結反応させる工程(5);
前記工程(5)で得られた工程(5)の連結体と式(IC)で表される化合物とを連結反応させる工程(6);
を含む、前記方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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