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摺動方法、摺動構造の製造方法、摺動構造およびデバイス

国内特許コード P170014125
整理番号 (S2014-0865-N0)
掲載日 2017年5月10日
出願番号 特願2016-515192
登録番号 特許第6095090号
出願日 平成27年4月23日(2015.4.23)
登録日 平成29年2月24日(2017.2.24)
国際出願番号 JP2015062325
国際公開番号 WO2015163389
国際出願日 平成27年4月23日(2015.4.23)
国際公開日 平成27年10月29日(2015.10.29)
優先権データ
  • 特願2014-090332 (2014.4.24) JP
発明者
  • 新山 泰徳
  • 足立 幸志
  • 岡田 弘
  • 小田 修三
出願人
  • 国立大学法人東北大学
  • 株式会社デンソー
発明の名称 摺動方法、摺動構造の製造方法、摺動構造およびデバイス
発明の概要 本発明は、第1の摺動部材及び第2の摺動部材はそれぞれ、硬質炭素膜からなる摺動面を有し、第1の摺動部材の摺動面には凸部(6)が存在しており、第1の摺動部材の摺動面での単位面積あたりの摩擦仕事量は、第2の摺動部材における摺動面での単位面積あたりの摩擦仕事量よりも小さく、第1の摺動部材における凸部の平均高さが、第1の摺動部材と第2の摺動部材とを摺動させるときに第2の摺動部材からの荷重によって第1の摺動部材に生じる弾性変形量よりも小さくなるまで、第1の摺動部材と第2の摺動部材とのなじみ処理を液体が存在しない環境下で行った後、第1の摺動部材と第2の摺動部材とを液体中で摺動させる。本発明は、これにより、硬質炭素膜を有する摺動部材同士を液体環境下、特に水環境下でも剥離させずに摺動可能とする。
従来技術、競合技術の概要

硬質炭素膜は、金型や工具用の部材、耐摩耗性機械用の部材、研磨用の部材、摺動部材、磁気や光学部品の部材などの多岐多様な部材のコーティング材料として利用されている。中でも、機械関連製品や自動車部品などの摺動部材への利用は、研究が拡大しつつある分野の一つである。


また、硬質炭素膜として、ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」とも称する。)膜は、その代表例としてよく知られている。


しかしながら、硬質炭素膜をコーティングした部材は、一般にコーティングした硬質炭素膜の剥離が生じ易いことが知られており、硬質炭素膜をコーティングした摺動部材においてもこの剥離を抑制する方法が色々と検討されている。


例えば、特許文献1には、少なくとも金属成分の中間層と炭素層とを備えるDLC膜を、転がり摺動部材の軸受鋼やステンレス鋼の表面に形成させた場合に、その中間層と炭素層との界面が剥離しやすいことが開示されている。そして、特許文献1では、その剥離防止を目的として、少なくとも金属成分の中間層と、炭素層と、両組成の比率を変化させた傾斜層(複合層)とを形成させたDLC膜を摺動部材として用いることが開示されている。


特許文献2には、エンジンに用いられる従来のロッカーアームアッシーの支持軸(基材)にDLC膜を施した場合、DLC膜が支持軸から剥離することが開示されている。そして、特許文献2では、ロッカーアームアッシーの支持軸とそのDLC膜との密着強度の向上を目的として、軸基材に施すDLC膜が、sp2‐及びsp3‐交雑炭素を含むアモルファス炭化水素を有する最外層の表面層と、この表面層よりも内側で且つ軸基材に臨み、少なくともクロムを含有する下地層と、これら表面層と下地層との間に介在されていて、クロムと炭化タングステンとを含むクロム-炭化タングステン層とを有し、二次粒子径の平均分散粒子径が0.1μm以上0.7μm以下であるC粒子を含有する潤滑油で潤滑されることを特徴とするロッカーアームアッシーが開示されている。


特許文献3には、転がり軸受の保持器の摺接面(基材)に形成されたDLC膜と摺接面との剥離が開示されている。そして、特許文献3には、その耐剥離性の向上(密着強度の向上)を目的として、摺接面の上に直接成膜される硬質膜が、Crを主体とする下地層と、下地層の上に成膜されるタングステンカーバイト(WC)とDLCとを主体とする混合層と、混合層の上に成膜されるDLCを主体とする表面層とからなる構造の膜であって、混合層は、下地層側から表面層側へ向けて連続的または段階的に、該混合層中のWCの含有率が小さくなり、混合層中のDLCの含有率が高くなる層であることを特徴とするものが開示されている。


このように、硬質炭素膜をコーティングした摺動部材の摺動面での硬質炭素膜の剥離を抑制する方法として、硬質炭素膜を構成する中間層と炭素層との界面の剥離を抑制させるものや、硬質炭素膜と基材との間の密着強度を向上させるものが知られている。


また、硬質炭素膜をコーティングした摺動部材では、摺動面での摩擦を軽減させるため、オイルのような潤滑油を用いる液体環境下で摺動させるのが一般的である。例えば、特許文献2も上述の通り、潤滑油の存在下で摺動させるものである。

産業上の利用分野

本発明は、摺動方法、摺動構造の製造方法、摺動構造およびデバイスに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の摺動部材と第2の摺動部材とを液体中で摺動させる方法であって、
前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材はそれぞれ、硬質炭素膜からなる摺動面を有しており、摺動時にお互いの摩擦される面積が異なることによって、前記第1の摺動部材における前記摺動面での単位面積あたりの摩擦仕事量が、前記第2の摺動部材における前記摺動面での単位面積あたりの摩擦仕事量よりも小さくなる構成を有しており、
前記第1の摺動部材における前記摺動面には、前記硬質炭素膜の成膜により発生するドロップレットが存在し、
前記第1の摺動部材における前記ドロップレットの平均高さが、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とを摺動させるときに前記第2の摺動部材からの荷重によって前記第1の摺動部材に生じる弾性変形量よりも小さくなるまで、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とのなじみ処理を前記液体が存在しない環境下で行った後、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とを前記液体中で摺動させることを
特徴とする摺動方法。

【請求項2】
前記なじみ処理における速度及び荷重は、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とを摺動させるときの速度及び荷重と同じであることを特徴とする、請求項1に記載の摺動方法。

【請求項3】
前記液体が存在しない環境は酸化雰囲気であることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動方法。

【請求項4】
前記液体が存在しない環境は大気であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の摺動方法。

【請求項5】
前記硬質炭素膜はダイヤモンドライクカーボン膜であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の摺動方法。

【請求項6】
前記液体は水またはアルコールであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の摺動方法。

【請求項7】
液体中で摺動する第1の摺動部材と第2の摺動部材とを有する摺動構造の製造方法であって、
硬質炭素膜からなる摺動面を有し、その摺動面に前記硬質炭素膜の成膜により発生するドロップレットが存在する前記第1の摺動部材と、硬質炭素膜からなる摺動面を有し、摺動時にお互いの摩擦される面積が異なることによって、その摺動面での単位面積あたりの摩擦仕事量が、前記第1の摺動部材における前記摺動面での単位面積あたりの摩擦仕事量以上となるよう構成された前記第2の摺動部材とのなじみ処理を、前記第1の摺動部材における前記ドロップレットの平均高さが、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とを摺動させるときに前記第2の摺動部材からの荷重によって前記第1の摺動部材に生じる弾性変形量よりも小さくなるまで、前記液体が存在しない環境下で行うことを
特徴とする摺動構造の製造方法。

【請求項8】
前記なじみ処理の後、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とを前記液体中で摺動させることを特徴とする請求項7に記載の摺動構造の製造方法。

【請求項9】
前記なじみ処理における速度及び荷重は、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材とを摺動させるときの速度及び荷重と同じであることを特徴とする請求項7または8に記載の摺動構造の製造方法。

【請求項10】
前記液体が存在しない環境は酸化雰囲気であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の摺動構造の製造方法。

【請求項11】
前記液体が存在しない環境は大気であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の摺動構造の製造方法。

【請求項12】
前記硬質炭素膜はダイヤモンドライクカーボン膜であることを特徴とする、請求項7乃至11のいずれか1項に記載の摺動構造の製造方法。

【請求項13】
前記液体は水またはアルコールであることを特徴とする、請求項7乃至12のいずれか1項に記載の摺動構造の製造方法。

【請求項14】
請求項7乃至13のいずれか1項に記載の摺動構造の製造方法によって製造されることを特徴とする摺動構造。

【請求項15】
請求項14記載の摺動構造を含むことを特徴とする、デバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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