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非破壊検査装置及び非破壊検査方法 NEW

国内特許コード P170014163
整理番号 S2015-2146-N0
掲載日 2017年5月29日
出願番号 特願2015-197253
公開番号 特開2017-067743
出願日 平成27年10月3日(2015.10.3)
公開日 平成29年4月6日(2017.4.6)
発明者
  • 塚田 啓二
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 非破壊検査装置及び非破壊検査方法 NEW
発明の概要 【課題】より高速に計測可能であって、さらに様々な厚みに対応できる非破壊検査装置及び非破壊検査方法を提供する。
【解決手段】検査対象物に磁場を印加する印加コイル(4-1)と、検査対象物に誘引された磁場を検出する磁気センサ(2-1)と、この磁気センサ(2-1)の出力信号のうち所定周波数の信号を検波する検波器(8-1,8-2)と、この検波器(8-1,8-2)の出力信号を解析する解析器(10-1)とを設けた非破壊検査装置において、第1の周波数とした第1の交流電流と、第1の周波数よりも周波数の小さい第2の周波数とした第2の交流電流で印加コイル(4-1)を駆動させ、検波器(8-1)で第1の周波数で検波した信号に基づく第1の磁場ベクトルと、検波器(8-2)で第2の周波数で検波した信号に基づく第2の磁場ベクトルとのベクトルの差として得られる差ベクトルの位相成分から検査対象物の厚みを検出する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


橋梁など鉄鋼材料で作られたインフラ構造物は、作られてから長い年月が経ったものがその安全性確保が現在大きな社会問題となっている。このため、簡単にしかも精度良い検査方法が望まれている。



検査方法には、超音波検査や、x線検査、打音検査などがあり、そのなかでも簡易に測定でき、検査結果を定量化できるものとして渦電流探傷法がある。これは金属性の対象物に交流磁場を印加して、渦電流を発生させる方法である。対象物に傷などがあると渦電流の分布が変化して、渦電流が作る磁場が変化するので、その変化量を計測している。この方法は表面探傷法とも呼ばれ、表面の傷の検査に多く用いられている。



表面探傷法においては、交流磁場が表皮効果のために深くは浸透しないため、表面の傷の検査に多く用いられることとなっている。表皮効果による磁場の浸透は、周波数が低いほど深くすることができる。さらに、最近では磁場を検出するセンサとして検出コイルの変わりに磁気センサを用いることで、低周波計測による深部の探傷が行われ始めている。



深部の探傷として、たとえば鋼板で囲まれて、外部からでは見えない内部側の腐食を検査する方法として、印加コイルを取り付けたヨーク材を鋼板に当てて鋼板内部に磁場を生じさせ、表面から漏れてくる表面に平行な磁束成分を磁気センサで計測する磁束漏洩法を報告した。この方法により、厚みのある鋼板の裏面側の腐食を検知できることを報告した(たとえば、特許文献1参照。)。ここでは磁界強度の変化だけでは判別が難しく、位相を含めた磁場強度に変換することにより、厚い鋼板の裏側の信号変化を捉えることが可能となった。



一方、ほかの方法として厚い金属板材を計測する方法として、印加コイルと磁気センサからなる渦電流プローブにおいて1Hz前後から数kHzまでの周波数を走査し、その磁気応答における強度と位相による磁気ベクトルを実軸と虚軸のグラフにプロットした応答曲線(以下磁気スペクトルと呼ぶ)によって調べることを報告した(たとえば、非特許文献1参照)。この方法では、厚みによって磁気スペクトルが変化することから、この応答曲線の違いにより判別することができる。この磁気スペクトルを作成することによって、測定対象がアルミニウムや銅などの非磁性体であるか、鉄などの磁性体であるか、また、着磁しているかなどの磁気的特性の違いを判別できた。ここで、厚みの違いを見る方法として、磁気スペクトルにおいて位相情報を抽出し、周波数に対する位相変化のグラフを書くことによって、わかりやすいことを報告した。さらに、磁性体を計測する場合には、位相として印加コイルの参照信号に対する遅れ位相をとることを報告した(たとえば、非特許文献2参照。)。



一方、磁気センサを用いないで従来の印加コイルと検出コイルが同じものを使った計測においても、電圧駆動により対象物との相互インダクタンス変化による検出コイル自身のインピーダンスの周波数変化を実軸(抵抗分)と虚軸(リアクタンス分)にプロットしたインピーダンス曲線はよく知られている(たとえば、非特許文献3参照。)。



また、印加コイルと検出コイルを別に設けたものでの計測された信号の実軸と虚軸の図にプロットして、この軌跡により板厚ではないが、焼結金属の品質判断ができることが報告されている(たとえば、特許文献2参照。)。



また、信号強度だけの周波数応答特性を報告しているものもある。ここで、検査のときは時間のかかる周波数応答特性曲線を求めるものでなく、欠陥の深さにより周波数応答曲線が異なるので、任意の2つの周波数での信号強度の差を捕らえることによって欠陥の深さを判定する方法が報告されている(例えば、特許文献3参照。)。



周波数を広く走査するためには時間がかかるので、時間短縮する方法として、パルス磁場を印加し、得られた信号をフーリエ解析して各周波数における磁場強度と位相の変化を捉える方法が報告されている(例えば、特許文献4参照。)。

産業上の利用分野


本発明は、金属構造物の腐食や亀裂を磁気的に検査する非破壊検査装置及び非破壊検査方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
検査対象物に磁場を印加する印加コイルと、
この印加コイルに所定の周波数の交流電流を通電させる交流定電流源と、
前記印可コイルで印加した磁場により前記検査対象物に誘引された磁場を検出する磁気センサと、
この磁気センサの出力信号のうち所定周波数の信号を検波する検波器と、
この検波器の出力信号を解析する解析器と
を有する非破壊検査装置において、
前記交流定電流源は、第1の周波数とした第1の交流電流と、第1の周波数よりも周波数の小さい第2の周波数とした第2の交流電流で前記印加コイルを駆動させ、
前記解析器は、前記検波器で前記第1の周波数で検波して得られた信号の強度と位相とを成分とする第1の磁場ベクトルと、前記検波器で前記第2の周波数で検波して得られた信号の強度と位相とを成分とする第2の磁場ベクトルとのベクトルの差として得られる差ベクトルの位相成分を検出して、この位相成分から前記検査対象物の厚みを検出する非破壊検査装置。

【請求項2】
前記第1の磁場ベクトルと前記第2の磁場ベクトルの位相は、前記第2の周波数より小さい1Hz以下の周波数として得られた磁場ベクトルの位相を基準としている請求項1に記載の非破壊検査装置。

【請求項3】
前記第1と第2の周波数は可変として、予め設定されている前記検査対象物の厚みに対応させた周波数の組み合わせとする請求項1または請求項2に記載の非破壊検査装置。

【請求項4】
印加コイルで検査対象物に所定の周波数の交流磁場を印加して、前記検査対象物に誘引した磁場を磁気センサで検出し、この磁気センサの出力信号の所定周波数成分を検波器で検波し、この検波器の出力信号を解析器で解析することで前記検査対象物の厚みを検出する非破壊検査方法において、
前記印加コイルには、第1の周波数とした第1の交流電流と、第1の周波数よりも周波数の小さい第2の周波数とした第2の交流電流とを通電し、
前記解析器では、前記検波器で前記第1の周波数で検波して得られた信号の強度と位相とを成分とする第1の磁場ベクトルと、前記検波器で前記第2の周波数で検波して得られた信号の強度と位相とを成分とする第2の磁場ベクトルとのベクトルの差として得られる差ベクトルの位相成分を検出して、この位相成分から前記検査対象物の厚みを検出する非破壊検査方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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