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コーティング剤およびそれを用いた親水性膜の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P170014174
整理番号 1710
掲載日 2017年6月1日
出願番号 特願2015-186964
公開番号 特開2017-061598
出願日 平成27年9月24日(2015.9.24)
公開日 平成29年3月30日(2017.3.30)
発明者
  • 須賀 健雄
  • 西出 宏之
  • 越智 寛
出願人
  • 東レ株式会社
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 コーティング剤およびそれを用いた親水性膜の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】基材の表面に親水性膜を形成するコーティング剤および親水性膜の製造方法を提供する。
【解決手段】複数のエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマーおよび/または該モノマーのオリゴマーまたはポリマー、刺激応答開始剤、シリカおよび特定の構造を有する両性イオンポリマーからなるコーティング剤を、基材上に塗布し製膜し、光刺激または熱刺激を与え硬化膜を形成し、この硬化膜に水を接触させ親水性膜を形成する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、海水、かん水の淡水化、排水処理および処理水の浄化等の水処理技術への関心が高まり、種々の水処理装置が広く使用されている。各種水処理装置において、海水、かん水、排水などの被処理水と接触するタンク、配管、操作機器、計測機器、制御機器の内面に、微生物がバイオフィルムのかたちで増殖し水処理の効率に影響を及ぼすことがある。一方、船舶の底部やスクリューの表面、或は水中作業機械の表面に、フジツボや貝などの海洋生物が付着し、船舶の運航および水中作業を妨げる一因になっている。



水処理装置内面に水中微生物が付着するのを防止するため、および船舶や水中作業機械の外表面に海洋生物が付着するのを防止するため、それぞれの水に接する表面を加工することが検討されている。例えば水処理装置の内表面を親水性の材料でコーティングしたり、架橋したりすることで親水性を付与し、水中微生物や海洋生物が付着し難くすることが考えられる。しかしこのような親水性の材料は、装置を形成する基材と比べ機械的強度が弱く、使用中に破壊したり剥がれ易いという問題がある。



非特許文献1は、基材の表面から親水性高分子の重合反応を開始し高分子鎖を基材のから垂直方向に成長させたポリマーブラシを生やすことにより、基材表面を親水性に加工することを提案します。このポリマーブラシによる表面加工は、その表面特性および機械的強度を改良するが、水処理装置を構成するタンクや配管等の内表面や、船舶の底部の外表面という非常に広範な領域にポリマーブラシによる表面改質を施すことは、労力やコストの観点から非常に困難という問題がある。



このため改質材料の機械的強度が優れるとともに、基材の表面積が広いときも、表面改質を容易に行うことができるようにする技術が求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、基材の表面に親水性膜を形成するコーティング剤および親水性膜の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマーおよび/または該モノマーのオリゴマーまたはポリマー、刺激応答開始剤、シリカおよび下記一般式(I)で表される両性イオンポリマーからなるコーティング剤。
【化1】


(式(I)中、R1,R3は互いに独立に水素またはメチル基、R2は下記一般式(II),(III)または(IV)で表される両性イオン基、R4はヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる官能基、R5はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~18の有機基または下記一般式(V)で表される基であり、mおよびnは1以上の実数で、比(m/n)が5/95~99/1を満たす。
【化2】


【化3】


【化4】


【化5】


ただし式(II),(III),(IV)中、xおよびyは互いに独立して1~8の実数、式(V)中、R6はメチル基またはビニル基である。)

【請求項2】
前記重合性モノマーが、多官能性(メタ)アクリルモノマーである請求項1に記載のコーティング剤。

【請求項3】
前記刺激応答開始剤が、光重合開始剤または熱重合開始剤である請求項1または2に記載のコーティング剤。

【請求項4】
前記両性イオンポリマー並びに前記重合性モノマー、該モノマーのオリゴマーおよびポリマーの合計100重量部に対し、前記両性イオンポリマーを0.5~99.5重量部含有する請求項1~3のいずれかに記載のコーティング剤。

【請求項5】
下記の工程(1)および(2)をこの順に行う硬化膜の製造方法。
工程(1)複数のエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマー、刺激応答開始剤、シリカおよび下記一般式(I)で表される両性イオンポリマーからなるコーティング剤を、基材上に塗布し製膜する工程
工程(2)得られた膜に光刺激または熱刺激を与え硬化膜を形成する工程
【化6】


(式(I)中、R1,R3は互いに独立に水素またはメチル基、R2は下記一般式(II),(III)または(IV)で表される両性イオン基、R4はヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる官能基、R5はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~18の有機基または下記一般式(V)で表される基であり、mおよびnは1以上の実数で、比(m/n)が5/95~99/1を満たす。
【化7】


【化8】


【化9】


【化10】


ただし式(II),(III),(IV)中、xおよびyは互いに独立して1~8の実数、式(V)中、R6はメチル基またはビニル基である。)

【請求項6】
前記重合性モノマーが、多官能性(メタ)アクリルモノマーである請求項5に記載の硬化膜の製造方法。

【請求項7】
前記刺激応答開始剤が、光重合開始剤または熱重合開始剤である請求項5または6に記載の硬化膜の製造方法。

【請求項8】
前記コーティング剤が、前記両性イオンポリマー並びに前記重合性モノマー、該モノマーのオリゴマーおよびポリマーの合計100重量部に対し、前記両性イオンポリマーを0.5~99.5重量部配合する請求項5~7のいずれかに記載の硬化膜の製造方法。

【請求項9】
請求項5~8のいずれかに記載の硬化膜の製造方法に続き、前記工程(2)の後に下記工程(3)を行う親水性膜の製造方法。
工程(3)得られた硬化膜に水を接触させ親水性膜を形成する工程

【請求項10】
請求項5~8のいずれかに記載の製造方法により得られた硬化膜であって、その表面に前記シリカおよび/または両性イオンポリマーが偏析した硬化膜。

【請求項11】
前記硬化膜における両性イオンポリマー由来の硫黄原子または燐原子の表面濃度が、硬化膜の内部におけるそれぞれの濃度より高い請求項10に記載の硬化膜。

【請求項12】
前記基材が、有機材料、無機材料またはこれらの複合材である請求項10または11に記載の硬化膜。

【請求項13】
請求項9に記載の製造方法により得られた親水性膜であって、その表面に前記シリカおよび/または両性イオンポリマーが偏析した親水性膜。

【請求項14】
前記親水性膜における両性イオンポリマー由来の硫黄原子または燐原子の表面濃度が、親水性膜の内部におけるそれぞれの濃度より高い請求項13に記載の親水性膜。

【請求項15】
前記基材が、有機材料、無機材料またはこれらの複合材である請求項13または14に記載の親水性膜。

【請求項16】
基材の表面に硬化膜を形成した成形体であって、
前記硬化膜が、複数のエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマー、刺激応答開始剤、シリカおよび下記一般式(I)で表される両性イオンポリマーからなるコーティング剤の硬化物であり、前記硬化膜の表面に前記シリカおよび/または両性イオンポリマーが偏析した成形体。
【化11】


(式(I)中、R1,R3は互いに独立に水素またはメチル基、R2は下記一般式(II),(III)または(IV)で表される両性イオン基、R4はヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる官能基、R5はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~18の有機基または下記一般式(V)で表される基であり、mおよびnは1以上の実数で、比(m/n)が5/95~99/1を満たす。
【化12】


【化13】


【化14】


【化15】


ただし式(II),(III),(IV)中、xおよびyは互いに独立して1~8の実数、式(V)中、R6はメチル基またはビニル基である。)

【請求項17】
前記硬化膜における両性イオンポリマー由来の硫黄原子または燐原子の表面濃度が、硬化膜の内部におけるそれぞれの濃度より高い請求項16に記載の成形体。

【請求項18】
前記基材が、有機材料、無機材料またはこれらの複合材である請求項16または17に記載の成形体。

【請求項19】
請求項16~18のいずれかに記載の成形体において、前記硬化膜が水と接触した親水性膜を有する成形体。

【請求項20】
前記親水性膜における両性イオンポリマー由来の硫黄原子または燐原子の表面濃度が、親水性膜の内部におけるそれぞれの濃度より高い請求項19に記載の成形体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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