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CAR発現ベクター及びCAR発現T細胞 UPDATE

国内特許コード P170014205
整理番号 (S2014-1580-N0)
掲載日 2017年6月14日
出願番号 特願2016-552830
登録番号 特許第6161098号
出願日 平成27年10月6日(2015.10.6)
登録日 平成29年6月23日(2017.6.23)
国際出願番号 JP2015005080
国際公開番号 WO2016056228
国際出願日 平成27年10月6日(2015.10.6)
国際公開日 平成28年4月14日(2016.4.14)
優先権データ
  • 特願2014-208200 (2014.10.9) JP
発明者
  • 玉田 耕治
  • 佐古田 幸美
  • 安達 圭志
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 CAR発現ベクター及びCAR発現T細胞 UPDATE
発明の概要 T細胞においてキメラ抗原受容体(CAR)と共にT細胞の免疫機能促進因子を発現し、免疫誘導効果や抗腫瘍活性が高いCAR発現T細胞や、かかるCAR発現T細胞を作製するためのCAR発現ベクターを提供することを課題とする。
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸及びT細胞の免疫機能促進因子をコードする核酸を含有するCAR発現ベクターであって、前記免疫機能促進因子をコードする核酸が、インターロイキン7をコードする核酸及びCCL19をコードする核酸、SHP-1に対するドミナントネガティブ変異体をコードする核酸、又はSHP-2に対するドミナントネガティブ変異体をコードする核酸であるCAR発現ベクターや、前記CAR発現ベクターを導入したCAR発現T細胞を作製する。
従来技術、競合技術の概要


キメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor:以下、「CAR」ともいう)は、がん細胞の細胞表面抗原を認識する一本鎖抗体と、T細胞の活性化を誘導するシグナル伝達領域を融合させた人工的なキメラタンパク質である。図1に示すように、腫瘍反応性を有さない通常の末梢血T細胞(末梢血Tリンパ球)にCARをコードする遺伝子を導入することにより、CARを発現可能なCAR発現T細胞(以下、単に「CAR-T細胞」ともいう)を大量に作製することが可能となる。かかるCAR-T細胞は腫瘍反応性を有し、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)との相互作用に依存することなくがん細胞の傷害を導くことが可能となる。



CAR-T細胞の投与によるがん免疫療法、より具体的には、患者からT細胞を採取し、かかるT細胞にCARをコードする遺伝子を導入して増幅し、再度患者に移入する療法(非特許文献1参照)は、現在世界中で臨床試験が進行しており、白血病やリンパ腫などの造血器悪性腫瘍などにおいて有効性を示す結果が得られている。



近年、様々なCAR-T細胞の研究が進められてきた。例えば、CD19抗原結合領域と細胞膜貫通領域と4-1BB共刺激シグナル領域と、CD3ζシグナル領域からなるCARをコードする核酸を含む修飾された自己ヒトT細胞を含む医薬組成物(特許文献1参照)や、がん細胞に結合する1つ又は複数のタグ付きタンパク質の配合物と同時に又は別々に被験体に投与される、前記タグ付きタンパク質に結合し、がん細胞死を誘導する1つ又は複数の治療的に有効な抗タグキメラ抗原受容体(AT-CAR)発現T細胞集団(特許文献2参照)や、ヒト抗体139の抗原結合ドメイン、細胞外ヒンジドメイン、細胞膜貫通ドメイン、及び細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを含む、キメラ抗原受容体をコードする核酸を含む細胞(特許文献3参照)や、キメラ抗原受容体をコードする核酸配列を含む細胞であって、該キメラ抗原受容体が抗原結合ドメイン、細胞膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域、及び、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むCD3ζシグナル伝達ドメインを含む細胞(特許文献4参照)や、細胞表面膜上にCD19特異的キメラ受容体を発現及び保有し、該キメラ受容体が免疫細胞のエフェクター機能のための細胞内シグナリングドメイン、少なくとも1つの細胞膜貫通ドメイン及び少なくとも1つの細胞外ドメインからなり、細胞外ドメインがCD19特異的受容体を含む、遺伝子工学的に作製されたCD19特異的T細胞(特許文献5参照)や、細胞内ドメインとしてグルココルチロイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)の細胞内ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードする核酸が導入されたキメラ抗原受容体発現細胞(特許文献6参照)が提案されている。



しかしながら、CAR-T細胞の生体内での生存効率が低い、あるいはCAR-T細胞により誘導される内在性T細胞の活性化や腫瘍局所への集積が不十分という問題や、がん細胞が有する腫瘍免疫回避機構であるPD-L1/PD-1経路を介した免疫抑制シグナル及びがん微小環境において分泌されるTGF-βやIL-10などの免疫抑制因子によるCAR-T細胞の活性阻害という問題はこれまでの技術では解決されていない。そのため、十分な治療効果が認められないがん種や症例が存在しており、さらに効果的なCAR-T細胞、及びかかるCAR-T細胞を作製するための発現ベクターの作製が求められている。

産業上の利用分野


本発明は、CAR発現ベクターや、CAR発現ベクターを導入したCAR発現T細胞や、CAR発現T細胞を含有する抗がん剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸及びT細胞の免疫機能促進因子をコードする核酸を含有するCAR発現ベクターであって、前記免疫機能促進因子をコードする核酸が、インターロイキン7をコードする核酸及びCCL19をコードする核酸であることを特徴とするCAR発現ベクター。

【請求項2】
CARをコードする核酸とT細胞の免疫機能促進因子とをコードする核酸が、自己切断型ペプチドをコードする配列を介して連結されていることを特徴とする請求項1記載のCAR発現ベクター。

【請求項3】
インターロイキン7をコードする核酸とCCL19とをコードする核酸が、自己切断型ペプチドをコードする配列を介して連結されていることを特徴とする請求項1又は記載のCAR発現ベクター。

【請求項4】
CARをコードする核酸が、FITC又はCD20を認識する一本鎖抗体のポリペプチドをコードする核酸を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のCAR発現ベクター。

【請求項5】
CARをコードする核酸が、CD8の細胞膜貫通領域のポリペプチドをコードする核酸を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のCAR発現ベクター。

【請求項6】
CARをコードする核酸が、CD28の細胞内領域、4-1BBの細胞内領域、及びCD3ζの細胞内領域のポリペプチドをコードする核酸を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか記載のCAR発現ベクター。

【請求項7】
以下の(a)又は(b)に示すベクターを導入したCAR発現T細胞。
(a)請求項1~6のいずれか記載のCAR発現ベクター;
(b)CARをコードする核酸及びインターロイキン7をコードする核酸を含有するCAR発現ベクターと、CARをコードする核酸及びCCL19をコードする核酸を含有するCAR発現ベクター;

【請求項8】
請求項記載のCAR発現T細胞と薬学的に許容される添加剤とを含有する抗がん剤。

【請求項9】
CAR、インターロイキン7、及びCCL19を発現するT細胞。

【請求項10】
請求項9記載のT細胞と薬学的に許容される添加剤とを含有する抗がん剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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