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強磁場計測および磁場値測定用磁気力顕微鏡用探針、ならびに、強磁場発生試料の磁場観察方法および装置

国内特許コード P170014207
整理番号 (S2014-1367-N0)
掲載日 2017年6月14日
出願番号 特願2016-542615
出願日 平成27年8月14日(2015.8.14)
国際出願番号 JP2015072969
国際公開番号 WO2016024636
国際出願日 平成27年8月14日(2015.8.14)
国際公開日 平成28年2月18日(2016.2.18)
優先権データ
  • 特願2014-165435 (2014.8.15) JP
  • 特願2014-165492 (2014.8.15) JP
発明者
  • 齊藤 準
  • 吉村 哲
  • 木下 幸則
出願人
  • 国立大学法人秋田大学
発明の名称 強磁場計測および磁場値測定用磁気力顕微鏡用探針、ならびに、強磁場発生試料の磁場観察方法および装置
発明の概要 (1)少なくとも1種の磁性材料を備え、少なくとも10~30℃の温度域にわたって、磁場を印加されたときに磁性材料の磁化が飽和せず、(a)磁性材料が、1種以上の強磁性元素と1種以上の非磁性元素との固溶体である;(b)磁性材料が、1種以上の強磁性元素と1種以上の非磁性元素とを含む非晶質の磁性材料である;又は(c)磁性材料が、1種以上の強磁性体粒子と1種以上の非磁性材料とを含み、強磁性体粒子が非磁性材料中に分散されて支持されている構造を有する磁性材料である、磁気力顕微鏡用探針。(2)上記(1)の磁気力顕微鏡用探針を備える磁場観察装置。(3)上記(1)の磁気力顕微鏡用探針を用いる磁場観察方法。
従来技術、競合技術の概要


磁性体試料の磁気情報に対応した磁化パターン等を測定する装置として、磁気力顕微鏡(MFM)が知られている。磁気力顕微鏡は磁性探針を備えており、その磁性探針の先端を観察対象である磁性体試料に近づけ、磁性探針の磁気モーメントと磁性体試料の磁気モーメントとの間に働く磁気的相互作用を検出することにより、磁化パターン等の測定を行う。



磁気力顕微鏡の磁性探針としては、非磁性材料Siからなる探針素材上に、コバルト(Co)-クロム(Cr)基合金、ニッケル(Ni)-鉄(Fe)基合金、コバルト(Co)-白金(Pt)基合金、鉄(Fe)-白金(Pt)系規則合金や、鉄(Fe)基合金などの強磁性体の薄膜が形成されたものが一般的である(特許文献1~3)。



本発明者らは、磁性体試料から生じる磁場を高い空間分解能で観察するために、交番磁気力顕微鏡(特許文献4、5)を開発した。これらの交番磁気力顕微鏡は、励振させているカンチレバーの先端に設けられた強磁性体探針の磁化の方向を外部からの交流磁場によって変化させ、探針磁化と磁性体試料の磁場との磁気的相互作用により生じる交番磁気力により探針振動に生じる周波数変調を検出することにより、試料表面近傍での直流磁場勾配または交流磁場勾配の観察を可能にし、高い空間分解能を実現している。



特許文献4には、直流磁場を発生する磁性体試料(例えば磁気ストレージデバイスに用いられる磁気記録媒体。)の表面近傍において高い空間分解能で磁気力を計測できる磁場観測装置として、磁性体試料より磁化反転し易い磁気モーメントを有する探針と;探針を励振させる励振機構と;探針に磁性体試料上を走査させる走査機構と、探針を周期的に磁化反転させることができ、かつ磁性体試料を磁化反転させない大きさの、カンチレバーの共振周波数と異なる非共振周波数の交流磁場を探針に印加する交流磁場発生機構と;交流磁場により周期的に磁化方向を変化させた探針の磁化と磁性体試料の磁化との間の磁気的相互作用によって探針に加えられる非共振周波数の交番力を原因として探針の見かけ上のバネ定数が変化することで発生する、探針の振動の周期的な周波数変調の程度を、周波数復調により計測することができる変調計測機構とを備え;変調計測機構は、探針の変位を検知するセンサーと、該センサーから得た周波数変調信号を復調するFM復調器とを備え、該FM復調器から得た周波数復調信号及び交流磁場発生機構の電圧信号から、磁性体試料から漏洩している直流磁場の磁場勾配を計測する、磁場観察装置が開示されている。



特許文献5には、励振したカンチレバーの先端の強磁性体よりなる探針により観察試料の表面上の走査領域を走査しつつ、カンチレバーの振動を検出し、その検出結果に基づいて操作領域の磁場分布画像を生成する磁場プロファイル測定装置であって;先端に探針が取り付けられたカンチレバーと;カンチレバーをその共振周波数ないし当該周波数に近い周波数で励振する励振器と;交流磁場を生成し探針の磁気極性を周期的に反転させることで、カンチレバーの励振振動を周波数変調または同時に振幅変調する交流磁場発生器と;探針の振動を検出する振動センサーと;振動センサーの検出信号から、探針と観察試料との間に生じる交流磁気力に対応する磁気信号を復調するとともに、復調した磁気信号を位相が90°異なる互いに直交した2つの信号成分に分離して検出するか、又は復調した磁気信号から探針の位置における磁場の振幅および位相を検出する、復調処理装置と;探針により操作領域を走査する走査機構と;交流磁場発生器の動作と同期する条件のもとに走査機構により操作領域を走査することで得られた、当該操作領域の各座標における上記互いに直交した2つの信号成分または上記磁場の振幅および位相を初期データとして記憶するデータ記憶装置と;データ記憶装置から初期データを呼び出し、当該初期データの位相を変更したデータを複数生成する変更データ生成器と;変更データ生成器により生成した操作領域の各座標におけるデータに基づく磁場分布画像を表示する画像表示装置と、を備える磁気プロファイル測定装置が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、磁気力顕微鏡に用いるための探針に関する。また本発明は、強い直流磁場を発生する磁性体試料(例えば永久磁石等。)の表面磁場を観察する方法および装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1種の磁性材料を備え、
少なくとも10~30℃の温度域にわたって、磁場が印加されたときに磁化が飽和せず、
(a) 前記磁性材料が、1種以上の強磁性元素と1種以上の非磁性元素との固溶体である;
(b) 前記磁性材料が、1種以上の強磁性元素と1種以上の非磁性元素とを含む非晶質の磁性材料である;又は
(c) 前記磁性材料が、1種以上の強磁性体粒子と1種以上の非磁性材料とを含み、前記強磁性体粒子が前記非磁性材料中に分散されて支持されている構造を有する磁性材料である
ことを特徴とする、磁気力顕微鏡用探針。

【請求項2】
磁場が印加されていない条件下では少なくとも10~30℃の温度域にわたって残留磁化を有しないことを特徴とする、請求項1に記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項3】
前記磁性材料の初磁化率が、少なくとも10~30℃の温度域にわたって、3×10-8H/m以上である、請求項1又は2に記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項4】
前記(a)又は(b)の要件を満たし、
前記強磁性元素が、Ni、Fe、及びCoからなる群から選ばれる1種以上の強磁性元素であり、
前記非磁性元素が、Ti、V,Cr,Mn,Cu、Zn、Zr、Nb,Mo、Ta、W、B、Al、C、O、N、及びSiからなる群から選ばれる1種以上の非磁性元素である、
請求項1~3のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項5】
前記(a)又は(b)の要件を満たし、
前記磁性材料が常磁性または超常磁性を示す、請求項1~4のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項6】
前記(c)の要件を満たし、
前記磁性材料の全量に対して、
前記強磁性体粒子の含有量が10~45体積%であり、
前記非磁性材料の含有量が55~90体積%である、
請求項1~3のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項7】
前記(c)の要件を満たし、
前記強磁性体粒子の画像解析法による球換算直径の平均値が30nm以下である、請求項1~3及び6のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項8】
前記(c)の要件を満たし、
前記強磁性体粒子が、Ni、Fe、及びCoからなる群から選ばれる1種以上の強磁性元素の粒子であり、
前記非磁性材料が、Au、Ag、Cu、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化タングステン、酸化クロム、酸化コバルト、酸化タンタル、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化ルテニウム、希土類元素の酸化物、及び炭素からなる群から選ばれる1種以上の非磁性材料である、
請求項1~3、6及び7のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項9】
前記(c)の要件を満たし、
前記磁性材料が超常磁性を示す、請求項1~3及び6~8のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項10】
前記(c)の要件を満たし、
磁化率が、25~200℃の温度範囲において実質的に温度依存性を有しない、請求項1~3及び6~9のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項11】
前記(c)の要件を満たし、
前記磁性材料の初磁化率が、少なくとも10~30℃の温度域にわたって2×10-7H/m以上である、請求項1~3及び6~10のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項12】
1種以上の非磁性体からなる芯部材と、
前記芯部材の表面の少なくとも一部を被覆する前記磁性材料の被膜と
を有する、請求項1~11のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針。

【請求項13】
磁性体試料から漏洩する直流磁場を観察する磁場観察装置であって、
磁気飽和がなく印加磁場方向に磁気モーメントが発生する磁性探針を一方の端部に有するカンチレバーと、
前記カンチレバーを励振させる励振器と、
前記磁性体試料を磁化反転させない大きさの交流磁場を前記探針に印加し、前記探針の磁化を周期的に変動させることにより、前記カンチレバーの励振振動を周波数変調させる、交流磁場発生器と、
前記探針の振動を検出する振動センサーと、
前記振動センサーの検出信号から、前記探針と前記磁性体試料との間に生じる磁気力の交流成分に対応する信号を復調する、復調器と、
前記復調器から得た復調信号および前記交流磁場発生器の電圧信号から、前記直流磁場の情報を得る、復調信号処理装置と、
前記探針に前記磁性体試料表面上の走査領域を走査させる走査機構と
を備え、
前記磁性探針は、請求項1~12のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針であることを特徴とする、強磁場発生試料の磁場観察装置。

【請求項14】
前記復調器が、
(A)前記振動センサーの検出信号を周波数復調するか、又は、
(B)前記振動センサーの検出信号に含まれる側帯波スペクトルの強度を計測する、
請求項13に記載の磁場観察装置。

【請求項15】
前記復調信号処理装置が、
(X)前記復調器から得た復調信号の振幅、及び、前記復調信号と前記交流磁場発生器の電流信号または電圧信号との位相差を計測するか、又は、
(Y)前記復調器から得た復調信号の、前記交流磁場発生器の電流信号に対する同相成分および直交成分を計測する、
請求項13又は14に記載の磁場観察装置。

【請求項16】
前記交流磁場発生機構が、前記直流磁場の測定される成分の方向と同一方向に、前記交流磁場を印加する、請求項13~15のいずれかに記載の磁場観察装置。

【請求項17】
前記磁性体試料が永久磁石である、請求項13~16のいずれかに記載の磁場観察装置。

【請求項18】
前記走査機構により前記走査領域を走査することで得られた、前記走査領域の各座標における前記直流磁場の情報に基づく磁場分布画像を表示する画像表示装置をさらに有する、請求項13~17のいずれかに記載の磁場観察装置。

【請求項19】
磁性体試料から漏洩する直流磁場を観察する磁場観察方法であって、
磁気飽和がなく印加磁場方向に磁気モーメントが発生する磁性探針を一方の端部に有するカンチレバーを励振させる工程と、
前記磁性体試料を磁化反転させない大きさの交流磁場を前記探針に印加し、前記探針の磁化を周期的に変動させることにより、前記カンチレバーの励振振動を周波数変調させる工程と、
前記探針の振動を検出し、該探針の振動の検出信号から、前記探針と前記磁性体試料との間に生じる磁気力の交流成分に対応する信号を復調する工程と、
前記復調された信号および前記交流磁場発生器の電圧信号から、前記直流磁場の情報を得る工程と、
前記探針に前記磁性体試料表面上の走査領域を走査させる工程と
を含み、
前記磁性探針は、請求項1~12のいずれかに記載の磁気力顕微鏡用探針であることを特徴とする、強磁場発生試料の磁場観察方法。

【請求項20】
前記交流磁場を、前記直流磁場の測定される成分の方向と同一方向に印加する、請求項19に記載の磁場観察方法。

【請求項21】
前記磁性体試料が永久磁石である、請求項19又は20に記載の磁場観察方法。

【請求項22】
前記走査機構により前記走査領域を走査することで得られた、前記走査領域の各座標における前記直流磁場の情報に基づく磁場分布画像を画像表示装置に表示する工程をさらに有する、請求項19~21のいずれかに記載の磁場観察方法。
国際特許分類(IPC)
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