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基体、発光素子および基体の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P170014232
整理番号 内0447
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2015-221683
公開番号 特開2017-088454
出願日 平成27年11月11日(2015.11.11)
公開日 平成29年5月25日(2017.5.25)
発明者
  • 西中 浩之
  • 吉本 昌広
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 基体、発光素子および基体の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】特性と信頼性の高い発光素子またはその他半導体素子を実現することができる基体を提供する。
【解決手段】基体は、サファイア基板1と、サファイア基板1上に形成され、ガリウム、鉄、クロム、アルミニウム、インジウムのうちの少なくとも1つを含む菱面体晶構造を有する酸化物からなる緩衝層2と、緩衝層2の上に形成され、菱面体晶構造を有するITO(Indium Tin Oxide)からなる導電体層3と、を備える。サファイア基板1は、結晶方位がc面、r面、a面およびm面のうちのいずれか1つである。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


サファイア基板上にn型GaN(窒化ガリウム)、MQW(多重量子井戸)、p型AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)、p型GaNを形成して、MQWを発光層として用いる、いわゆる横型構造を有するLED(Light Emitting Diode)が提案されている。この横型構造のLEDでは、発光層の厚さ方向に直交する方向において一方の電極が他方の電極に対してずれた状態で配置されている。従って、発光層およびn型GaNを流れる電流が不均一になり、発光層およびn型GaNのうち電流の集中する部分が劣化しやすいという問題がある。この点、縦型構造のLEDでは、発光層の厚さ方向に直交する方向において一方の電極と他方の電極とが略同じ位置に配置されているので、発光層およびGaNを流れる電流の不均一性が抑制され、効率および信頼性が高いという特長を有する。



例えば、特許文献1ではサファイア基板上にGaNを形成した後、GaNをサファイア基板より、レーザを用いてリフトオフし、MQW層、p-GaNを形成した後にGaNのリフトオフした側に導電性の支持基板を形成し、さらに電極を付けることで電流集中を避けることが実施されている。しかしながら、特許文献1ではリフトオフという製造方法を採っているためにエキシマレーザを導入する等の必要があり、工程コストと製造設備コストがかかってしまうという問題がある。また、数μm程度の薄い構造体を取り扱わなければならないため、歩留まりを上げるために更なる工夫や装置が必要となるという問題もある。



このため、機械的に強度の高いサファイア基板上にGaNと格子整合した導電体層を形成し、この導電体層上にn型GaN層、発光層、p型GaN層を順に結晶成長させることより縦型構造のLEDを実現することが要請されている。このような縦型のLEDにおいて、光の取り出し効率の向上または基板側に光を取り出す場合、導電体層としては、発光層から放射される青色光に対して透明な材料が要求される。しかし、一般的に上記導電層上に結晶性の良好なGaNを成長させることは困難である。



この要求に対して、特許文献2では透明導電膜としてよく利用されている酸化亜鉛膜(ZnO)をサファイア基板上に形成している。ここで、ZnOは高い導電性を付与することができることが知られている。しかし、ZnO膜上にGaNを形成した場合、ZnOとGaNは格子不整合が2%と大きいので、GaNの結晶性が低下してしまいLED等の半導体素子の特性が大きく劣化してしまうという重大な欠点がある。



また、ITO(インジウム錫酸化膜、酸化インジウム(In)に数%の酸化スズ(SnO)を添加した化合物)が透明導電膜として広く用いられている。作成方法はITOをスパッタまたは蒸着でアモルファス膜(非晶質膜)を形成し、熱処理によって結晶化を行う。ITOは、結晶構造として安定相の立方晶(bixbyite構造、以下bcc-ITO)と準安定相の菱面体晶(rhombohedral構造、以下rh-ITOと言う)が存在し、通常は膜形成が容易なbcc-ITOが用いられる。準安定相のrh-ITOは、膜形成に高圧・高温などの特別な条件が必要なため、微粒子の形成例はあるものの、薄膜としての形成例はほとんどない。そのため、一般に用いられているITOは、立方晶(bcc-ITO)もしくは、非晶質のものがほとんどであり、菱面体晶rh-ITOはほとんど利用されていない。



また、非特許文献1には、サファイア基板の上にα-Feをバッファ層として形成し、その上に菱面体晶α-Inを形成した例(半導体として用いる例)が記載されている。しかし、α-Inに錫を添加して結晶成長がより難しくなるrh-ITOを透明電極として形成することについての記載はない。さらに、非特許文献1に記載されているα-Gaをバッファ材として用いても、良質なα-Inさえも形成することはできなかったことが記載されている。このことは、rh-ITOの成膜がいかに困難であるかを示すものである。



非特許文献2には、サファイア基板の上にα-Gaをバッファ層として形成し、その上にα-(InGa1-x薄膜を形成した例(半導体として用いる)が記載されている。しかし、同様にrh-ITO薄膜の形成についての記載はない。

産業上の利用分野


本発明は、基体、発光素子および基体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に形成され、ガリウム、鉄、クロム、アルミニウム、インジウムのうちの少なくとも1つを含む菱面体晶構造を有する酸化物からなる緩衝層と、
前記緩衝層の上に形成され、菱面体晶構造を有するITO(Indium Tin Oxide)からなる導電体層と、を備える、
基体。

【請求項2】
前記サファイア基板は、結晶方位がc面、r面、a面およびm面のうちのいずれか1つであり且つ厚さ方向における前記緩衝層側の面が平坦である、
請求項1に記載の基体。

【請求項3】
前記サファイア基板は、結晶方位がc面であり且つ厚さ方向における前記緩衝層側の面に凹凸形状が形成されている、
請求項1に記載の基体。

【請求項4】
前記緩衝層は、α-Fe、α-Al、α-Ga、α-Cr、α-Inのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の基体。

【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の基体と、
前記基体上に形成され、GaNを含む第1クラッド層と、
前記第1クラッド層上に形成された発光層と、
前記発光層上に形成された第2クラッド層と、
前記第2クラッド層上に形成された第1電極と、を備え、
前記基体の前記導電体層は、第2電極である、
発光素子。

【請求項6】
サファイア基板を準備する工程と、
ミストCVD法により、前記サファイア基板上に、ガリウム、鉄、クロム、アルミニウム、インジウムのうちの少なくとも1つを含む菱面体晶構造を有する酸化物からなる緩衝層を形成する工程と、
ミストCVD法により、前記緩衝層上に、菱面体晶構造を有するITO(Indium Tin Oxide)からなる導電体層を形成する工程と、を含む、
基体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015221683thum.jpg
出願権利状態 公開
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