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物質内包ベシクル及びその製造方法

国内特許コード P170014236
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2015-503072
登録番号 特許第6049854号
出願日 平成26年2月28日(2014.2.28)
登録日 平成28年12月2日(2016.12.2)
国際出願番号 JP2014055186
国際公開番号 WO2014133172
国際出願日 平成26年2月28日(2014.2.28)
国際公開日 平成26年9月4日(2014.9.4)
優先権データ
  • 特願2013-041186 (2013.3.1) JP
  • 特願2013-176068 (2013.8.27) JP
発明者
  • 片岡 一則
  • 岸村 顕広
  • 安楽 泰孝
  • 後藤 晃範
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 物質内包ベシクル及びその製造方法
発明の概要 従来より高濃度の物質が封入された物質内包ベシクルの単分散集合体を提供する。
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体と、第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体とを含み、第1及び/又は第2の重合体が架橋された所定の重合体からなる架橋ベシクルの単分散集合体を、水性媒体中に目的物質を含む混合液と混合することにより、架橋ベシクルに目的物質を内包させる。
従来技術、競合技術の概要


一次構造が精密に制御された高分子を自己組織化させることにより、ベシクルを形成し得ることが知られている。斯かるベシクルは多様な分子設計が可能であるとともに、高分子が本来有する性質に加えて新たな機能を呈する可能性があることから、薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)の担体や、バイオマテリアル・機能性材料等としての利用が検討されている。



特許文献1(特開平8-188541号公報)には、非荷電性セグメントと荷電性セグメントとを有するブロック共重合体を自己組織化させてなる静電結合型高分子ミセル薬物担体が、本発明者らの一部によって開示されている。



非特許文献1(Schlaad H. et al., Macromolecules, 2003, 36 (5), 1417-1420)には、ポリ(1,2-ブタジエン)ブロック及びポリ(セシウムメタクリレート)ブロックからなるブロック共重合体と、ポリスチレンブロック及びポリ(1-メチル-4-ビニルピリジウムアイオダイド)ブロックからなるブロック共重合体とを自己組織化させてなる、ポリマーソームと称されるベシクルが開示されている。



特許文献2(国際公開第2006/118260号パンフレット)には、非荷電親水性セグメントとカチオン性セグメントとを有する第1のブロック共重合体(例えばPEG-ポリカチオン等)と、非荷電親水性セグメントとアニオン性セグメントとを有する第2のブロック共重合体(例えばPEG-ポリアニオン等)とを自己組織化させてなるベシクルが、本発明者等の一部によって開示されている。



非特許文献2(Anraku Y. et al., J. Am. Chem. Soc., 2010, 132 (5), 1631-1636)には、非荷電親水性セグメントと荷電性セグメントとを有するブロック共重合体(例えばPEG-ポリカチオン等)と、前記荷電性セグメントとは逆の電荷に荷電した共重合体(例えばポリアニオン等)とを自己組織化させてなるベシクルが、本発明者等の一部によって開示されている。



高分子の自己組織化により得られる前記の各種ベシクルは、その空隙部に各種の物質を包含・担持させて利用することが考えられる(概説につき非特許文献3(H. Nyin et al. Soft Matter, 2006, 2, 940-949)及び非特許文献4(「リポソーム応用の新展開」、秋吉一成等監修、エヌ・ティー・エス、2005年)参照)。



空隙部に物質が内包されたベシクル(以降「物質内包ベシクル」と表示する場合がある)を製造する方法としては、内包させるべき物質(以降「被内包物質」と表示する場合がある)を、膜の構成要素となる高分子、或いは予め形成された高分子膜とともに混合し、自己組織化によるベシクルの形成と空隙部への物質の封入とを同時に行う方法が代表的である(以降「同時混合法」と表示する場合がある)。具体例としては、エマルション法(非特許文献5(F. Szoka, Jr et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1978 75 (9) 4194-4198)参照)や、脂質有機溶液滴下法(非特許文献6(Batzri, S. et al., Biochim. Biophys Acta 1973, 298, 1015-1019)参照)等が挙げられる。



しかし、同時混合法では、被内包物質の存在が自己組織化によるベシクルの形成に影響を与え、ベシクルの形成が阻害される場合や、ベシクルが形成されても物質が空隙部へ内包されない場合がある。また、成膜に有害な有機溶剤を用いる場合が多く、プロセスが煩雑になるとともに、有機溶剤により被内包物質が損傷を受け易いという課題もある。更に、均一な粒径・構造を持つベシクルの形成が困難であり、斯かる均一な粒径・構造を確保するためには別の工程を追加せざるを得ず、プロセスが煩雑になり易いという課題もある。よって本方法は汎用性に乏しく、種々の物質内包ベシクルを製造する手法としては実用的ではない。



一方、主に中空粒子への物質封入に用いられる手法として、既存中空粒子の空隙部に後から被内包物質を導入し、包含・担持させる方法(以降「後担持法」と表示する場合がある)があり(例えば非特許文献7(W. Tong et al. J. Phys. Chem. B, 2005, 109, 13159-13165)等参照)、斯かる手法をベシクルに応用することも考えられる。



しかし、後担持法をベシクルに応用する場合、空ベシクルの膜を越えて被内包物質を空隙部に導入するための工夫が必要となる。例えば、空ベシクルを膨潤させて膜を弛緩させ、生じた膜の間隙から被内包物質を浸透させて空隙部に導入した後、膜を収縮させて被内包物質の脱落を防止する手法や、空ベシクルの膜に孔を形成し、当該孔を通じて被内包物質を空隙部に導入した後、当該孔を封鎖して被内包物質の脱落を防止する手法等が考えられるが、何れも極めて煩雑であり、実用化には大きな不利益となる。また、被内包物質の封入・担持時に、既存の空ベシクルの粒径・構造が乱されてしまう可能性が高く、とても実用的ではないと考えられてきた。



また、リポソーム等の脂質二重膜ベシクルについては、脂質二重膜にチャネルタンパク質を埋め込む等の手法(非特許文献8(Ranquin A, Versees W, Miere W, Steyaert J, Gelder PV. Therapeutic Nanoreactors: Combining Chemistry and Biology in a Novel Triblock Copolymer Drug Delivery System. Nano Lett. 2005;5:2220-4)参照)も報告されているが、やはりプロセスが極めて煩雑である上に、汎用性が極めて低く、やはり実用的ではない。



以上の背景技術に対して、本発明者等は、非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体と、第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体とを含んでなる膜を有するとともに、膜によって包囲された空隙部を有する空ベシクルを、空ベシクルに内包すべき目的物質の存在下、水性媒体中で混合する方法(上記「後担持法」に相当)によっても、第1及び第2の重合体の自己組織化により、空隙部(内水相)に目的物質が内包された物質内包ベシクルを簡便かつ効率的に製造することができるという、極めて意外な知見を見出し、特許出願を行っている(特許文献3:国際公開第2011/145745号パンフレット)。

産業上の利用分野


本発明は、新規な物質内包ベシクル及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体と、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体とを含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、
前記架橋膜によって包囲された内水相と
を含んでなり、前記内水相に目的物質が内包された物質内包架橋ベシクルの単分散集合体であって、
前記内水相に含有される前記目的物質の濃度が5mg/mLを上回る、かつ
前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋されていない点及び前記目的物質が内包されていない点で前記物質内包架橋ベシクルの単分散集合体と異なる空の非架橋ベシクルの単分散集合体を、前記物質内包架橋ベシクルの内水相と同一濃度の前記目的物質を水性媒体とともに含有する混合液中で混合した場合に、
前記目的物質が内包された物質内包非架橋ベシクルの単分散集合体の形成を阻害する濃度である、前記物質内包架橋ベシクルの単分散集合体。

【請求項2】
0.2以下の多分散指数を有する、請求項1に記載の物質内包架橋ベシクルの単分散集合体。

【請求項3】
前記目的物質の重量平均分子量が10000~40000である、請求項1又は2に記載の物質内包架橋ベシクルの単分散集合体。

【請求項4】
前記第1及び/又は前記第2の重合体が、カチオン基間に形成された架橋結合、アニオン基間に形成された架橋結合、及びカチオン基とアニオン基との間に形成された架橋結合からなる群より選択された1種又は2種以上の架橋結合によって架橋されており、前記架橋結合が形成された割合が、前記架橋膜に含まれるカチオン基及び/又はアニオン基の総モル数の35%以上である、請求項3に記載の物質内包架橋ベシクルの単分散集合体。

【請求項5】
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体と、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体とを含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、前記架橋膜によって包囲された内水相とを含んでなり、前記内水相に第1の目的物質及び前記第1の目的物質よりも分子量の小さい親水性高分子である第2の目的物質が内包された物質内包架橋ベシクルであって、
第2の目的物質が、第1の目的物質分子に対しクラウディング環境をもたらすような量で封入されており、
前記第1の目的物質の立体構造が、前記第2の目的物質の不存在下で前記内水相に含有されている場合よりも安定化されている、前記物質内包架橋ベシクル。

【請求項6】
前記第2の目的物質がクラウディング剤である、請求項5に記載の物質内包架橋ベシクル。

【請求項7】
物質内包ベシクルを製造する方法であって、
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体と、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体とを含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、
前記架橋膜によって包囲された内水相と
を含んでなり、前記内水相に目的物質が内包されていない空の架橋ベシクルの単分散集合体を、
前記目的物質を水性媒体とともに含有する混合液中で混合し、
前記第1及び前記第2の重合体を含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、
前記架橋膜によって包囲された内水相と
を含んでなり、前記内水相に前記目的物質が内包された物質内包架橋ベシクルの単分散集合体を形成させる工程を含んでなる、前記方法。

【請求項8】
前記空の架橋ベシクルの単分散集合体、前記物質内包架橋ベシクルの単分散集合体、前記空の非架橋ベシクルの単分散集合体、及び前記物質内包非架橋ベシクルの単分散集合体が、0.2以下の多分散指数を有する、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
前記目的物質の重量平均分子量が10000~40000であり、前記混合液に含有される前記目的物質の濃度が5mg/mLを上回る、請求項7又は8に記載の方法。

【請求項10】
前記空の架橋ベシクル及び前記物質内包架橋ベシクルにおいて、前記第1及び/又は前記第2の重合体が、カチオン基間に形成された架橋結合、アニオン基間に形成された架橋結合、及びカチオン基とアニオン基との間に形成された架橋結合からなる群より選択された1種又は2種以上の架橋結合によって架橋されており、前記架橋結合が形成された割合が、前記架橋膜に含まれるカチオン基及び/又はアニオン基の総モル数の35%以上である、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
前記物質内包架橋ベシクルの単分散集合体を、前記第1及び/又は前記第2の重合体と反応し得る架橋剤と反応させる工程をさらに含む、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。

【請求項12】
物質内包ベシクルを製造する方法であって、
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体と、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体とを含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、
前記架橋膜によって包囲された内水相と
を含んでなり、前記内水相に第1の目的物質が内包された第1の物質内包架橋ベシクルを、
前記第1の目的物質よりも分子量の小さい第2の目的物質を水性媒体とともに含有する混合液中で混合し、
前記第1及び前記第2の重合体を含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、
前記架橋膜によって包囲された内水相と
を含んでなり、前記内水相に前記第1及び前記第2の目的物質が内包された第2の物質内包架橋ベシクルを形成させる工程を含んでなる、前記方法。

【請求項13】
前記第1の物質内包架橋ベシクルが、その単分散集合体であり、前記第2の物質内包架橋ベシクルが、その単分散集合体である、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
前記混合液に含有される前記第2の目的物質の濃度が、
前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋されていない点で前記第1の物質内包架橋ベシクルの単分散集合体と異なる第1の物質内包非架橋ベシクルの単分散集合体を前記混合液中で混合した場合に、
前記第1及び前記第2の目的物質が内包された物質内包非架橋ベシクルの単分散集合体の形成を阻害する濃度である、請求項13に記載の方法。

【請求項15】
前記第1及び前記第2の重合体を含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜と、
前記架橋膜によって包囲された内水相と
を含んでなり、前記内水相に前記第1及び前記第2の目的物質のいずれも内包されていない空の架橋ベシクルを、
前記第1の目的物質を水性媒体とともに含有する混合液中で混合し、必要に応じて、前記第1及び/又は前記第2の重合体と反応し得る架橋剤と反応させ、
前記第1の物質内包架橋ベシクルを形成させる工程をさらに含んでなる、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。

【請求項16】
前記空の架橋ベシクルが、その単分散集合体であり、前記第1の物質内包架橋ベシクルが、その単分散集合体である、請求項15に記載の方法。

【請求項17】
前記混合液に含有される前記第1の目的物質の濃度が、
前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋されていない点で前記空の架橋ベシクルの単分散集合体と異なる空の非架橋ベシクルの単分散集合体を前記混合液中で混合した場合に、
前記第1の目的物質が内包された物質内包非架橋ベシクルの単分散集合体の形成を阻害する濃度である、請求項16に記載の方法。

【請求項18】
前記第2の目的物質がクラウディング剤である、請求項12~17のいずれか1項に記載の方法。

【請求項19】
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体、及び、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体を含む膜からなるベシクルと、当該ベシクルに内包された吸着材粒子とを含み、前記第1及び第2の重合体の少なくとも一方が前記吸着材粒子に吸着されてなり、吸着剤粒子の粒径が40nm以上であ吸着材内包ベシクル。

【請求項20】
前記第1及び/又は第2の重合体が架橋されてなる、請求項19に記載の吸着材内包ベシクル。

【請求項21】
前記吸着材粒子がシリカ粒子である、請求項19又は20に記載の吸着材内包ベシクル。

【請求項22】
前記吸着材粒子の平均粒径が40nm~10μmである、請求項19~21のいずれか1項に記載の吸着材内包ベシクル。

【請求項23】
前記吸着材粒子が表面処理されてなる、請求項19~22のいずれか1項に記載の吸着材内包ベシクル。

【請求項24】
前記吸着材粒子に低分子化合物が吸着されてなる、請求項19~23のいずれか1項に記載の吸着材内包ベシクル。

【請求項25】
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体、及び、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体を含む膜からなるベシクルに、吸着材粒子が内包されてなる吸着材内包ベシクルを製造する方法であって、
(a)前記第1及び第2の重合体のうち一方を前記吸着材粒子と混合し、前記吸着材粒子に吸着させる工程、並びに、
(b)前記工程(a)の混合物を前記第1及び第2の重合体のうち他方と更に混合し、前記吸着材粒子の周囲に前記第1及び第2の重合体を含む膜からなるベシクルを形成させ、吸着材内包ベシクルとする工程
を含む方法。

【請求項26】
(c)前記工程(b)のベシクル中の前記第1及び/又は前記第2の重合体を架橋する工程を更に含む、請求項25に記載の方法。

【請求項27】
前記吸着材粒子がシリカ粒子である、請求項25又は26に記載の方法。

【請求項28】
前記吸着材粒子の平均粒径が40nm~10μmである、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。

【請求項29】
前記吸着材粒子を表面処理する工程を更に含む、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。

【請求項30】
前記吸着材粒子に低分子化合物が吸着されてなる、請求項25~29のいずれか1項に記載の方法。

【請求項31】
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体、及び、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体を含んでなり、前記第一及び/又は前記第二の重合体が架橋された架橋膜からなるベシクルに、低水溶性の目的物質が内包されてなる物質内包ベシクルを製造する方法であって、
(a)前記目的物質よりも水溶性の高い前駆体を前記目的物質に転換し得る酵素が、前記第1及び第2の重合体を含む架橋膜からなるベシクルに内包されてなる酵素内包ベシクルを用意する工程、及び、
(b)前記前駆体よりも前記目的物質に対して低い溶解性を示す条件下で、前記酵素内包ベシクル内に前記前駆体を浸透させ、前記酵素によって前記前駆体を前記目的物質に転換することにより、前記目的物質を析出させて前記酵素内包ベシクルに内包させ、物質内包ベシクルとする工程
を含む方法であって、
ここで前記工程(b)の前に、前記酵素内包ベシクルの前記第1及び/又は前記第2の重合体を架橋する工程を更に含み、
前記低水溶性の目的物質が、内水相に対する前記低水溶性の目的物質の溶解度を超える濃度で内包されてなる、方法。

【請求項32】
前記工程(b)において、前記酵素内包ベシクルを前記前駆体の水溶液と混合することにより、前記酵素内包ベシクル内に前記前駆体を浸透させる請求項31に記載の方法。

【請求項33】
非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体、及び、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体を含んで成り、前記第一及び/又は前記第二の重合体が架橋された架橋膜からなるベシクルに、前記目的物質よりも水溶性の高い前駆体から転換され得る低水溶性物質が、前記前駆体を前記低水溶性物質に転換し得る酵素と共に内包されてなり、前記低水溶性物質が、内水相に対する前記低水溶性物質の溶解度を超える濃度で内包されてなる、低水溶性物質内包ベシクル。

【請求項34】
請求項1~4のいずれか1項に記載のベシクルの単分散集合体、及び/又は、請求項5、6、及び19~22いずれか1項に記載のベシクルを含む薬物送達系。

【請求項35】
対象の所定の部位に薬物の前駆体を送達すると共に、前記前駆体を前記薬物に転換し得る酵素により、前記前駆体を前記薬物に転換することを含む薬物送達方法に使用される医薬組成物であって、
当該医薬組成物は、非荷電親水性セグメント及び第1の荷電性セグメントを有するブロック共重合体である第1の重合体、及び、前記第1の荷電性セグメントとは反対の電荷に帯電した第2の荷電性セグメントを有する第2の重合体を含んでなり、前記第1及び/又は前記第2の重合体が架橋された架橋膜からなるベシクルに、前記酵素が内包されてなる酵素内包ベシクルを含み、且つ、
前記薬物送達方法は、当該医薬組成物を前記対象の所定の部位に送達すると共に、該部位に別途送達した前記前駆体を前記酵素内包ベシクル内に浸透させることを更に含む、医薬組成物。

【請求項36】
前記前駆体の水溶性が前記薬物よりも高いとともに、前記薬物送達方法において、当該医薬組成物を対象の所定の部位に送達した際に、前記前駆体よりも前記薬物に対して低い溶解性を示す条件下で、前記酵素内包ベシクル内に前記前駆体を浸透させる、請求項35に記載の医薬組成物

【請求項37】
前記薬物送達方法において、当該医薬組成物を対象の所定の部位に送達した際に、前記薬物を析出させて前記酵素内包ベシクルに内包させることにより、薬物内包ベシクルを形成することを含む、請求項35又は36に記載の医薬組成物
国際特許分類(IPC)
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