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アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法

国内特許コード P170014253
整理番号 (E099P05)
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2015-559084
出願日 平成27年1月21日(2015.1.21)
国際出願番号 JP2015051485
国際公開番号 WO2015111602
国際出願日 平成27年1月21日(2015.1.21)
国際公開日 平成27年7月30日(2015.7.30)
優先権データ
  • 特願2014-008780 (2014.1.21) JP
発明者
  • 末松 誠
  • 徳元 康人
  • 玉置 親平
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法
発明の概要 本発明は、増殖型オリゴデンドロサイト前駆細胞からアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞を製造するための方法、当該方法により製造されたアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞を有効成分とする医薬用組成物を提供する。本発明のアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法は、増殖型オリゴデンドロサイト前駆細胞を、低酸素環境下、甲状腺ホルモン受容体又はレチノイン酸受容体のリガンドの存在下で培養することにより、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞に誘導分化することを特徴とする。本発明は更に、本発明の製造方法により製造されたアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞、及び、このアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞を有効成分とした医薬用組成物も提供する。
従来技術、競合技術の概要


オリゴデンドロサイトは、オリゴデンドロサイト前駆細胞(oligodendrocyte-type-2 astrocyte (O-2A) progenitor cells;本願ではOPCと記載する)が成熟してなる中枢神経系内のグリア細胞の一つであり、主にミエリン鞘(髄鞘)形成を担っている。OPCは、神経幹細胞から分化したグリア前駆細胞がさらに分化したものである。器官形成期のOPCは活発に細胞分裂を繰り返しているが、出生後間もない時期からその一部が成熟してオリゴデンドロサイトに分化しはじめ、成体では一部(アダルト型OPC)を除いてオリゴデンドロサイトに分化している。成体に見られるアダルト型OPCは、器官形成期や出生後間もない時期にみられる増殖型OPCとは異なり、ほとんど増殖していない休眠状態にある。しかしながらアダルト型OPCは、分化能を保持しており、適当な刺激によりオリゴデンドロサイトへ分化する。つまり、アダルト型OPCは、体性幹細胞の一種である。



出生後間もないラットの視神経から採取された増殖型OPCは、酸素濃度20体積%環境下(大気様環境下)では、血小板由来成長因子(PDGF)含有無血清培地で培養してもオリゴデンドロサイトに分化せず、PDGFと甲状腺ホルモンを共に含む無血清培地で培養するとオリゴデンドロサイトに分化すること、また、増殖型OPCをPDGF含有無血清培地で増殖期型OPCの性質を保ったまま複製老化させる事無く1年以上もの長期間にわたり継代培養出来ることが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、レチノイン酸も甲状腺ホルモンと同様にOPCからオリゴデンドロサイトへの分化を誘導する因子であること、両者は同じp53依存性細胞内情報伝達経路を介して機能しているであろうことも報告されている(例えば、非特許文献3参照)。

産業上の利用分野


本発明は、器官形成期や出生後間もない時期にみられる活発に細胞分裂を繰り返すオリゴデンドロサイト前駆細胞(以下、「増殖型OPC」ということがある)から、成体においてみられる分化能を保持したまま休眠状態にあるオリゴデンドロサイト前駆細胞(以下、「アダルト型OPC」ということがある)を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
増殖型オリゴデンドロサイト前駆細胞を、低酸素環境下、甲状腺ホルモン受容体又はレチノイン酸受容体のリガンドの存在下で培養しアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞に誘導分化する工程を有する、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法。

【請求項2】
前記リガンドが、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、又はビタミンAである、請求項1に記載の、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法。

【請求項3】
前記低酸素環境下の酸素濃度が、0.5~1.5体積%である、請求項1に記載の、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法。

【請求項4】
前記の酸素濃度が0.5~1.0体積%である、請求項3に記載の、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法。

【請求項5】
前記増殖型オリゴデンドロサイト前駆細胞が、生体から採取されたオリゴデンドロサイト前駆細胞を初代培養又は継代培養して得られた細胞である、請求項1に記載の、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法により製造された、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞。

【請求項7】
請求項6に記載のアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞を有効成分として含む、医薬用組成物。

【請求項8】
ミエリン鞘形成不全、脱髄、又はミエリン鞘の損傷の治療用である、請求項7に記載の医薬用組成物。

【請求項9】
請求項6に記載のアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞を、増殖誘導能又は分化誘導能についての候補物質を含有する培地中で培養する培養工程;
前記アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖、又は前記アダルト型オリゴデンドロサイト前記細胞から分化誘導された細胞を、検出する検出工程;及び
前記検出工程において、前記アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞が有意に増殖した場合又は前記アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞から分化誘導された細胞が検出された場合に、前記候補物質がアダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞に対する増殖誘導能又は分化誘導能を有すると評価する工程;
を有する、アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞に対する増殖誘導能又は分化誘導能を有する物質のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015559084thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 末松ガスバイオロジー 領域
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