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藻類及びその製造方法、並びに該藻類を用いたバイオマスの製造方法

国内特許コード P170014263
整理番号 (AF21P004)
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2016-523142
出願日 平成27年5月26日(2015.5.26)
国際出願番号 JP2015002634
国際公開番号 WO2015182110
国際出願日 平成27年5月26日(2015.5.26)
国際公開日 平成27年12月3日(2015.12.3)
優先権データ
  • 特願2014-111577 (2014.5.29) JP
発明者
  • 小川 健一
  • 西川 正信
  • 清川 一矢
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 藻類及びその製造方法、並びに該藻類を用いたバイオマスの製造方法
発明の概要 藻類におけるATG8の発現を、(i)MEX1の過剰発現および/または(ii)miRNAを用いたサイレンシング、により抑制させることにより、藻類の細胞内におけるバイオマスの生産性を向上させることができ、これによって、光合成産物の生産性を向上させた藻類、当該藻類の製造方法、当該藻類を用いたバイオマスの製造方法、および当該藻類により取得されるデンプンを提供する。
従来技術、競合技術の概要


化石燃料に代わる燃料として、バイオマス由来の燃料、いわゆるバイオ燃料(例えば、バイオエタノール、バイオディーゼル等)が期待されている。



バイオ燃料の原料となる糖類(例えば、デンプン)や油脂等のバイオマスは、植物が光合成を行うことによって産生される。このため、光合成を活発に行い、糖類または油脂を細胞内に蓄積する能力を有する植物は、バイオマスの生産手段として利用可能である。現在、バイオマスを生産するために、主に、トウモロコシやダイズが利用されている。トウモロコシやダイズは、食料や飼料としても利用されている。このため、バイオ燃料の大幅な増産によって引き起こされる、食料および飼料の価格の高騰が問題視されている。



そこで、トウモロコシやダイズに代わるバイオマス生産手段として、藻類によるバイオマス生産が注目されている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。藻類によるバイオマス生産は、食料や飼料と競合しない、大量に増殖させることができる、等の利点がある。



例えば、藻類の一種であるクラミドモナスについて、細胞壁が欠損した変異体あるいは細胞壁が薄くなる変異体が知られている(cw15、cw92等)。これらの変異体は、DNAを外部から細胞内へ導入する際に都合のよい性質であるため、遺伝子導入実験では広く使われている。また細胞が壊れやすいため、細胞内容物の回収が容易という意味でバイオマスの生産性を高めることから、これらの変異体を利用したバイオマス生産について報告されている。例えば、特許文献3には、クラミドモナスにおける細胞壁が欠損した変異体を用いて油脂を生産させる技術が記載されている。また、非特許文献1には、細胞壁変異(cw15)に加え、デンプン合成遺伝子の欠損を有しているクラミドモナスでは、油脂からなる油滴が細胞外へ放出されることが報告されている。非特許文献2には、クラミドモナスの細胞壁変異体(cw15)において、デンプン合成の遺伝子を破壊することで油脂の生産性が高まることが報告されている。また、クラミドモナス細胞壁の変異に関するレポートとして、非特許文献3が知られている。



また、藻類の一種であるクロレラを材料として、生産したデンプンを細胞外へ放出させ、続いてエタノール発酵を行う技術も報告されている(特許文献4)。さらに、藻類の葉緑体内のグルタチオン濃度を増加させることにより、デンプンの産生能を向上させる技術も報告されている(特許文献5)。

産業上の利用分野


本発明は、藻類及びその製造方法、並びに該藻類を用いたバイオマスの製造方法に関する。より具体的には、光合成産物の生産性を向上させた藻類等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ATG8の発現が基準株に比して抑制された藻類を用いる、バイオマスの製造方法。

【請求項2】
前記藻類に対して光を照射する光照射工程を含む、請求項1に記載のバイオマスの製造方法。

【請求項3】
葉緑体内のグルタチオン濃度が基準株に比して増加した藻類を用いる、請求項1または2に記載のバイオマスの製造方法。

【請求項4】
前記光照射工程は、実質的に窒素飢餓ではない条件において行われる、請求項3に記載のバイオマスの製造方法。

【請求項5】
藻類の細胞を破砕する細胞破砕工程を含まない、請求項4に記載のバイオマスの製造方法。

【請求項6】
ATG8の発現が基準株に比して抑制された藻類。

【請求項7】
MEX1が過剰発現されている、請求項6に記載の藻類。

【請求項8】
MEX1をコードする外因性ポリヌクレオチドが導入されている、請求項7に記載の藻類。

【請求項9】
前記外因性ポリヌクレオチドが、以下の(a)~(c)からなる群より選択される一以上である、請求項8に記載の藻類:
(a)配列番号1または3に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号1または3に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつMEX1の機能を保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)前記(a)または(b)のポリヌクレオチドのうちいずれかのポリヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつMEX1の機能を保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。

【請求項10】
ATG8遺伝子がサイレンシングされている、請求項6に記載の藻類。

【請求項11】
配列番号5に示される塩基配列を有するmiRNAが導入されている、請求項10に記載の藻類。

【請求項12】
葉緑体内のグルタチオン濃度が基準株に比して増加している、請求項6~11のいずれか1項に記載の藻類。

【請求項13】
ATG8の発現を抑制するATG8発現抑制工程を含む、改変藻類の製造方法。

【請求項14】
葉緑体内のグルタチオン濃度を増加させるグルタチオン濃度増加工程を含む、請求項13に記載の改変藻類の製造方法。

【請求項15】
ATG8の発現が基準株に比して抑制された藻類を用いて取得されるデンプン。

【請求項16】
葉緑体内のグルタチオン濃度が基準株に比して増加している藻類を用いて取得される、請求項15に記載のデンプン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016523142thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 二酸化炭素排出抑制に資する革新的技術の創出 領域
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