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非酵素的核酸鎖結合方法 UPDATE

国内特許コード P170014267
整理番号 (K041P06)
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2016-544965
出願日 平成27年8月26日(2015.8.26)
国際出願番号 JP2015004294
国際公開番号 WO2016031247
国際出願日 平成27年8月26日(2015.8.26)
国際公開日 平成28年3月3日(2016.3.3)
優先権データ
  • 特願2014-171540 (2014.8.26) JP
発明者
  • 阿部 洋
  • 丸山 豪斗
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 非酵素的核酸鎖結合方法 UPDATE
発明の概要 核酸鎖と核酸鎖とを、天然型の構造あるいはこれに類似の構造によって結合するための技術として、核酸鎖と核酸鎖とを酵素反応に依らずに結合させる方法であって、ホスホロチオエート基を有する核酸鎖を、求電子剤の存在下で、水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖と反応させる手順を含む、非酵素的核酸鎖結合方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要


RNA干渉(RNA interference:RNAi)は、標的とする遺伝子の発現を特異的に抑制するための手法として、分子生物学、薬学及び医学等の分野で重要となっている。RNAiは、siRNA(small interfering RNA)と称される、20~23ヌクレオチドの短い2本鎖RNAを細胞内に導入することによって誘導できる。しかし、siRNAは、小分子であるものの細胞膜透過性が十分でなく、また血清中での安定性も不十分であるために、siRNAによるRNAiの誘導効率には改善の余地があった。また、siRNAは、Toll-like receptorなどのパターン認識受容体を介して自然免疫を活性化してしまうという問題がある。



本発明者らは、特許文献1において、siRNAなどの機能性核酸分子を細胞に取り込み容易な形態にして細胞内に導入し、細胞内で機能性分子を構築する方法を開示している(非特許文献1も参照)。この方法は、1または2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子の構築法であって、以下の工程1)および2)を含んでいる。
1)化学反応により相互結合する官能基対を対応する末端に付した2以上の断片を細胞内に導入する導入工程、
2)上記細胞内で上記官能基同士を反応させて断片同士を結合し、1または2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子を生成する生成工程。



上記の方法は、機能性核酸分子を構成する核酸鎖の少なくとも一部を複数の断片として細胞に導入し、細胞内で機能性核酸分子を構築させるものである(以下「細胞内ビルトアップ法」とも称する)。この方法では、一方の断片の「対応する末端」に求電子基を、他方の断片の「対応する末端」に求核基を結合させ、これらの化学反応により断片同士を結合させている。具体的には、求電子基としてヨードアセチル基、ブロモアセチル基又はヨード基を、求核基としてホスホロチオエート基を用い、これらの化学反応によって2つの断片のリボースを連結させている。

産業上の利用分野


本発明は、酵素反応に依らず化学反応によって核酸鎖と核酸鎖とを結合する方法、これを応用した核酸鎖の塩基配列の決定方法及び機能性核酸分子の細胞内導入方法に関する。より詳しくは、核酸鎖間の結合を、天然型構造又はこれに類似の構造で形成可能な非酵素的核酸鎖結合方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
核酸鎖と核酸鎖とを酵素反応に依らずに結合させる方法であって、
ホスホロチオエート基を有する核酸鎖を、求電子剤の存在下で、水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖と反応させる手順を含む、非酵素的核酸鎖結合方法。

【請求項2】
前記ホスホロチオエート基が核酸鎖の3’末端に、前記水酸基又はアミノ基が核酸鎖の5’末端に存在する、請求項1記載の非酵素的核酸鎖結合方法。

【請求項3】
前記ホスホロチオエート基が核酸鎖の5’末端に、前記水酸基又はアミノ基が核酸鎖の3’末端に存在する、請求項1記載の非酵素的核酸鎖結合方法。

【請求項4】
前記求電子剤が下記式(I)又は式(II)で示される化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の非酵素的核酸鎖結合方法。
【化1】


(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立してNO2基、OCOCH3基、CN基、CF3基、CO2H基、CO2CH3基又はNH2基を示し、
Lは、F、Cl、SO3H及びSO2NR4から選択される脱離基を示し、
4は、NH2、NHPh、NHPh-OCH3を示す。)

【請求項5】
前記求電子剤が、1-フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン又はトリニトロクロロベンゼンである、請求項4記載の非酵素的核酸鎖結合方法。

【請求項6】
核酸鎖の塩基配列の決定方法であって、
前記核酸鎖に相補的な塩基配列を有し、5’末端又は3’末端にホスホロチオエート基を有する相補鎖を、求電子剤の存在下で、3’位又は5’位に水酸基又はアミノ基を有し、塩基に応じて異なる標識がされたヌクレオシドの混合物と反応させる手順と、
前記相補鎖に結合したヌクレオシドの標識からの信号を検出する手順と、
前記信号に基づいて、塩基核酸鎖の塩基配列を決定する手順と、を含む方法。

【請求項7】
前記ヌクレオチドは、5’位又は3’位のホスホロチオエート基と、該ホスホロチオエート基にジスルフィド結合を介して結合した標識物質とを有し、
該標識物質からの信号を検出した後、前記ジスルフィド結合を還元して前記標識物質を前記相補鎖から遊離させる手順を含む、請求項6記載の方法。

【請求項8】
機能性核酸分子を細胞内に導入する方法であって、
前記機能性核酸分子を構成し得る、ホスホロチオエート基を有する核酸鎖と、前記機能性核酸分子を構成し得る、水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖を有する核酸鎖と、
求電子剤と、
を細胞内に導入する導入手順を含む方法。

【請求項9】
前記ホスホロチオエート基を有する核酸鎖を、前記求電子剤の作用により、前記水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖と結合させて、前記機能性核酸分子を細胞内で生成させる組立手順を含む、請求項8記載の方法。

【請求項10】
機能性核酸分子を細胞内に導入する方法であって、
前記機能性核酸分子を構成し得る、ホスホロチオエート基を有する核酸鎖と、求電子剤と反応させて、ホスホロチオエート基に求電子剤を結合させる活性化手順と、
前記機能性核酸分子を構成し得る、水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖を有する核酸鎖と、前記求電子剤が結合したホスホロチオエート基を有する核酸鎖と、を細胞内に導入する導入手順と、を含む方法。

【請求項11】
前記求電子剤が結合したホスホロチオエート基を有する核酸鎖を、該求電子剤の作用により、前記水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖と結合させて、前記機能性核酸分子を細胞内で生成させる組立手順を含む、請求項10記載の方法。

【請求項12】
核酸鎖の非酵素的結合のためのキットであって、
核酸鎖をチオリン酸化するための試薬と、
求電子剤と、
5’位又は3’位にアミノ基を有するヌクレオシドと、を含むキット。

【請求項13】
核酸鎖の非酵素的結合のためのキットであって、
ホスホロチオエート基を有する核酸鎖と、
求電子剤と、
水酸基又はアミノ基を有する核酸鎖と、を含んでなるキット。

【請求項14】
ホスホロチオエート基と、該ホスホロチオエート基に結合された求電子基とを有する核酸鎖。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016544965thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 脳神経回路の形成・動作と制御 領域
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