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酸素還元触媒及びその製造方法

国内特許コード P170014268
整理番号 (S2014-0635-N0)
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2016-510176
出願日 平成27年2月27日(2015.2.27)
国際出願番号 JP2015055966
国際公開番号 WO2015146490
国際出願日 平成27年2月27日(2015.2.27)
国際公開日 平成27年10月1日(2015.10.1)
優先権データ
  • 特願2014-062643 (2014.3.25) JP
発明者
  • 太田 健一郎
  • 石原 顕光
  • 光島 重徳
  • 濱崎 真
出願人
  • 国立大学法人横浜国立大学
発明の名称 酸素還元触媒及びその製造方法
発明の概要 良好な安定性及び高い酸素還元性能を有する新規な酸素還元触媒を提供する。酸素還元触媒は、導電性酸化物と、導電性酸化物の少なくとも表面に設けられた、酸素空孔を有する、Ti、Zr、Nb及びTaからなる群から選択された少なくとも1種以上の遷移金属の酸化物とを含む。
従来技術、競合技術の概要


燃料電池や空気電池は、空気中の酸素等を酸化剤とし、燃料となる化合物と負極活物質との化学反応により発生するエネルギーを電気エネルギーとして取り出す電気化学エネルギーデバイスである。燃料電池や空気電池は、Liイオン電池等の2次電池よりも高い理論エネルギー容量を有し、自動車車載用電源、家庭や工場等の定置式分散電源、又は、携帯電子機器用の電源等として利用することができる。



燃料電池や空気電池の酸素極側では、酸素が還元される電気化学反応が起きる。酸素還元反応は比較的低温では進行し難く、一般的には白金(Pt)等の貴金属触媒により反応を促進させることができる。しかしながら、燃料電池や空気電池のエネルギー変換効率は未だ十分でない。また、酸素還元反応は高い電位領域で起こるためPt等の貴金属でも溶解劣化してしまい、長期安定性及び信頼性確保に問題がある。さらに、Pt等の貴金属を主成分とする触媒は高価であり、燃料電池や空気電池のシステム全体の価格を押し上げその広範な普及を阻んでいる。したがって、白金等の貴金属を用いない安価な触媒であって、高い酸素還元能を有する触媒の開発が望まれている。



Ptを含まない触媒としては有機金属錯体や、窒素化カーボン、遷移金属カルコゲナイド、遷移金属炭素化物、遷移金属窒素化物等が知られているが、いずれも触媒活性や耐久性の面において不十分であり、Pt系触媒を上回る性能は得られていない。



その中でも、4属、5属元素の遷移金属酸化物の一部が酸素還元反応に対して活性を有することが非特許文献1、2に開示されている。また、非特許文献3、特許文献1においては、構造欠陥の一部が酸素還元反応の活性点として機能する可能性が指摘されている。さらに、非特許文献4、5及び特許文献1には、電極構成時に導電性カーボン等を付与することが開示されている。



燃料電池や空気電池の空気極触媒上での酸素還元反応は、電極からの電子移動を伴う反応であるため、良好な酸素還元触媒性能を得るためには、電子が電極から触媒上の反応活性点近傍まで速やかに移動する必要がある。また、反応物質である酸素やプロトンが速やかに反応活性点まで届けられることが必要である。しかしながら、非特許文献1から3、特許文献1に記載の4属、5属元素の遷移金属酸化物は、一般的に絶縁体的な電子状態を有するため導電性が乏しく、速やかに反応を行うことが難しい。そのため、低い電流値で電池を動作させる場合には比較的高性能を示すものの、高い電流領域では動作電圧が低下してしまう問題がある。



また、非特許文献4、5及び特許文献1に記載の方法でも活性点近傍に有効な電子伝導経路をナノレベルで構築・制御することが難しく、性能は低い状態にとどまっている。また、多量の導電性カーボンの導入は、触媒活性点への酸素の供給を阻害するものであり、導電性の付与と酸素の効果的輸送を両立することにより、酸素還元性能を向上させることが求められている。



このような問題に対し、特許文献2では、遷移金属酸化物に酸素欠陥を導入し、又は、遷移金属酸化物に酸素欠陥を導入し、かつ、酸素原子の一部を窒素原子で置換することにより、表面の導電性を向上させる技術が開示されている。そして、酸素還元反応の活性点となる構造欠陥の近傍に、導電性カーボンを配置し良好な伝導経路を導入することにより、酸素還元性能を向上させている。



さらに、非特許文献6には、NbCl5とTiCl4をエタノールに溶解させて得た溶液を、メソポーラスC34に滴下して浸透させた後、焼成することでC34を分解し、窒化物ナノ粒子とした後、当該窒化物を酸化することで、ニオブ添加酸化チタン(TiO2:Nb)を作製する技術が開示されている。そして、当該ニオブ添加酸化チタン(TiO2:Nb)は安定であり、酸化後にも良好な導電性を保つため、白金代替触媒として有用であると記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、水溶液中における酸素還元反応を促進する酸素還元触媒に関し、特に燃料電池、空気電池等の電気化学デバイスの空気極に用いられる酸素還元触媒及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性酸化物と、
前記導電性酸化物の少なくとも表面に設けられた、酸素空孔を有する、Ti、Zr、Nb及びTaからなる群から選択された少なくとも1種以上の遷移金属の酸化物と、
を含む酸素還元触媒。

【請求項2】
前記遷移金属の酸化物が、0<x≦0.2としたとき、TiO2-x、ZrO2-x、NbO2-x、又は、TaO2-xで表される請求項1に記載の酸素還元触媒。

【請求項3】
前記導電性酸化物が、Ti、Zr、Nb及びTaからなる群から選択された少なくとも1種以上の遷移金属の酸化物である請求項1又は2に記載の酸素還元触媒。

【請求項4】
前記導電性酸化物が、Ti47、Ti35、Ti23、TiO、Ti32、ZrO、NbO又はTaOである請求項3に記載の酸素還元触媒。

【請求項5】
前記導電性酸化物と前記遷移金属の酸化物とが複合化されて形成されている請求項3又は4に記載の酸素還元触媒。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素還元触媒を空気極として用いた燃料電池。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素還元触媒を空気極として用いた空気電池。

【請求項8】
導電性酸化物を50~95質量%に対し、Ti、Zr、Nb及びTaの酸化物からなる群から選択された酸化物を5~50質量%を前記導電性酸化物の少なくとも表面に担持させるように混合した後、1~100%水素の不活性ガス雰囲気下で800~1300℃の熱処理を行う工程を含む請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素還元触媒の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016510176thum.jpg
出願権利状態 公開
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