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金属錯体への金属酸化物の添加による固体触媒の製造方法 NEW 新技術説明会

国内特許コード P170014278
整理番号 (S2014-0265-N0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2015-561055
出願日 平成27年2月6日(2015.2.6)
国際出願番号 JP2015053377
国際公開番号 WO2015119244
国際出願日 平成27年2月6日(2015.2.6)
国際公開日 平成27年8月13日(2015.8.13)
優先権データ
  • 特願2014-022456 (2014.2.7) JP
発明者
  • 和田 健司
  • 束田 深志
  • 細川 三郎
  • 阿部 竜
出願人
  • 国立大学法人 香川大学
発明の名称 金属錯体への金属酸化物の添加による固体触媒の製造方法 NEW 新技術説明会
発明の概要 本発明は、希土類金属を含む酸化物とイリジウム酸化物を溶媒中で処理することを特徴とする、イリジウム触媒の製造方法を提供するものである。溶媒中での処理としては、希土類金属を含む酸化物とイリジウム化合物を混合すること、希土類金属酸化物をイリジウム化合物の溶媒溶液に含浸もしくは浸漬することのいずれでもよい。本発明の触媒は、シリルアルケン類を、ヒドロシラン類とアルケンを原料として脱水素シリル化反応によって製造する反応に用いることができる。本発明の触媒は、脱水素シリル化反応に対して飛躍的に高い活性を示し、触媒活性の低下を伴うことなく触媒の再利用が可能で、さらに均一系錯体触媒の使用に伴って発生する問題点を解決することができる。
従来技術、競合技術の概要

種々の有機ケイ素ポリマー原料として、及び不飽和化合物合成原料として工業的に重要な基幹化合物であるシリルアルケン類を、ヒドロシラン類とアルケンを原料として脱水素シリル化反応によって製造する方法は、ヒドロシラン類及びアルケン類の事前の活性化を必要としない原子効率が高い優れた手法である。


有機合成反応における触媒は、均一系触媒と不均一系触媒に大きく二分される。代表的な均一系触媒である錯体触媒は、高効率、高選択的な反応の実現が容易であるといった利点を有しているため、精密な制御が必要な有機合成にしばしば用いられる。均一系ロジウム錯体触媒(非特許文献1、2)あるいはパラジウム錯体触媒(非特許文献3)等を活用したシリルアルケン類の製造方法が既に見出され、報告されているが、均一系錯体触媒には、1)触媒製造プロセスが複雑で、高環境負荷・高コスト、2)触媒の分離回収・再利用が困難で、生成物への金属の混入が問題となる、3)一般に化学的・熱的に不安定であり取り扱いが困難、などの工業化の上で重大かつ本質的な問題点がある。さらに、本反応はヒドロシリル化反応によるシリルアルカンの副生を本質的に伴い、目的とするシリルアルケンを選択的に得るためにはシリルアルカンの副生を抑制する必要がある。そのため、反応後の分離回収が困難な配位子あるいは添加剤として有害なホスフィンや高価な1,10-フェナントロリン誘導体の使用が不可欠であるが、それでも特にジメチルフェニルシランを原料として用いた場合にはシリルアルカンの副生が著しく、選択的にシリルアルケンを得ることは極めて困難である。


一方、不均一系触媒の中でも酸化物担持触媒は、活性や選択性では劣る場合が多いものの、均一系触媒と比較して、1)触媒の分離回収・再利用が容易である、2)生成物への金属種の混入リスクが小さい、3)熱や空気に対する安定性が高く取り扱いが容易、などのメリットが挙げられ、錯体触媒に匹敵する活性及び選択性を有する固体触媒の開発は、グリーンケミストリーの観点から必要不可欠である。


こうした観点から和田らは、酸化セリウム担持ルテニウム (Ru/CeO) 触媒やイリジウム (Ir/CeO) 触媒を開発し、これらが多種多様な有機合成反応に有効であることを見出し、特許文献1~3、非特許文献4~10によって報告している。これらはいずれも「金属酸化物担持触媒」の範疇にはいる触媒群であり、触媒を焼成して金属酸化物に変換し、その形態で用いられる。

産業上の利用分野

本発明は、固体触媒及び固体触媒から溶液に溶出するイリジウム触媒の製造方法、触媒によるシリル基置換不飽和化合物の製造方法に関し、詳しくはイリジウム触媒によるシリル基置換不飽和化合物の製造方法に関するものである。
また、本発明は、イリジウム触媒の回収及び再利用方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
希土類金属を含む酸化物とイリジウム化合物を溶媒中で処理することを特徴とする、イリジウム触媒の製造方法。

【請求項2】
溶媒中にイリジウム化合物とヒドロシラン類を添加して加熱し、次いで希土類金属を含む酸化物を加えてイリジウム化合物とヒドロシラン類を溶媒中で処理することを特徴とする、請求項1に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項3】
前記処理が希土類金属を含む酸化物とイリジウム化合物を溶媒中で混合することである、請求項1又は2に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項4】
前記処理が希土類金属を含む酸化物をイリジウム化合物の溶媒溶液に含浸もしくは浸漬することである、請求項1又は2に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項5】
希土類金属を含む酸化物とイリジウム化合物を溶媒中で処理し、加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項6】
希土類金属を含む酸化物が希土類金属酸化物又は希土類金属を含む複合酸化物である、請求項1~5のいずれか1項に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項7】
前記酸化物が酸化セリウムである、請求項1~6のいずれか1項に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項8】
イリジウム化合物がイリジウム錯体またはイリジウム塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項9】
イリジウム化合物がIrCl3・xH2O(x=0~3)、トリアセチルアセトナトイリジウム、Ir(CO)12、ビス(シクロペンタジエニルイリジウムジクロリド)である、請求項1~8のいずれかに記載のイリジウム触媒の製造方法。

【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の製造方法によって得られるシリル基置換不飽和化合物製造用イリジウム触媒。

【請求項11】
請求項10に記載のイリジウム触媒の存在下で、シラン化合物(1)と不飽和化合物(2)を反応させることを特徴とする、一般式(I)で表されるシラン化合物の製造方法:
【化1】


(式中、RはR1a1b1cSi基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。
1a、R1b、R1cは、各々独立してアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子を示す。)

【請求項12】
溶媒中に希土類金属を含む酸化物とイリジウム化合物を添加し、必要に応じて加熱してイリジウム触媒を調製し、得られたイリジウム触媒をヒドロシラン類とアルケンを原料とした脱水素シリル化反応に使用して反応液からイリジウム触媒を濾過により回収し、回収したイリジウム触媒をさらに次の脱水素シリル化反応に使用する工程を少なくとも1回行うことを特徴とするイリジウム触媒の回収及び再利用方法。

【請求項13】
溶媒中にイリジウム化合物とヒドロシラン類と希土類金属を含む酸化物を添加して加熱することにより最初のイリジウム触媒の調製を行い、以下、イリジウム触媒の回収と脱水素シリル化反応への再利用を少なくとも1回行うことを特徴とする、請求項12に記載の脱水素シリル化反応におけるイリジウム触媒の回収及び再利用方法。

【請求項14】
溶媒中にイリジウム化合物とヒドロシラン類とアルケンと希土類金属を含む酸化物を添加して加熱し、最初のイリジウム触媒の調製と脱水素シリル化反応を同時に行い、以下、イリジウム触媒の回収と脱水素シリル化反応への再利用を少なくとも1回行うことを特徴とする、請求項12に記載の脱水素シリル化反応におけるイリジウム触媒の回収及び再利用方法。

【請求項15】
溶媒中にイリジウム化合物とヒドロシラン類を添加して加熱し、さらに希土類金属を含む酸化物を添加して加熱することにより最初のイリジウム触媒の調製を行い、得られたイリジウム触媒とアルケンの存在下に脱水素シリル化反応を行い、以下、イリジウム触媒の回収と脱水素シリル化反応への再利用を少なくとも1回行うことを特徴とする、請求項12~14のいずれか1項に記載の脱水素シリル化反応におけるイリジウム触媒の回収及び再利用方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015561055thum.jpg
出願権利状態 公開


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