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集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置 NEW

国内特許コード P170014295
整理番号 (S2014-0795-N0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2016-519188
出願日 平成27年4月23日(2015.4.23)
国際出願番号 JP2015062332
国際公開番号 WO2015174236
国際出願日 平成27年4月23日(2015.4.23)
国際公開日 平成27年11月19日(2015.11.19)
優先権データ
  • 特願2014-099859 (2014.5.13) JP
発明者
  • 兒玉 竜也
  • 松原 幸治
  • 郷右近 展之
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
発明の名称 集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置 NEW
発明の概要 太陽光を集光して得られる太陽熱を利用して石炭等の熱分解や化学反応を高効率で可能とする受熱装置、反応装置及び加熱装置を提供する。略円柱形の側面を形成する側部11と、側部11の下端に接続して底面を形成する略円形の底部12と、側部11の上端に接続して天井面を形成する天井部13から構成し、天井部13の中央に略円形の開口部14を形成した。開口部14が開口した略円柱形の空洞15を有する。空洞15の直径をD、空洞15の長さをL、開口部14の直径をdとしたときに、d=D/2以下、L=2D以上とした。受熱装置1に入射した集光太陽光を受熱装置1内に閉じ込めて、受熱装置1に入射した集光太陽光を有効に利用することができる。
従来技術、競合技術の概要


従来、エネルギー源として、石油、天然ガス、石炭(主に瀝青炭)、原子力エネルギー(化石燃料と言わない場合がある)等の化石燃料が利用されてきた。しかし、世界の人口の増加や産業の発展等により、エネルギーの消費は急増している。これらの化石燃料の中で石炭は可採埋蔵量が非常に豊富で最も安定供給性に優れている。これまで、石炭では瀝青炭が使用されてきた。今後は、石炭資源の約半分を占める低品位炭(輸送効率やエネルギー効率が悪い)である褐炭や亜瀝青炭の活用が重要となる。低品炭は豪州、東南アジア、米国等のサンベルト地域にも大量に賦存する。また、将来、木材を始めとするバイオマスの利用も重要となる。これらの未利用エネルギー(低品位炭及びバイオマス)を有効に利用するため、集光太陽光(再生可能エネルギー)を利用して熱分解やガス化を行い、水素、一酸化炭素、メタン等を製造することは、新たなエネルギーを生み出すことになる。なお、製造された水素と一酸化炭素の混合ガスは炭化水素燃料(灯油、軽油、ディーゼル油、ガソリン、DME(ジメチルエーテル)、メタノール等)の原料となり、また、メタンはクリーンな燃料として一般に使用されている。



太陽光を集光して得られる高温の太陽熱を利用して、水を分解し、水素等を製造する技術開発が積極的に進められている(例えば、特許文献1)が、この方法では、集光太陽光の入光口(窓)に透明石英板が使用されているので、タールや煤が発生する石炭などの熱分解反応に適用できない。



また、最近、集光太陽光によるコークスの熱分解に利用する技術開発が行われている(例えば、特許文献2)が、タールや煤が発生しない条件に限られている。



また、最近、集光太陽光により空気を加熱し、ガスタービンに利用する試みも行われている(例えば、非特許文献1)。しかし、受熱装置に入射した集光太陽光の反射や再輻射に対する放熱対策が施されていないし、また、受熱装置の周囲に設置された装置は発泡体で構成され、熱伝達や熱吸収が非常に悪い。



ここで、従来の反応装置の例を図14~17に示す。



図14に示す例は、太陽の移動に追従する多数のヘリオスタットとビームダウン式集光システムによって太陽光を集め、集光した太陽光を反応装置に導き、別途、水蒸気を反応装置に導入し、反応装置に充填された鉄酸化物等の金属酸化物による二段階水熱分解サイクルの水素製造反応を行わせるシステムである。二段階水熱分解サイクルでは、水蒸気と金属酸化物との化学反応によって、水素を製造する工程(水熱分解反応、反応温度は約900℃)と窒素ガス等により金属酸化物の還元反応を行わせる工程(熱還元反応、反応温度は約1400℃)を交互に繰り返す反応が行われる。



図15に示す例は、太陽の移動に追従する多数のヘリオスタットとタワー式集光システムによって太陽光を集め、集光した太陽光を反応装置に導き、別途、水蒸気を反応装置に導入し、反応装置に充填された鉄酸化物等の金属酸化物による二段階水熱分解サイクルの水素製造反応を行わせるシステムであり、図14の反応装置を横置きにしたものである。



図16に示す例は、集光した太陽光を反応装置に導き、別途、反応器の上方側壁からコークスと砂を導入し、反応器の底部から水蒸気を導入し、熱分解反応により水素等を製造するシステムである。このシステムはコークスの熱分解に適用された例で、煤やタールが発生しない運転条件である。



図17(a)に示す例では、多数のヘリオスタット等で集光された太陽光は様々な角度で受熱装置に導かれる。受熱装置は耐熱材で、高温度の条件の場合は、インコネル、アルミナ、炭化珪素等で製作され、低温度の条件の場合はステンレス鋼等で製作される。集光太陽光の1部は反射や再輻射で受熱装置外に放出する。図は受熱装置の深さをそれの直径と約同じ長さにした時で、集光された太陽光の入射角度について、受熱装置の中心線に対する仰角(α)を10度、20度、30度、40度、50度と仮定した場合の受熱装置内での光の反射状況を示す。受熱装置内での反射回数は1~3回で少なく、放熱損失が多い事が分かる。



図17(b)は、受熱装置の深さをそれの直径の約2倍の長さにした時の例で、集光された太陽光の入射角度について、受熱装置中心線に対する仰角(α)を10度、20度、30度、40度、50度と仮定した場合に受熱装置内で反射する状況を示す。反射回数は2~6回で、放熱損失が多い事が分かる。



図18には、従来の太陽光集光による蓄熱システムの例を示す。太陽光集光による蓄熱システムには、顕熱蓄熱(液体:オイル、固体:コンクリート、固体粒子等)、潜熱蓄熱(溶融塩等)と化学蓄熱がある。これらの蓄熱システムは太陽が照っている時と照っていない時(太陽が雲によって遮断された時と夜間時)の両方において定常運転可能なように構成されている。蓄熱システムの容量は太陽が照っていないときの運転時間によって決定される。なお、この従来例は、固体粒子の顕熱蓄熱システムと化学蓄熱システムに関連する。化学蓄熱の化学反応物質は粒子状であるため、固体粒子の顕熱蓄熱システムと化学蓄熱システムは同様のシステムとなる。ここで、受熱装置内は、ハニカム構造体(又は発泡体)で満たされている。これは太陽光が直接空気を加熱することが出来ないためである。したがって太陽光集光はまずハニカム構造体を加熱し、その後ハニカム構造体が空気を加熱することになる。ハニカム構造体の表面積が少なく、しかも流路は狭く、熱伝達率が小さくなるので、空気を急速に高温にすることは難しい。



太陽が照っている時は、図18(a)に示すように、集光太陽光は石英板(窓)を透過して受熱装置に入射し、受熱装置に供給された低温の空気はハニカム構造体を経由して加熱されて高温になる。高温になった空気は、蒸気発生器と蓄熱槽に並列に流れる。蒸気発生器に流れた高温の空気は水を加熱し、蒸気を発生させて、低温になり、受熱装置に循環される。発生した蒸気は、蒸気タービンと発電機によって電気を発生させる。一方、蓄熱槽に流れた高温の空気は、蓄熱層に収容された酸化金属粒子間の小さな隙間を流れるので、層流になり、熱伝達率は小さくなる。そして、高温の空気は、蓄熱粒子にゆっくりと熱を与え、低温になり、受熱装置に循環される。蓄熱槽で加熱された酸化金属粒子は化学反応によって酸素を放出し、化学反応熱を蓄える。すなわち、酸化金属粒子は、顕熱と化学反応熱の両方を蓄えた事になる。



一方、太陽が照っていない時は、図18(b)に示すように、バルブを切り替えて受熱装置に空気が流れないようにして、蓄熱槽に空気を送ると蓄熱槽の酸化金属粒子は、化学反応によって空気中の酸素と反応して発熱し、空気が加熱される。蒸気発生器に流れた高温の空気は水を加熱し、蒸気を発生させて、低温になり、蓄熱槽に循環される。発生した蒸気は、蒸気タービンと発電機によって電気を発生させる。なお、この従来例においては、蓄熱槽が大きいため、蓄熱モードから放熱モードに切り替えるには多くの時間が必要である。したがって、雲り時の対応が困難である。

産業上の利用分野


本発明は、集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
側部と、この側部の下端に接続する底部と、前記側部の上端に接続する天井部とを備え、前記天井部に開口部を有し、前記側部、前記底部、前記天井部によって、前記開口部が開口した空洞と、太陽光を吸収する内壁とが形成されるとともに、前記側部又は前記底部の内壁には太陽光を前記内壁に向けて反射する反射体が設けられたことを特徴とする集光太陽光の受熱装置。

【請求項2】
前記空洞の内部における前記開口部を含む天井部の面積をS、前記開口部の面積をsとしたときに、s=S/4以下としたことを特徴とする請求項1記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項3】
前記空洞は略円柱形、前記開口部は略円形であって、前記空洞の直径をD、前記空洞の長さをL、前記開口部の直径をdとしたときに、d=D/2以下、L=2D以上としたことを特徴とする請求項1記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項4】
前記底部の中心部に円錐状の反射体が設けられるとともに、この反射体は、直径がd以上の円錐であって、前記空洞の中心線からの仰角が30度~60度であることを特徴とする請求項3記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項5】
前記底部にさらに同心円上に配置された反射体が設けられたことを特徴とする請求項4記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項6】
前記空洞の天井部と底部の直径を異ならせたことを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項7】
インコネル、アルミナ、炭化珪素、ステンレス鋼のいずれかから構成されたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項8】
黒い材質から構成され、又は内壁に黒色の塗装が施されたことを特徴とする請求項7記載の集光太陽光の受熱装置。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置と、この受熱装置の周囲に前記受熱装置と所定の間隔をおいて前記受熱装置の側部と底部を覆うように設けられた反応器とからなることを特徴する反応装置。

【請求項10】
前記反応器の内部にドラフト管を設けたことを特徴とする請求項9記載の反応装置。

【請求項11】
請求項1~8のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置と、この受熱装置の周囲に前記受熱装置と所定の間隔をおいて前記受熱装置の側部と底部を覆うように設けられた加熱器とからなることを特徴する加熱装置。

【請求項12】
前記加熱器の内壁にフィンを設けたことを特徴とする請求項11記載の加熱装置。

【請求項13】
前記加熱器の底部に整流体を設けたことを特徴とする請求項12記載の加熱装置。
国際特許分類(IPC)
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