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触媒前駆体および不斉鎖状化合物の合成方法 NEW 新技術説明会

国内特許コード P170014311
整理番号 (S2013-0535-C0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2015-500238
出願日 平成26年2月10日(2014.2.10)
国際出願番号 JP2014053096
国際公開番号 WO2014126068
国際出願日 平成26年2月10日(2014.2.10)
国際公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
優先権データ
  • 特願2013-028947 (2013.2.18) JP
発明者
  • 平野 雅文
  • 小宮 三四郎
  • 小峰 伸之
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 触媒前駆体および不斉鎖状化合物の合成方法 NEW 新技術説明会
発明の概要 本発明では、キラルな環状ジエン配位子である第1の配位子と第2の配位子とを有するルテニウムを含む触媒前駆体が提供される。
従来技術、競合技術の概要


不斉化合物の合成は、医農薬品をはじめとする生理活性物質の合成には不可欠であり、多くの研究が行われている。特に最近世界で承認された不斉中心を持つ合成医薬品の70%以上が光学活性体であり、医薬品分野での光学活性化合物の重要性は益々大きくなっている。このため、不斉合成は、近年活発に研究されている。
不斉合成は、種々の方法が試みられている。
例えば、野依触媒を用いた不斉還元反応により炭素-水素の形成に基づいた不斉構築を行ったり、香月・シャープレス酸化により、炭素-酸素結合を形成して不斉構築を行うことが知られている。また、炭素-炭素結合を形成することにより不斉構築を行うことも進められており、不斉共役付加、不斉クロスカップリング、不斉マンニッヒ反応、ZACA反応、アルキンの不斉環化三量化などの開発が行われている。しかし、炭素-炭素結合の形成による不斉構築は未だ発展途上にあり、今後大きな進展が望まれている。



合成反応においては、触媒の存在も重要であり、種々の触媒が合成され、合成反応に用いられている。
具体的には、例えば、キラルなアザホスホレン配位子を持つニッケル触媒により、エチレンとスチレンやエチレンとノルボルネンをカップリングすることにより、不斉ヒドロビニル化反応が開示されている(例えば、下記非特許文献1および下記特許文献1参照)。
また、類似な反応としてキラルなホスフィナイト配位子を持つニッケル触媒によるエチレンとスチレンを用いた不斉ヒドロビニル化反応(例えば、下記非特許文献2参照)、キラルなホスフォラミダイト配位子を持つニッケル触媒によるエチレンとスチレンを用いた不斉ヒドロビニル化反応(例えば、下記非特許文献3参照)、およびキラルなホスフェート配位子を持つルテニウムヒドリド錯体を用いたエチレンとビニルナフタレンによるヒドロビニル化反応(例えば、下記非特許文献4参照)などが報告されている。これらの反応はいずれも、カップリングパートナーとしてエチレンが必須であり、ヒドリド挿入機構により反応が進行している。
また、キラルな配位子および元素周期表9族の金属を有する触媒を用いて共役カップリングする手法(例えば、下記非特許文献5参照)や、アリル化合物の動力学的分割を行う手法が開示されている(例えば、下記非特許文献6参照)。



元素周期表8族の金属であるルテニウムを触媒に用いた反応も研究されており、例えば、ビシクロノナジエンを配位子として持つ0価ルテニウム錯体を合成し、置換オレフィンの選択的共二量化(交差二量化)反応に応用することが試みられている(例えば、下記非特許文献7~12参照)。



非特許文献1: G. Wilke, Angew. Chem., 27, 185-206 (1988).
非特許文献2: H. Park, R. Kumareswaran, T. V. RajanBabu, Tetrahedron, 61, 6352-6367 (2005).
非特許文献3: N. Lassauque, G. Francio,W. Leitner, Adv. Synth. Catal.,351, 3133-3138 (2009).
非特許文献4: G. Jiang, B. List, Chem. Commun.,47, 10022-10024 (2011).
非特許文献5: T. Hayashi, K. Ueyama, N. Tokunaga, and K. Yoshida, J. Am. Chem. Soc., 125, 11508-11509 (2003).
非特許文献6: C. Fischer, C. Defieber, T. Suzuki, E. M. Carreira, J. Am. Chem. Soc., 126, 1628-1629 (2004).
非特許文献7: M. Hirano. Organometallics, (2010) Vol.29, pp.3690-3693
非特許文献8: M. Hirano. Organometallics, (2011) Vol.30, pp.1307-1310
非特許文献9: M. Hirano. Organometallics, (2012) Vol.31, pp.4006-4019
非特許文献10: 日本化学会第92春季年会予稿集,2B1-11(2012)
非特許文献11: 第59回有機金属化学討論会予稿集,P2C-16(2012)
非特許文献12: XXVth International Conference on Organometallic Chemistry予稿集, PB79 (2012)



特許文献1: 独国特許出願公開第3618169号明細書(Offenlegungsschrift DE000003618169A1)

産業上の利用分野


本発明は、触媒前駆体および不斉鎖状化合物の合成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
キラルな環状ジエン配位子である第1の配位子と第2の配位子とを有するルテニウムを含む触媒前駆体。

【請求項2】
前記ルテニウムは、0価ルテニウムまたは2価ルテニウムである請求項1に記載の触媒前駆体。

【請求項3】
前記キラルな環状ジエン配位子は、6~8員環の単環、または、前記単環に架橋部を有するビシクロ環を含む請求項1または請求項2に記載の触媒前駆体。

【請求項4】
下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物、および下記一般式(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の触媒前駆体。
【化1】



〔一般式(1)中、Aは、6電子配位子を表し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す。n1は0または1を表し、n1が1のとき、Xは、酸素原子、連結基(i)、または単結合を表す。
一般式(2)中、A21はジエン配位子を表し、A22は-NCR配位子を表す(ただし、Rは、アルキル基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す)。R21~R28は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す。n2は0または1を表し、n2が1のとき、Xは、酸素原子、連結基(i)、または単結合を表す。
一般式(3)中、A31~A34は、各々独立に、中性配位子またはアニオン性配位子を表し、A31とA32、およびA33とA34は、互いに連結して環を形成してもよい。R31~R38は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す。n3は0または1を表し、n3が1のとき、Xは、酸素原子、連結基(i)、または単結合を表す。
連結基(i)中、R11およびR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表し、mは1以上の整数を表す。〕
【化2】



〔一般式(4)中、A41は、6電子配位子を表し、R41~R46は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す。n4は0または1を表し、n4が1のとき、Xは、酸素原子、連結基(i)、または単結合を表す。
一般式(5)中、A51はジエン配位子を表し、A52は-NCR配位子を表す(ただし、Rは、アルキル基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す)。R51~R56は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す。n5は0または1を表し、n5が1のとき、Xは、酸素原子、連結基(i)、または単結合を表す。
一般式(6)中、A61~A64は、各々独立に、中性配位子またはアニオン性配位子を表し、A61とA62、およびA63とA64は、互いに連結して環を形成してもよい。R61~R66は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアリールオキシ基を表す。n6は0または1を表し、n6が1のとき、Xは、酸素原子、連結基(i)、または単結合を表す。〕

【請求項5】
下記一般式(1-11)で表される化合物、下記一般式(1-12)で表される化合物、下記一般式(2-11)で表される化合物、下記一般式(2-12)で表される化合物、下記一般式(2-21)で表される化合物、下記一般式(3-11)で表される化合物、下記一般式(4-11)で表される化合物、下記一般式(4-12)で表される化合物、下記一般式(5-11)で表される化合物、下記一般式(5-12)で表される化合物、下記一般式(6-11)で表される化合物、および下記一般式(6-12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の触媒前駆体。
【化3】



〔一般式(1-11)および一般式(1-12)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
一般式(2-11)、一般式(2-12)、および一般式(2-21)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表し、一般式(2-21)中、Rは、不斉炭素を有するアルキル基を表す。
一般式(3-11)中、Rは、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
一般式(4-11)および一般式(4-12)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
一般式(5-11)および一般式(5-12)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
一般式(6―11)および一般式(6―12)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。〕

【請求項6】
キラルな環状ジエン配位子を有し6電子反応場を持つ0価ルテニウム種を触媒として、第1の共役アルケンと、非共役アルケンまたは第2の共役アルケンと、の不斉鎖状二量化を行う不斉鎖状化合物の合成方法。

【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の触媒前駆体を用いて、前記キラルな環状ジエン配位子を有し、6電子反応場を持つ0価ルテニウム種を発生させる請求項6に記載の不斉鎖状化合物の合成方法。

【請求項8】
前記第1の共役アルケンおよび前記第2の共役アルケンは、共役カルボニル化合物、共役イミン化合物、または共役ジエン化合物である請求項6または請求項7に記載の不斉鎖状化合物の合成方法。

【請求項9】
前記第1の共役アルケンおよび前記第2の共役アルケンは、下記構造式(I-1)~構造式(I-4)のいずれか1種で表される化合物である請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の不斉鎖状化合物の合成方法。
【化4】



〔構造式(I-1)中、Rは、水素原子、アルコキシ基、アルキル基、または-N(R)(R)を表す。ただし、RおよびRは、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表す。RおよびRは、各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。
構造式(I-2)中、R~Rは、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
構造式(I-3)中、R11~R16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
構造式(I-4)中、R17は、水素原子またはアルキル基を表し、Yは、酸素原子、イオウ原子または一置換窒素原子を表し、Zは、酸素原子、イオウ原子、一置換窒素原子、またはアルキレン基を表す。〕

【請求項10】
前記非共役アルケンは、下記構造式(II-1)~構造式(II-7)のいずれか1種で表される化合物である請求項6~請求項9のいずれか1項に記載の不斉鎖状化合物の合成方法。
【化5】



〔構造式(II-1)中、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
構造式(II-3)中、Yは、メチレン基、酸素原子、イオウ原子、または一置換窒素原子を表す。
構造式(II-5)~構造式(II-7)中、R21~R27は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。〕

【請求項11】
前記第1の共役アルケンおよび前記第2の共役アルケンは、前記構造式(I-1)または前記構造式(I-3)で表される化合物である請求項9に記載の不斉鎖状化合物の合成方法。

【請求項12】
前記非共役アルケンは、前記構造式(II-3)で表される化合物である請求項10に記載の不斉鎖状化合物の合成方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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