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アトピー性皮膚炎モデル動物およびその用途 新技術説明会

国内特許コード P170014320
整理番号 (S2013-0593-C0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2015-514858
出願日 平成26年4月30日(2014.4.30)
国際出願番号 JP2014061931
国際公開番号 WO2014178392
国際出願日 平成26年4月30日(2014.4.30)
国際公開日 平成26年11月6日(2014.11.6)
優先権データ
  • 特願2013-096637 (2013.5.1) JP
発明者
  • 山西 清文
  • 水谷 仁
  • 今井 康友
  • 善本 知広
  • 中西 憲司
出願人
  • 学校法人兵庫医科大学
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 アトピー性皮膚炎モデル動物およびその用途 新技術説明会
発明の概要 本発明は、IL-33をコードするDNAを皮膚において特異的に発現可能な状態で保持するトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、SPF(specific pathogen free)の飼育条件下で、対応する非トランスジェニック非ヒト哺乳動物と比較して
(1)皮膚炎を自然発症する、
(2)炎症細胞数が増加している、
(3)総IgE濃度、ヒスタミン濃度、サイトカイン濃度および/またはケモカイン濃度が増加している、および
(4)掻破行動時間が増加している
からなる群から選択される特徴を1つ以上有する、非ヒト哺乳動物などを提供する。
従来技術、競合技術の概要


アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis)は、掻痒性、慢性反復性の炎症性皮膚病であり、遺伝的背景を有し、血清中において高いIgEレベルを伴うことを特徴とする。また、病変部には肥満細胞や好酸球が集まり、血中の好酸球も増加する。アトピー性皮膚炎発症のメカニズムは未だ完全には解明されていないが、活性化T細胞、好塩基球あるいは肥満細胞上のFcεRに結合したイムノグロブリン(以下、Igと記す)E分子の架橋によって誘導された好塩基球と肥満細胞との活性化の結果、Th2に関連したサイトカインとケミカルメディエーターの生成が起こることが重要と考えられる。上記サイトカインとは、インターロイキン(以下、ILと記す)-4、IL-13、IL-5であり、ケミカルメディエーターとはヒスタミン、セロトニン等である。この場合、特に好塩基球と肥満細胞の活性化には抗原特異的IgEが重要な役割を果たすが、抗原特異性が明確でない自然型アトピー性皮膚炎の場合は、その限りではなく、外的刺激や感染、IL-18などの関与が示唆されているが、詳細は不明である。



遺伝子操作されたアトピー性皮膚炎モデルマウスとしては7系統〔IL-4 Tg、CASP1 Tg、IL-18 Tg、IL-31 Tg、Re1B-KO、CatE-KO(非特許文献1)、MAIL-KO(非特許文献2)〕が報告されている。



しかし、遺伝子操作により作製されたアトピー性皮膚炎モデルマウスは実際のアトピー性皮膚炎の特徴を必ずしも反映していない。例えば、遺伝子操作により作製されたアトピー性皮膚炎モデルとして報告されたモデルの幾つかは、該遺伝子の高発現の局在がアトピー性皮膚炎患者皮膚では通常みられない遺伝子の発現増強モデルである(CASP1 Tg、IL-18 Tg、IL-4 Tg)、あるいは皮膚炎組織に好酸球も好中球もなく、IgEの数値に変動がない(IL-31 Tg)、などの特徴を持つことからヒトのアトピー性皮膚炎を必ずしも適切に反映する疾患モデルではないと考えられる。他にRelB-KOマウスは掻痒症状を呈さない、MAIL(IkBζ)-KOマウスは周産期致死率が非常に高く、皮膚炎症症状が激烈であるなどの点でアトピー性皮膚炎モデルとしては不完全である。従って、これらのモデルマウスをアトピー性皮膚炎の評価に用いる場合、実態を反映しないことが懸念される。



ところで、近年においてはアトピー性皮膚炎の研究が進み、新たな知見がもたらされている。最近では、アトピー性皮膚炎患者の皮膚の表皮角化細胞の核内において、IL-33の発現が増加していることが報告されている(非特許文献3)。IL-33はIL-1βやIL-18と相同性の高いアミノ酸配列を有するIL-1ファミリーに属するサイトカインとして同定され、ST2をその受容体とする。ST2はTh2細胞やアレルギーに関わる細胞(好塩基球、肥満細胞、好酸球、2型自然リンパ球)上に発現することから、IL-33はTh2型アレルギー疾患に関与することが示唆されている。しかしながら、マウス組換え体IL-33を直接皮膚の真皮内に局所投与すると、真皮の膠原線維の増加を伴う強皮症様の反応が起こり、表皮の変化は伴わないとする報告(非特許文献4)と、表皮肥厚を伴う乾癬様の皮膚炎が起きる(非特許文献5)という報告があり、IL-33の皮膚への影響は明確ではなかった。かかる現状において、現在に至るまでIL-33を皮膚において高発現するトランスジェニック動物は存在しておらず、その表現型についても不明なままであった。

産業上の利用分野


本発明は、IL-33遺伝子を皮膚において特異的に発現可能な状態で保持するトランスジェニック非ヒト哺乳動物およびそれを用いたアトピー性皮膚炎予防・治療剤のスクリーニング方法または評価方法などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
IL-33をコードするDNAを皮膚において特異的に発現可能な状態で保持するトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、SPF(specific pathogen free)の飼育条件下で、対応する非トランスジェニック非ヒト哺乳動物と比較して
(1)皮膚炎を自然発症する、
(2)炎症細胞数が増加している、
(3)総IgE濃度、ヒスタミン濃度、サイトカイン濃度および/またはケモカイン濃度が増加している、および
(4)掻破行動時間が増加している
からなる群から選択される特徴を1つ以上有する、非ヒト哺乳動物。

【請求項2】
IL-33をコードするDNAがケラチンプロモーターの制御下にある、請求項1に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項3】
ケラチンプロモーターがヒトケラチン14プロモーターである、請求項2記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項4】
IL-33が配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項5】
炎症細胞が好酸球、肥満細胞および2型自然リンパ球からなる群から選択される細胞である、請求項1~4のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項6】
サイトカインがIL-4、IL-5またはIL-13である、請求項1~5のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項7】
ケモカインがCCL2、CCL4、CCL5またはCCL11である、請求項1~6のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項8】
掻破行動時間または皮膚炎の症状が抗ヒスタミン薬またはステロイド薬によって低減することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項9】
非ヒト哺乳動物がマウスである、請求項1~8のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項10】
SPF(specific pathogen free)の飼育条件下で、請求項1~9のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物に試験化合物を適用し、(1)皮疹スコア、(2)炎症細胞数、(3)総IgE濃度、ヒスタミン濃度、サイトカイン濃度および/またはケモカイン濃度、および(4)掻破行動時間からなる群から選択される項目を1つ以上測定し、測定された前記項目を試験化合物非投与の場合と比べて改善させる試験物質を選択することを含む、アトピー性皮膚炎治療薬のスクリーニング方法。

【請求項11】
SPF(specific pathogen free)の飼育条件下で、請求項1~9のいずれか1項に記載の非ヒト哺乳動物にアトピー性皮膚炎の予防・治療薬を適用し、(1)皮疹スコア、(2)炎症細胞数、(3)総IgE濃度、ヒスタミン濃度、サイトカイン濃度および/またはケモカイン濃度、および(4)掻破行動時間からなる群から選択される項目を1つ以上測定し、測定された前記項目をアトピー性皮膚炎の予防・治療薬非投与の場合と比べる、アトピー性皮膚炎の予防・治療薬の効果の評価方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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