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人工多能性幹細胞を腸管上皮細胞へ分化誘導する方法 NEW

国内特許コード P170014331
整理番号 (S2013-0597-C0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2015-502917
出願日 平成26年2月24日(2014.2.24)
国際出願番号 JP2014054379
国際公開番号 WO2014132933
国際出願日 平成26年2月24日(2014.2.24)
国際公開日 平成26年9月4日(2014.9.4)
優先権データ
  • 特願2013-036434 (2013.2.26) JP
発明者
  • 岩尾 岳洋
  • 松永 民秀
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 人工多能性幹細胞を腸管上皮細胞へ分化誘導する方法 NEW
発明の概要 人工多能性幹細胞を腸管上皮細胞へ効率的に分化誘導するための新規な方法及びその用途を提供することを目的とする。人工多能性幹細胞を内胚葉様細胞へと分化させる工程と、該工程で得られた内胚葉様細胞を腸管幹細胞様細胞へと分化させる工程と、該工程で得られた腸管幹細胞様細胞を腸管上皮細胞様細胞へと分化させる工程であって、MEK1阻害剤、DNAメチル化阻害剤及びTGFβ受容体阻害剤からなる群より選択される一以上の化合物とEGFの存在下での培養を含む工程によって、人工多能性幹細胞を腸管上皮細胞へ分化誘導する。
従来技術、競合技術の概要


小腸には多くの薬物代謝酵素や薬物トランスポーターが存在することから、肝臓と同様、薬物の初回通過効果に関わる臓器として非常に重要である。そのため、医薬品開発早期の段階から小腸における医薬品の膜透過性や代謝を評価することが、薬物動態特性に優れた医薬品の開発に必要である。現在、小腸のモデル系としてはヒト結腸癌由来のCaco-2細胞が多用されている。しかし、Caco-2細胞における薬物トランスポーターの発現パターンはヒト小腸とは異なる。また、Caco-2細胞には薬物代謝酵素の発現及び酵素誘導はほとんど認められないことから、正確に小腸での薬物動態を評価することは難しい。したがって、小腸における薬物代謝及び膜透過性を総合的に評価するためには初代小腸上皮細胞の利用が望ましいが、初代小腸上皮細胞の入手は困難である。



ところで、ヒト人工多能性幹(induced pluripotent stem:iPS)細胞は2007年に山中らによって樹立された。このヒトiPS細胞は、1998年にThomsonらによって樹立されたヒト胚性幹(embryonic stem:ES)細胞と同様な、多分化能とほぼ無限の増殖能をもつ細胞である。ヒトiPS細胞はヒトES細胞に比べ倫理的な問題が少なく、医薬品開発のための安定した細胞供給源として期待される。



尚、薬剤の吸収試験などに利用される腸管上皮細胞を提供するために、腸管由来の細胞から腸管の幹/前駆細胞を選択的に取得する方法が報告されている(特許文献1)。また、ALK5阻害因子を用いた多能性細胞の作製ないし維持方法が提案されている(特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem:iPS)を腸管上皮細胞へ分化誘導する方法及びその用途に関する。本出願は、2013年2月26日に出願された日本国特許出願第2013-36434号に基づく優先権を主張するものであり、当該特許出願の全内容は参照により援用される。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程(1)~(3)を含む、人工多能性幹細胞を腸管上皮細胞へ分化誘導する方法:
(1)人工多能性幹細胞を内胚葉様細胞へと分化させる工程;
(2)工程(1)で得られた内胚葉様細胞を腸管幹細胞様細胞へと分化させる工程;
(3)工程(2)で得られた腸管幹細胞様細胞を腸管上皮細胞様細胞へと分化させる工程であって、MEK1阻害剤、DNAメチル化阻害剤及びTGFβ受容体阻害剤からなる群より選択される一以上の化合物とEGFの存在下での培養を含む工程。

【請求項2】
工程(3)の前記培養を、MEK1阻害剤、DNAメチル化阻害剤、TGFβ受容体阻害剤及びEGFの存在下で行う、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
工程(3)の前記培養の期間が7日間~30日間である、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
MEK1阻害剤がPD98059であり、DNAメチル化阻害剤が5-アザ-2’-デオキシシチジンであり、TGFβ受容体阻害剤がA-83-01である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
工程(1)における分化誘導因子としてアクチビンAを用いる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
工程(2)における分化誘導因子としてFGF2を用いる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
工程(3)が、以下の工程(3-1)及び(3-2)からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法:
(3-1)工程(2)で得られた腸管幹細胞様細胞をGSK阻害剤及び/又はBMP阻害剤とEGFの存在下で培養する工程;
(3-2)工程(3-1)に続いて、MEK1阻害剤、DNAメチル化阻害剤及びTGFβ受容体阻害剤からなる群より選択される一以上の化合物とEGFの存在下で培養する工程。

【請求項8】
工程(3-1)の培養期間は3日間~14日間であり、工程(3-2)の培養期間は3日間~21日間である、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
GSK阻害剤がGSK3iXVであり、BMP阻害剤がドルソモルフィンである、請求項7又は8に記載の方法。

【請求項10】
人工多能性幹細胞がヒト人工多能性幹細胞である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。

【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法で得られた腸管上皮細胞様細胞。

【請求項12】
請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞を用いた、被検物質の体内動態を評価する方法。

【請求項13】
以下の工程(i)~(iii)を含む、請求項12に記載の方法:
(i)請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞で構成された細胞層を用意する工程;
(ii)前記細胞層に被検物質を接触させる工程;
(iii)前記細胞層を透過した被検物質を定量し、被検物質の吸収性ないし膜透過性を評価する工程。

【請求項14】
以下の工程(I)及び(II)を含む、請求項12に記載の方法:
(I)請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞に被検物質を接触させる工程;
(II)被検物質の代謝又は吸収を測定・評価する工程。

【請求項15】
請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞を含む、細胞製剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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