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カップリング方法、及び該カップリング方法を用いた芳香族基置換複素環式化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P170014335
整理番号 (NU-0511)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2014-560631
出願日 平成25年8月7日(2013.8.7)
国際出願番号 JP2013071398
国際公開番号 WO2014122811
国際出願日 平成25年8月7日(2013.8.7)
国際公開日 平成26年8月14日(2014.8.14)
優先権データ
  • 特願2013-022729 (2013.2.7) JP
発明者
  • 伊丹 健一郎
  • 山口 潤一郎
  • 天池 一真
  • 武藤 慶
  • 瀧瀬 瞭介
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
  • 関東化學株式会社
発明の名称 カップリング方法、及び該カップリング方法を用いた芳香族基置換複素環式化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要 芳香族分子と芳香族分子とが結合した化合物群、芳香族分子とアルケン分子とが結合した化合物群等を簡便に合成することができ、ハロゲン廃棄物を生成せず、希少且つ高価なパラジウムを使用する必要がない簡便な方法(カップリング方法)を提供する。
一般式(A):Ar-Hで示される化合物(A)と、一般式(B1):ROCO-Ar’で示される化合物(B1)、一般式(B2):RCH=C(Ar”)で示される化合物(B2)、又は一般式(B3):RcOCOCH=C(Ar”)で示される化合物(B3)とを、ニッケル化合物の存在下に反応させる。
従来技術、競合技術の概要


芳香族分子と芳香族分子とが結合したビアリールと称される一連の化合物群は医農薬や有機エレクトロニクス材料分野において頻繁に活用されている。このことから、ビアリール化合物群を効率的に構築する手法の開発は化学分野において最も重要な課題のひとつとなっている。



2010年に鈴木章教授や根岸英一教授らがノーベル化学賞を受賞した「古典的」クロスカップリング法は、例えば、以下の式:



【化1】




[式中、Zは酸素原子又は硫黄原子;Ar”は芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環式基である。]
で表され、ビアリールをつくる手法として最も信頼性の高い方法であり、これまで多くの化学者によって改良が行われてきた。



しかしながら、カップリング反応を進行させるためには、
(1)芳香族化合物から数工程で調製される芳香族金属化合物をカップリングパートナーに用いる必要があるため、工程が煩雑である、
(2)ハロゲン化合物をもう片方のカップリングパートナーに用いる必要があるため、ハロゲン廃棄物を生成してしまう、
(3)希少且つ高価なパラジウムを触媒として用いる必要がある、
等の制約があり、いまだに解決すべき課題が多いのが現状である。



一方、前記した鈴木章教授、根岸英一教授、リチャード・ヘック教授の開発した触媒反応は、芳香族分子とアルケン分子とを、以下の式:



【化2】




[式中、Xはハロゲン原子;R’は置換基である。]
により、パラジウム触媒を用いて連結することが可能である。この反応により得られる芳香族-アルケン結合分子は、有機色素、医農薬、生物活性分子、有機エレクトロニクス材料等様々な用途に用いられている。



従来は、芳香族分子の目印としてハロゲン原子、アルケン分子の目印として水素原子が使用されており、近年これらの目印や触媒を変えた新しいカップリング反応が開発されてはいるが、やはり、
(1)芳香族化合物として、ハロゲン化合物や金属化合物をカップリングパートナーに用いる必要があるため、環境に悪影響が懸念されるハロゲン廃棄物や金属廃棄物を生成してしまう、
(2)希少且つ高価なパラジウムやロジウム等を触媒として用いる必要がある、
等の制約があり、いまだに解決すべき課題が多いのが現状である。



現在、上記の要素をよりグリーンで環境低負荷型のものとする「新しい次世代型カップリング反応」の開発が、本発明者らを含めて世界中で熾烈な競争が行われている。

産業上の利用分野


本発明は、カップリング方法、及び該カップリング方法を用いた芳香族基置換複素環式化合物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
Ar-Ar’
[式中、Ar及びAr’は同じか又は異なり、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基;Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
又は一般式(2):
【化1】


[式中、Ar及び2個のAr”は同じか又は異なり、Arは前記に同じ;Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く)。]
で示される化合物の製造方法であって、
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは前記に同じである。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【化2】


[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【化3】


[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させる反応工程
を備える、製造方法。

【請求項2】
前記Arが、一般式(a):
【化4】


[式中、Y12C又は13C;Zは酸素原子又は硫黄原子;R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、置換されていてもよいアミノ基;RとRは互いに結合し、隣接する-C=C-とともに芳香環を形成してもよい。]
で示される基である、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記Ar’が、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、Zが硫黄原子のときは複素環式基)である、請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記Ar”が、水素原子、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、Zが硫黄原子のときは水素原子又は複素環式基)であり、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。

【請求項5】
前記一般式(B1)におけるRが、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。

【請求項6】
前記一般式(B2)におけるRが、Rb1CO-(Rb1は置換基)、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。

【請求項7】
前記一般式(B3)におけるRが、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。

【請求項8】
前記ニッケル化合物の使用量が、化合物(A)1モルに対して、0.01~1モルである、請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。

【請求項9】
さらに、前記反応工程において、配位子を使用する、請求項1~8のいずれかに記載の製造方法。

【請求項10】
前記配位子が、一般式(C1):
【化5】


[式中、4個のRは同じか又は異なり、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;nは2~20の整数;ただし、Rの1つ以上が芳香族炭化水素基であるときはnは3~20の整数である。]
で示される化合物(C1)、
一般式(C2):
【化6】


[式中、3個のRは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20の直鎖炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;ただし、全てのRがフェニル基である場合を除く。]
で示される化合物(C2)、又は
一般式(C3):
【化7】


[式中、2個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。]
で示される化合物(C3)
である、請求項9に記載の製造方法。

【請求項11】
配位子の使用量が、ニッケル化合物1モルに対して、0.5~5モルである、請求項9又は10に記載の製造方法。

【請求項12】
さらに、前記反応工程において、塩基を使用する、請求項1~11のいずれかに記載の製造方法。

【請求項13】
前記塩基が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩若しくはカルボン酸塩、又はアミンである、請求項12に記載の製造方法。

【請求項14】
さらに、前記反応工程において、溶媒を使用する、請求項1~13のいずれかに記載の製造方法。

【請求項15】
前記溶媒が、芳香族炭化水素類、エステル類、環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アミド類、ニトリル類、炭素数3~20のアルコール類、ジメチルスルホキシド、又はN-メチルピロリドンである、請求項14に記載の製造方法。

【請求項16】
前記反応工程における反応温度が80~200℃である、請求項1~15のいずれかに記載の製造方法。

【請求項17】
前記反応工程における反応時間が1~50時間である、請求項1~16のいずれかに記載の製造方法。

【請求項18】
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【化8】


[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【化9】


[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させることを特徴とする、カップリング方法。

【請求項19】
請求項1~17のいずれかに記載の製造方法により得られる、
下記の式:
【化10】


で示される化合物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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