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シアノバクテリアにおける完全暗所従属栄養能に関連する遺伝子及びその利用 NEW コモンズ

国内特許コード P170014341
整理番号 (NU-0539,S2014-0656-N0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2016-507766
出願日 平成27年3月10日(2015.3.10)
国際出願番号 JP2015057046
国際公開番号 WO2015137352
国際出願日 平成27年3月10日(2015.3.10)
国際公開日 平成27年9月17日(2015.9.17)
優先権データ
  • 特願2014-046585 (2014.3.10) JP
発明者
  • 藤田 祐一
  • 平出 優人
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 シアノバクテリアにおける完全暗所従属栄養能に関連する遺伝子及びその利用 NEW コモンズ
発明の概要 【課題】シアノバクテリアにおいて完全暗所従属栄養能を付与したり当該栄養能を向上させることができるのに用いることができる完全暗所従属栄養能に関連する遺伝子及びその利用を提供する。
【解決手段】シアノバクテリアを、シトクロムcMタンパク質をコードするcytM遺伝子を不活性化するように形質転換する。この遺伝子の不活性化により、シアノバクテリアは、完全暗所従属栄養能が付与されるかあるいは増強される。
従来技術、競合技術の概要


シアノバクテリアは、藍藻(ラン藻)類とも称され、光合成独立栄養細菌である。シアノバクテリアの高い光合成能力を利用し、遺伝子改変によりバイオ燃料や有用化学物質などの有機化合物生産への適用が期待されている。



シアノバクテリアは、高い光合成能力を有する一方、暗所での従属栄養能が必ずしも高くない。日中の太陽光などの天然光源を利用してシアノバクテリアに光合成を行わせようとするとき、夜間や曇天下で十分な太陽光等がないときには増殖速度が低下し、その結果、全体として有用物質の生産能が低下する可能性がある。その反面、むしろ、有用物質生産能が暗所において上昇する場合もある。



シアノバクテリアとしては、Synechocystissp. PCC 6803が標準株として知られている。このシアノバクテリアは、完全に暗所に保つと生育できず、1日10分程度の光照射を要求する(この現象を、"Light-Activated Heterotrophic Growth"(LAHG)ともいう。)。一方、シアノバクテリアとしてLeptolyngbya boryana(L. boryana)(Plectonema boryanumともいう。)がある。L. boryanaは、シアノバクテリアの分類ではセクションIIIのグループに属しており、形態的には分岐していない糸状性で、ヘテロシストと呼ばれる窒素固定専門の細胞を分化しないタイプのシアノバクテリアである。L. boryanaは、Synechocystis sp. PCC 6803とは異なり、完全な暗所であってもグルコースなどの糖があれば従属栄養的に生育することが知られている。また、より完全暗所従属栄養能のより高い、すなわち、暗所でより早く増殖する変異株も単離されている(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本明細書は、シアノバクテリアにおける完全暗所従属栄養能に関連する遺伝子及びその利用に関する。
本出願は、2014年3月10日に出願された日本国特許出願である特願2014-046585の関連出願であり、この日本出願に基づく優先権を主張するものであり、その全ての記載内容を援用するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
シトクロムcMタンパク質をコードするcytM遺伝子の不活性化を備える、シアノバクテリア形質転換体。

【請求項2】
前記不活性化は、前記cytM遺伝子の破壊又は活性が低下した前記タンパク質をコードする変異の導入である、請求項1に記載の形質転換体。

【請求項3】
前記不活性化は、前記cytM遺伝子が配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする変異である、請求項1又は2に記載の形質転換体。

【請求項4】
前記cytM遺伝子は、以下のいずれかに記載のタンパク質;
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シトクロムcMタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し、シトクロムcMタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(d)配列番号1で表される塩基配列でコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質
(e)配列番号1で表される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列によってコードされるタンパク質であって、シトクロムcMタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードする、請求項1~3のいずれかに記載の形質転換体。

【請求項5】
光合成独立栄養能と完全暗所従属栄養能とを備える、請求項1~4のいずれかに記載の形質転換体。

【請求項6】
さらに、有用物質を生産するための外来遺伝子を備える、請求項1~5のいずれかに記載の形質転換体。

【請求項7】
シトクロムcMタンパク質をコードするcytM遺伝子の不活性化を付与するポリヌクレオチドを含む、シアノバクテリアに従属栄養能を付与するための形質転換ベクター。

【請求項8】
前記不活性化は、前記cytM遺伝子の破壊又は活性が低下した前記タンパク質をコードする変異の導入である、請求項7に記載の形質転換ベクター。

【請求項9】
請求項1~6のいずれかに記載の形質転換体の製造方法であって、
シアノバクテリアに、シトクロムcMタンパク質をコードするcytM遺伝子の不活性化を付与するポリヌクレオチドで形質転換する工程、
を備える、製造方法。

【請求項10】
前記不活性化は、前記cytM遺伝子の破壊又は活性が低下した前記タンパク質をコードする変異の導入である、請求項9に記載の製造方法。

【請求項11】
前記形質転換工程は、前記ポリヌクレオチドをエレクトロポレーションで前記シアノバクテリアに導入する、請求項9又は10に記載の製造方法。

【請求項12】
請求項1~6のいずれかに記載の形質転換体を培養する工程、
を備える、シアノバクテリアの培養産物の生産方法。

【請求項13】
前記培養工程は、暗所での培養を含む、請求項12に記載の生産方法。

【請求項14】
請求項1~6のいずれかに記載の形質転換体を暗所で培養する工程、
を備える、シアノバクテリアの培養方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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