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脂質代謝改善剤 NEW

国内特許コード P170014359
整理番号 S2016-0145-N0
掲載日 2017年6月30日
出願番号 特願2015-232296
公開番号 特開2017-095428
出願日 平成27年11月27日(2015.11.27)
公開日 平成29年6月1日(2017.6.1)
発明者
  • 塩見 雅志
  • 小川 和男
出願人
  • 国立大学法人神戸大学
発明の名称 脂質代謝改善剤 NEW
発明の概要 【課題】4-置換安息香酸誘導体(I)を含む脂質代謝改善剤の提供。
【解決手段】4-置換安息香酸誘導体(I)及び水溶性高分子物質からなる固体分散体である脂質代謝改善剤。



【効果】前記脂質代謝改善剤は小腸でコレステロール等の吸収に関与するNPC1L1の発現を抑制し、小腸から肝臓へのコレステロール循環を抑制する。既存の脂質低下剤と作用機序が異なることから、本発明の脂質代謝改善剤はスタチンやMTP阻害剤との併用投与が期待できる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


上記の一般式(I)で表される4-置換安息香酸誘導体及びその塩は、脂肪酸生合成阻害作用、コレステロール合成阻害作用及びリポプロテイン(a)(Lp(a))低下作用を有しており、高トリグリセライド(TG)血症、高コレステロール血症のような高脂血症、動脈硬化症などの予防・治療剤として有用であり、錠剤やカプセル剤などの医薬製剤が知られている(特許文献1-3)。また、一般に、難水溶性の薬物を水溶性高分子に分散せて固体分散体(solid dispersion: SD)とすることにより、該薬物の水に対する溶解性や吸収性を改善することも知られている。なお、固体分散体とは、不活性担体中に薬物が微細又は非結晶状態で分散した状態になったものをいう。



例えば、プランルカスト水和物を、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体を用いて固体分散体とすることにより、水に対する溶解性及び生物学的利用率を高めることが知られている(特許文献4)。同様に、水溶性高分子物質を用いて、種々の難水溶性薬物を固体分散体とすることにより、該薬物の水に対する溶解性や経口吸収性を改善することも知られている(特許文献5-6、非特許文献1ー2)。しかしながら、上記の4-置換安息香酸誘導体(I)及びその塩については、これらを固体分散体とすることによる、水に対する溶解性を改善することは知られていなかった。



また、高コレステロール血症、糖尿病、高血圧症などの因子を有していないにもかわらず、高Lp(a)血症の因子を有する場合には、動脈硬化性疾患の発症率が極めて高くなることが知られており、Lp(a)は動脈硬化を惹き起こす因子の一つであるとされている。例えば、血中総コレステロール値が正常であっても、Lp(a)値が高い場合には、冠動脈疾患の発症率が高くなることが知られている(非特許文献3)。



動物モデルとしては、1973年に高脂血症を示す突然変異ウサギとしてWHHLウサギが発見され、その後系統として確立されており、脂質代謝や動脈硬化の研究に大きく貢献した。さらに、WHHLウサギから心筋梗塞を自然発症するモデル動物であるWHHLMIウサギが開発され、加齢による動脈硬化の進行、動脈硬化・心筋梗塞発生予防試験等の各種試験に使用されている(非特許文献4)。
WHHLMIウサギは、高コレステロール血症(LDL受容体の異常)、動脈硬化(冠動脈、大動脈、頸動脈等)、心筋梗塞、黄色腫(皮膚と関節)、メタボリックシンドローム類似所見等の薬効評価に優れており、コレステロール合成阻害剤(スタチン)の開発にも貢献した(非特許文献5)。



脳梗塞、心疾患の発症の背景には、内臓脂肪の蓄積を基にして、脂質代謝異常、高血圧症、高血糖など、複数の危険因子が重複して存在している。そのうちの、脂質代謝異常は、血液中に含まれる脂質が過剰、若しくは不足している状態をいう。脂質が過剰となる場合には、食品中のコレステロールや飽和脂肪酸などが誘発因子となるが、遺伝によって発症する原発性、甲状腺機能低下症や肝臓病、腎臓病、糖尿病などが原因になる場合もある。主な脂質異常症治療薬として、スタチン系製剤が挙げられる。低リスク患者群においては、スタチン系製剤のコレステロール降下目標は比較的良好であるが、高リスク患者や心血管イベントの2次予防群では、目標値の達成には不十分と考えられる。新たな薬剤の開発が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、「4-置換安息香酸誘導体又はその医薬的に許容される塩及び水溶性高分子物質を含む固体分散体」を有効成分として含む脂質代謝改善剤に関する。より詳細には一般式(I):
【化1】



(式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲン置換低級アルコキシ基、又はハロゲン、低級アルキルもしくは低級アルコキシで置換されたアリールオキシ基を意味する)で表される4-置換安息香酸誘導体又はその医薬的に許容される塩及び水溶性高分子物質を含む固体分散体を有効成分として含む脂質代謝改善剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I):
【化1】



(式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲン置換低級アルコキシ基、又はハロゲン、低級アルキルもしくは低級アルコキシで置換されたアリールオキシ基を意味する)で表される4-置換安息香酸誘導体又は医薬的に許容されるその塩、及び水溶性高分子物質を含む固体分散体を有効成分として含む、脂質代謝改善剤。

【請求項2】
4-置換安息香酸誘導体の医薬的に許容される塩が、アルギニン塩又はリジン塩である、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項3】
水溶性高分子物質が、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ポリオキシエチンポリオキシプロピレングリコール、ポリビニルカプトラクタム・ポリ酢酸ビニル・ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群から選択される請求項1又は2に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項4】
一般式(I)におけるRが低級アルキル基である、請求項1~3のいずれかに記載の脂質代謝改善剤。

【請求項5】
低級アルキル基がt-ブチル基である、請求項4に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項6】
4-置換安息香酸誘導体(I)が、4-[1-(4-t-ブチルフェニル)-2-ピロリドン-4-イル]メトキシ安息香酸、又はS-(+)-4-[1-(4-t-ブチルフェニル)-2-ピロリドン-4-イル]メトキシ安息香酸である、請求項1~5のいずれかに記載の脂質代謝改善剤。

【請求項7】
脂質代謝改善剤が、高脂血症改善剤、メタボリックシンドローム改善剤、脂肪肝改善剤、脂質代謝改善に伴う心血管疾患改善剤、抗アテローム性動脈硬化剤、抗黄色腫剤、抗肥満剤から選択されるいずれかである、請求項1~6のいずれかに記載の脂質代謝改善剤。

【請求項8】
高脂血症改善剤が、家族性II型高脂血症改善剤、家族性IV型高脂血症改善剤、食後高脂血症改善剤から選択されるいずれかである、請求項7に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項9】
脂肪肝改善剤が、肝臓でのFAS発現抑制剤、肝臓でのCYP7A1発現亢進剤、肝臓含有脂肪量の減少剤から選択されるいずれかである、請求項7に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項10】
メタボリックシンドローム改善剤が、内臓脂肪の蓄積抑制剤である、請求項7に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項11】
脂質代謝改善に伴う心血管疾患改善剤が、心臓周囲脂肪の蓄積抑制剤である、請求項7に記載の脂質代謝改善剤。

【請求項12】
抗肥満剤が、体重減少剤である、請求項7に記載の脂質代謝改善剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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