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屈折率補正法、距離測定法及び距離測定装置

国内特許コード P170014361
整理番号 S2016-0100-N0
掲載日 2017年6月30日
出願番号 特願2015-220789
公開番号 特開2017-090259
出願日 平成27年11月10日(2015.11.10)
公開日 平成29年5月25日(2017.5.25)
発明者
  • 美濃島 薫
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 屈折率補正法、距離測定法及び距離測定装置
発明の概要 【課題】空気屈折率の補正を行う光学系のスペースを抑え、且つ光学的距離の測定精度を高めることが可能な屈折率補正法を提供する。
【解決手段】互いに異なる周波数で且つ所定の周波数間隔で分布するスペクトルを二以上含む光周波数コムを測定領域中で伝搬させる工程と、二以上の前記スペクトルの搬送波を前記測定領域中で伝搬させた際の第一光学的距離を測定し、二以上の前記スペクトルの包絡線を構成する波束を前記測定領域中で伝搬させた際の第二光学的距離を測定する工程と、前記第一光学的距離と前記第二光学的距離との第一光学的距離差を得る工程と、前記第一光学的距離に基づいて算出される第一屈折率又は前記第二光学的距離に基づいて算出される第二屈折率を前記第一光学的距離差に基づいて補正する工程と、を備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


距離を測定する方法の一つに、光波を用いた距離測定法がある。光波を用いた距離測定法によって求められる幾何学的距離Lと、実際に測定値として得られる光学的距離Lと、光波が伝搬した測定領域中の屈折率nとの間には、(1)式に示す関係が成り立つ。



【数1】




測定領域中が真空であれば、屈折率n=1(一定)となる。測定領域が空気環境下である場合には、屈折率n(以下、空気屈折率という場合がある)は、気温、気圧や湿度等の環境パラメータに依存する。空気屈折率nは、Edlenの経験式やCiddorの経験式から導出されることが知られている。



実際には、環境パラメータは時間的・空間的に変動しているため、その変動に伴い空気屈折率も変動する。従って、空気屈折率を正確に求めるためには、環境パラメータを時間的・空間的に細かく測定し、前記経験式に基づき、環境パラメータの測定値を用いて空気屈折率を随時補正する必要がある。ところが、環境パラメータを細かく測定するために、測定領域中における温度計や気圧計等の計測器の数を増やすとなると、測定領域中の環境状態の推定の複雑化や、設置作業量及び設置費用の増大等を招く。また、測定領域が地上と衛星等の飛行物との間である場合のように、そもそも測定領域内に予め環境パラメータを測定する計測器を設置すること自体が難しい場合もある。



上述した状況等もあって、環境パラメータを測定する計測器を設置しなくても空気屈折率をより正確に補正する方法が求められていた。
このような方法の一つに、所謂、「2色法」と呼ばれる方法がある。2色法は、互いに異なる波長の二つの光を用いて、各波長における光学的距離を同時に測定することで、それらの光学的距離の差を用いて空気屈折率を補正する方法である。近年では、測定技術の進展も伴い、2色法による地殻歪みの精密計測や、前記経験式との高精度な比較等も実現されている。



2色法では、互いに異なる波長の二つの光を用いた光学的距離の測定を高精度に行うことが重要であり、高安定且つ高分解能なレーザー光源及び測定方法が必要となる。この点をふまえ、光源として光周波数コム光源を用い、測定方法として干渉計測法を採用した2色法が提案されている。
例えば、特許文献1には、光周波数コム光源を用い、この光周波数コム光源から発せられた第一の光パルスとその第二高調波として生成された第二の光パルスとを用いて、各々の光パルスにおいて同一パルス列に属する異なるパルス同士の干渉計測を行い、空気屈折率の自己補正を行う空気屈折率補正法が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、屈折率補正法、距離測定法及び距離測定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定領域中を第一速度で伝搬する第一波と、前記第一波の中心波長と同一の中心波長であり、且つ前記測定領域中を前記第一速度とは異なる第二速度で移動する第二波と、を同一の光源から前記測定領域中に出射する工程と、
前記第一波を前記測定領域中で伝搬させた際の第一光学的距離と、前記第二波を前記測定領域中で伝搬させた際の第二光学的距離とをそれぞれ測定する工程と、
前記第一光学的距離と前記第二光学的距離との光学的距離差を得る工程と、
前記第一光学的距離に基づいて算出される第一屈折率又は前記第二光学的距離に基づいて算出される第二屈折率を前記光学的距離差に基づいて補正する工程と、
を備える屈折率補正法。

【請求項2】
前記光源とは、互いに異なる周波数で且つ所定の周波数間隔で分布するスペクトルを二以上含む第一光周波数コムを発する第一光周波数コム光源であり、
前記第一波とは、二以上の前記スペクトルの搬送波であり、
前記第二波とは、二以上の前記スペクトルの包絡線を構成する波束であって、
前記第一光学的距離と前記第二光学的距離とをそれぞれ測定する工程において、
前記搬送波の位相差屈折率に基づいて前記第一光学的距離を測定し、前記波束の群屈折率に基づいて前記第二光学的距離を測定する請求項1に記載の屈折率補正法。

【請求項3】
前記第一波の中心波長と前記第二波の中心波長との何れとも異なる中心波長の第三波を前記測定領域中で伝搬させる工程と、
前記第三波を前記測定領域中で伝搬させた際の第三光学的距離を測定する工程と、
前記第一光学的距離又は前記第二光学的距離と前記第三光学的距離との第二光学的距離差を得る工程と、
をさらに備え、
前記第一屈折率又は前記第二屈折率を補正する工程に替えて、
前記第一屈折率又は前記第二屈折率を前記第一光学的距離差及び前記第二光学的距離差に基づいて補正する工程と、
を備える請求項1に記載の屈折率補正法。

【請求項4】
前記第三波とは、互いに異なる周波数で且つ所定の周波数間隔で分布するスペクトルを二以上含み、且つ前記第一波の中心波長と前記第二波の中心波長との何れとも異なる中心波長を有する第二光周波数コムの二以上の前記スペクトルの搬送波及び前記第二光周波数コムの二以上の前記スペクトルの包絡線を構成する波束のうち少なくとも一方である請求項3に記載の屈折率補正法。

【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の屈折率補正法を用いた距離測定法であって、
前記第一光学的距離差に基づいて前記測定領域内に存在する測定対象の形状を示す幾何学的距離を算出する工程を備える距離測定法。

【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載の屈折率補正法を用いた距離測定法であって、
前記第一光学的距離差及び前記第二光学的距離差に基づいて前記測定領域内に存在する測定対象の形状を示す幾何学的距離を算出する工程を備える距離測定法。

【請求項7】
測定領域中を第一速度で伝搬する第一波と、前記第一波の中心波長と同一の中心波長であり、且つ前記測定領域中を前記第一速度とは異なる第二速度で移動する第二波と、を出射する光源と、
前記光源から出射した前記第一波同士を干渉させる第一干渉部と、
前記光源から出射した前記第二波同士を干渉させる第二干渉部と、
前記第一干渉部において干渉した前記第一波同士の第一干渉縞を取得し、取得した前記第一干渉縞の間隔に基づいて前記第一光学的距離を測定する第一光学的距離測定部と、
前記第二干渉部において干渉した前記第二波同士の第二干渉縞を取得し、取得した前記第二干渉縞の間隔に基づいて前記第二光学的距離を測定する第二光学的距離測定部と、
前記第一光学的距離と前記第二光学的距離との差を得る光学的距離差算出部と、
前記第一光学的距離と前記第二光学的距離との差に基づいて前記測定領域内に存在する測定対象の形状を示す幾何学的距離を算出する幾何学的距離算出部と、
を備える距離測定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015220789thum.jpg
出願権利状態 公開


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