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ドーム型結合力維持具を備えたアンカースクリュー装置 UPDATE

国内特許コード P170014370
整理番号 S2016-0081-N0
掲載日 2017年6月30日
出願番号 特願2015-226756
公開番号 特開2017-093627
出願日 平成27年11月19日(2015.11.19)
公開日 平成29年6月1日(2017.6.1)
発明者
  • 宮脇 正一
  • 友成 博
  • 國則 貴玄
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 ドーム型結合力維持具を備えたアンカースクリュー装置 UPDATE
発明の概要 【課題】アンカースクリューを埋入させる骨の表面に凹凸や傾きがあるときにも、結合力維持具の各脚部の先端を皮質骨に均一に食い込ませられるようにする。
【解決手段】ドーム型結合力維持具2は、アンカースクリュー1のスクリュー部4を挿通させる穴10が形成され、穴10の周囲が円弧面11をなすように下がるドーム形状の座部9と、座部9につながってアンカースクリュー1のねじ込み方向に延伸する複数本の脚部12とを有する。シリコーンリング3は、アンカースクリュー1のフランジ部7とドーム型結合力維持具2の座部9との間に挟み込むように配置される。アンカースクリュー1を骨にねじ込むと、フランジ部7がシリコーンリング3を介して座部9で受け止められて、脚部12の先端が骨に圧接して皮質骨に食い込み、その状態から、シリコーンリング3の付勢力が座部9の円弧面11に作用することにより、脚部12の先端が皮質骨にさらに食い込む。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


歯科矯正治療において、矯正力により目的の歯を移動させるためには、その矯正力に抗する固定源が必要となる。通常、固定源として、他の歯(大臼歯等)、頭部や頸部等が用いられてきた。
しかしながら、他の歯を固定源とする場合、動かしたくない歯が移動してしまうことがあるという欠点があった。また、頭部や頸部を固定源とする場合は、ヘッドギア等の装置を装着しなければ効果がないため、患者の協力が不可欠であるという欠点があった。



Bra・・nemark(a・・はaの上に・・がある表記とする)らによって強固な骨結合(osseo-integration)を示す生体親和性の高いチタン製の人工歯根(デンタルインプラント)が開発されて以降、それを絶対的固定源として用いた歯科矯正治療が1960年代に考案され、利用されるようになってきた。
しかしながら、チタン製のデンタルインプラントは、極めて高価であり埋入部位が限られていることに加え、外科的侵襲が大きく、さらに、強固に骨と結合しているので埋入後には撤去が難しく、一時的に用いるための加強固定としては使用しにくい等の理由から、近年では、骨折等の治療で骨片の固定に用いられていたスクリューを固定源に用いた歯科矯正治療が行われるようになってきた(例えば特許文献1や特許文献2を参照)。この技術は、口腔内の例えば顎骨、歯槽骨、頬骨、口蓋骨(以下、「顎骨等」と記す)に歯科矯正用アンカースクリュー(以下、アンカースクリューと呼ぶ)を埋入、固定して、このアンカースクリューにプレートやワイヤーを支持させて固定するものである。
アンカースクリューを用いることにより、外科的侵襲が小さく、患者の不快症状も少なくすることができる。最近では、埋入がより容易に行えるセルフドリリング(予め骨に穴をあけず、直接スクリューを埋入できるもの)タイプが主流となってきている。



しかしながら、アンカースクリューは埋入時、歯槽骨内の歯根と歯根の狭いスペースに正確に埋入する必要があるため、常に歯根に接触する危険性をはらんでいる。また、埋入部位や適応症例の制限、歯根への損傷、高度な診断と埋入技術の必要性、約15%は脱落する等の欠点がある。アンカースクリューが脱落する原因として、アンカースクリューの形態や熟練を要する埋入時の操作等に加え、顎骨等内でのアンカースクリューと歯根との接触が挙げられている。特にアンカースクリューの長さを長くすると、顎骨等の皮質骨(骨の表面1~3mm程度の部分)を貫通して海綿骨に入っていく部分が長くなるため、脱落の主な原因となる歯根に接触する危険性が増す。
また、埋入の成功率を高めるためには、アンカースクリューと顎骨等の皮質骨との間の物理的な接触面積を増加させて結合力を増加させることが考えられるが、アンカースクリューの直径を大きくすると、脱落の主な原因となる歯根に接触する危険性が増すことに加え、セルフドリリングの際の埋入時のトルクが増して、皮質骨に亀裂が走るおそれもある。



そのため、従来のアンカースクリューを用いる場合、歯根との接触を避けるために、埋入時に安全な位置や挿入角度を決定する必要があり、CT等の高額な画像検査やこれに伴う放射線被爆、さらに、高度な診断技術や高度な治療技術が必要となる欠点もあった。
また、混合歯列期の患者(子供)に対しては、永久歯の歯胚が歯槽骨内に存在することから、通常の術式でアンカースクリューを埋入すると歯胚を傷つけるため、従来のアンカースクリューを用いることができなかった。そのため、平成24年9月に日本矯正歯科学会が作成した歯科矯正用アンカースクリューのガイドラインでは、適応年齢については、原則として成人又は永久歯列完成後の成長晩期の若年者に限定されている。
アンカースクリューの安定性を獲得するために、例えば顎骨等の皮質骨と海綿骨に触れるネジの部分のピッチを変えたアンカースクリュー等も考案されている。このように成功率を向上させる試みが行われてきているが、口蓋以外の部位において約15%は脱落するというデータもあり、未だ解決方法は得られていない。
以上のようにアンカースクリューの埋入後の安定性を得るためには、ある程度の長さと直径が求められるが、その反面、歯根との接触や結合力の低下を招くおそれがあり、これらはトレードオフの関係にある。そのため、従来のアンカースクリューは改良が進んでいるにもかかわらず、未だ埋入可能領域の制限があり、脱落や破折のリスクが払拭できないでいるのが現状である。

産業上の利用分野


本発明は、例えば歯科矯正治療に利用して好適なドーム型結合力維持具を備えたアンカースクリュー装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
骨に埋入させるスクリューと、
前記スクリューを前記骨に埋入させた状態で該スクリューの維持力を増強するためのドーム型結合力維持具と、
前記ドーム型結合力維持具に付勢力を与える付勢部材とを備え、
前記ドーム型結合力維持具は、前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記穴の周囲が円弧面をなすように下がるドーム形状の座部と、前記座部につながって前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部とを有し、
前記付勢部材は、前記スクリューのスクリュー部を挿通させることのできる円環形状であり、前記スクリューの前記スクリュー部の上部に位置する大径部と、前記ドーム型結合力維持具の前記座部との間に挟み込むように配置され、
前記スクリューの前記スクリュー部を前記ドーム型結合力維持具の前記穴に挿通させた状態で前記骨にねじ込むと、前記大径部が前記付勢部材を介して前記座部で受け止められて、前記複数本の脚部の先端が前記骨に圧接して皮質骨に食い込み、その状態から、前記付勢部材の付勢力が前記座部の前記円弧面に作用することにより、前記各脚部の先端が前記皮質骨にさらに食い込むようにしたことを特徴とするアンカースクリュー装置。

【請求項2】
前記付勢部材は樹脂製のリング、又はバネ部材であることを特徴とする請求項1に記載のアンカースクリュー装置。

【請求項3】
前記ドーム型結合力維持具の前記各脚部は外側に広がるように延伸する形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカースクリュー装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015226756thum.jpg
出願権利状態 公開
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