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新規なアズレニル化合物

国内特許コード P170014462
整理番号 H26-044
掲載日 2017年7月19日
出願番号 特願2015-248760
公開番号 特開2017-114779
出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
公開日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明者
  • 村藤 俊宏
  • 岡 由里絵
  • 岡崎 幸平
  • 垰 圭介
  • 上條 真
  • 石黒 勝也
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 新規なアズレニル化合物
発明の概要 【課題】微量のペプチドやタンパク質等のアミノ酸配列を決定する方法の提供、並びに該方法に適したエドマン試薬として使用できる化合物、具体的には、UV吸光度が大きく、ペプチドと効率よく反応する化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表されるアズレニルイソチオシアネート化合物。



(Rは各々独立にハロゲン原子、C1~10のアルキル基、C1~10のアルコキシ基、C2~10のアルケニル基、C2~10のアルキニル基、C3~10のシクロアルキル基、C6~10のアリール基又はヘテロアリール基;nは0~7の整数;特にRがC1-10のアルキル基であることが好ましく、炭素3,5、8の位置の1以上に置換基を有することが更に好ましい。)
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


新規タンパク質やペプチドのアミノ酸配列情報を得ることや、タンパク質やペプチドを同定すること等のために、タンパク質やペプチドのアミノ酸配列の決定が必要である。ペプチドのアミノ酸配列の決定法には、N末端からアミノ酸配列を決定する方法として、ジニトロフェニル化法、エドマン分解法、C末端からアミノ酸配列を決定する方法として、ヒドラジン分解法、カルボキシペプチダーゼ法が知られている。中でも、エドマン分解法の原理を利用した分析が、アミノ酸配列の決定によく利用されている。



エドマン分解では、フェニルイソチオシアネート等のイソチオシアネート化合物とペプチドとを弱アルカリ条件下で反応させることにより、N-末端アミノ酸がチオカルバモイル体を形成し、該チオカルバモイル体を酸処理すると、環化しながらアミド結合が切断され、チオヒダントイン誘導体が得られる。該チオヒダントイン誘導体をHPLC等により検出することで、N末端のアミノ酸を同定することができる。さらに、N末端の1残基アミノ酸が切断されたペプチドに対し、上記のエドマン分解を順次繰り返すことにより、アミノ酸配列を決定することができる。



エドマン分解を利用したアミノ酸配列の決定においては、フェニルイソチオシアネートがよく用いられているが、反応効率が悪く、生成したチオヒダントイン誘導体をUV吸収で検出する際の感度も低いという問題がある。特に、試料のペプチドが微量である場合には、エドマン分解により生成するチオヒダントイン誘導体を高感度で検出できる方法が求められている。そのため、フェニルイソチオシアネートに代わるエドマン試薬として使用できる化合物が必要とされ、研究されている。例えば、フェニルイソチオシアネート以外のエドマン試薬として使用できる化合物として、4-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)-7-イソチオシアナト-2,1,3-ベンゾオキサジアゾール(DBD-NCS)がある(非特許文献1)。



一方、本発明者らは、アズレン又はアズレン誘導体に置換基を導入する方法を開発しており、アズレン骨格の1位にヨウ素を導入する方法(特許文献1)やアズレン骨格の2位にホウ素化合物を導入する方法(特許文献2)を報告している。アズレン又はアズレン誘導体は、特異な電子状態を有し、アズレン骨格をポルフィリンやフタロシアニン等のπ電子系化合物に導入すると物理化学特性が大きく変化することから、二光子吸収材料の改良等、有機電子材料の改質手段として近年注目されている。また、アズレン誘導体のグアイアズレン類は結膜炎や口腔・咽頭疾患、ヘリコバクターピロリ菌による消化器系疾病等の治療薬としても知られている。しかし、アズレン骨格を有するイソチオシアネート化合物は知られておらず、アズレン骨格を有する化合物がエドマン試薬として使用できることも知られていない。

産業上の利用分野


本発明は、エドマン分解に用いられる新規なアズレニル化合物に関し、さらに詳しくは、UV吸光度が大きく、ペプチドとの反応においてN末端の位置選択的に反応が進行する新規なアズレニルイソチオシアネート化合物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(1)で表される化合物。
【化1】


(式中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基であり、
nは0~7いずれかの整数であり、nが2以上の場合は、各Rは、同じであっても異なっていてもよい。)

【請求項2】
式(1)中、Rが、炭素数1~10のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
炭素3位、5位、8位から選択される1又は2以上の位置に置換基Rを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。

【請求項4】
式(2)で表される請求項3に記載の化合物。
【化2】



【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とするエドマン試薬。

【請求項6】
請求項1~4に記載の化合物を用いることを特徴とするエドマン分解法によるペプチドのアミノ酸配列の決定方法。

【請求項7】
式(3)で表される化合物。
【化3】


[式中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基であり、
nは0~7いずれかの整数であり、nが2以上の場合は、各Rは、同じであっても異なっていてもよく、
Xは、
【化4】



(波線は隣接する炭素原子への共有結合を表し、*は不斉中心を表す。)
から選択されるいずれかを表す。]

【請求項8】
式(3)中、Rが、炭素数1~10のアルキル基であることを特徴とする請求項7に記載の化合物。

【請求項9】
炭素3位、5位、8位から選択される1又は2以上の位置に置換基Rを有することを特徴とする請求項7又は8に記載の化合物。

【請求項10】
式(4)で表される請求項9に記載の化合物。
【化5】


(式中、Xは、請求項7と同じ定義である。)

【請求項11】
式(4)におけるXが、以下の式で表されることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
【化6】


(波線は隣接する炭素原子への共有結合を表し、*は不斉中心を表す。)
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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