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腎特異的にヒトTGFβ1を発現するトランスジェニックマウス、及び組織線維症マウスモデル用のバイオマーカー UPDATE

国内特許コード P170014536
整理番号 (S2014-1140-N0)
掲載日 2017年8月24日
出願番号 特願2016-529636
出願日 平成27年6月24日(2015.6.24)
国際出願番号 JP2015068238
国際公開番号 WO2015199144
国際出願日 平成27年6月24日(2015.6.24)
国際公開日 平成27年12月30日(2015.12.30)
優先権データ
  • 特願2014-130304 (2014.6.25) JP
発明者
  • 矢野 裕
  • ガバザ エステバン セサル
  • ガバザ コリナ
出願人
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 腎特異的にヒトTGFβ1を発現するトランスジェニックマウス、及び組織線維症マウスモデル用のバイオマーカー UPDATE
発明の概要 【課題】 腎特異的にTGFβ1を発現し、自然発症的に腎線維症を発症するTGマウスを提供すること。マウスPodocinのプロモーター領域と、その下流に配置されて発現を制御されるヒト形質転換因子β1(ヒトTGFβ1)の全遺伝子領域とを含むことを特徴とするトランスジェニックマウスによって達成される。このとき、トランスジェニックマウスは、生後15週齢から自然的に腎線維症・腎不全を発症し、生後20週~26週で死亡し始めることが好ましい。
【選択図】 図5
従来技術、競合技術の概要


糖尿病、膠原病、高血圧等の慢性疾患による腎症の悪化に伴い、血液透析を行う患者数が増加している。年間約1万人以上の患者が新たに透析を開始している。慢性疾患から腎不全に移行した血液透析患者の予後は、他疾患に比較して著しく悪いので、予後改善の対策が急務である。病気の初期段階では、炎症反応は腎障害の病態形成に重要な役割を果たす。病態が進行すると、異常な上皮及び間葉組織の反応によって線維化が起こる。組織の線維化の原因として、TGFβ1、結合組織成長因子(connective tissue growth factor(CTGF))、血小板成長因子(platelet-derived growth factor (PDGF))、炎症性サイトカイン、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド2/単球走化性タンパク質1(CCL2)、酸化剤、凝固因子を含む多くの因子が考えられている。
TGFβ1は、腎臓を含め色々な臓器での線維症及び組織修復を含めたリモデリングの発症機序における主要なサイトカインである。マクロファージ、T細胞、好酸球、好中球、好塩基球を含む多くの細胞はTGFβ1を産生する。TGFβ1は、細胞内において、関連タンパク質(latency-associated protein (LAP))に結合した非活性な形で保存される。この非活性型TGFβ1が、線維化の過程において共通して増加するカテプシン、プラスミン、カルパイン、トロンボスパンジン、インテグリン-αvβ6、メタロプロテイナーゼなどによってLAPから切り離されることで、活性型TGFβ1が放出される。遺伝子組み換え動物を用いた実験によれば、血液中の活性型TGFβ1濃度が上昇すると、単核球浸潤に伴う腎臓の線維化が誘導される。腎臓の線維症にはTGFβ1が重要な役割を担っていると考えられる。一方、重篤な腎線維症患者の血液、尿、腎組織には、活性型及び潜在型TGFβ1が高濃度に観察されている。



ヒトの臓器線維症に関する研究や臓器線維症に関する医薬品開発のために、臓器特異的にヒトTGFβ1を発現するモデル動物(例えば、マウスなど)の作成が求められている。本発明者は、長年に渡ってヒトTGFβ1の研究に取り組んでおり、肺特異的ヒトTGFβ1を発現するトランスジェニック(TG)マウスの開発に成功した(特許文献1)。
しかし、腎組織で特異的にヒトTGFβ1を発現するTGマウスの報告は認められない。このため、腎組織を含む他の臓器でもヒトTGFβ1を発現するTGマウスを用いて、腎線維症の研究を行わざるを得ない状況が続いている(非特許文献1)。
一方、組織線維症マウスモデル用のバイオマーカーが知られているが(非特許文献2)、このバイオマーカーは線維化の過程に伴う炎症の程度を示すだけであり、組織線維症の特異的なバイオマーカーではない。

産業上の利用分野


本発明は、腎特異的にヒトTGFβ1(human transforming growth factor β1;形質転換(トランスフォーミング)成長(増殖)因子ベータ1;以下、「ヒトTGFβ1」または「hTGFβ1」という)を発現するトランスジェニック(TG)マウス、及び組織線維症マウスモデル用のバイオマーカーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非ヒト哺乳類のPodocinのプロモーター領域と、その下流に配置されて発現を制御されるヒト形質転換因子β1(ヒトTGFβ1)の全遺伝子領域とを含む非ヒト・トランスジェニック哺乳類。

【請求項2】
前記非ヒト哺乳類は、マウス、ラット、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1に記載の非ヒト・トランスジェニック哺乳類。

【請求項3】
前記ヒトTGFβ1は、非活性型TGFβ1として腎臓で発現されて、細胞外で活性型TGFβ1となる請求項1または2に記載の非ヒト・トランスジェニック哺乳類。

【請求項4】
前記ヒトTGFβ1の全遺伝子領域は、7個のエキソンと6個のイントロンを含む請求項1~3のいずれか一つに記載の非ヒト・トランスジェニック哺乳類。

【請求項5】
前記非ヒト哺乳類がマウスであり、このトランスジェニックマウスは、生後15週齢から自然的に腎線維症を発症し始めることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のトランスジェニックマウス。

【請求項6】
上記トランスジェニックマウスの系統は、C57BL/6Jであることを特徴とする請求項5に記載のトランスジェニックマウス。

【請求項7】
(1)ヒトTGFβ1遺伝子を含むBACにおいて、ヒトTGFβ1遺伝子のイントロン部分に選択用カセットを組み込み、選択用遺伝子導入ヒトTGFβ1遺伝子を得る選択用遺伝子組換え工程、(2)前記選択用遺伝子導入ヒトTGFβ1遺伝子の5'-側及び3'-側に、マウスPodocinプロモーターの下流の配列に相同的な配列を導入して、修飾ヒトTGFβ1遺伝子フラグメントとする修飾工程、(3) 5'-側及び3'-側にフランキング配列を有するマウスPodocin全コード配列を含むBACにおいて、前記修飾ヒトTGFβ1遺伝子フラグメントを、前記マウスPodocinプロモーター領域の下流側に転移させて、Podocin選択用ヒトTGFβ1遺伝子フラグメントとする工程、(4)前記選択用ヒトTGFβ1遺伝子フラグメントを取り除いて、Podocin-TGFβ1 BACトランスジェニック構築物を得る工程、(5)前記Podocin-TGFβ1 BACトランスジェニック構築物からPodocin-TGFβ1遺伝子を精製し、マウス胚にマイクロインジェクションして、トランスジェニックマウスを得る工程を備えることを特徴とする請求項3または4に記載のトランスジェニックマウスの作成方法。

【請求項8】
前記修飾ヒトTGFβ1遺伝子フラグメントを作成する際に用いられるPCR反応用の一対のプライマーの塩基数は、50塩基~60塩基であることを特徴とする請求項7に記載のトランスジェニックマウスの作成方法。

【請求項9】
(1)ヒトTGFβ1を発現するトランスジェニックマウスにおいて、体液中ヒトTGFβ1濃度とCT線維症スコアとの相関関係を示すグラフから前記トランスジェニックマウスが線維症を発症する所定の体液中ヒトTGFβ1濃度であるカットオフ値を求める工程、(2)前記トランスジェニックマウスから体液を採取した後に、体液中ヒトTGFβ1濃度を測定する工程、(3)前記カットオフ値と測定された体液中ヒトTGFβ1濃度とを比較し、体液中ヒトTGFβ1濃度が前記カットオフ値以上の場合に、前記トランスジェニックマウスが線維症を発症していると判断するヒトTGFβ1発現トランスジェニックマウスの病態評価方法。

【請求項10】
請求項7に記載のヒトTGFβ1発現トランスジェニックマウスの病態評価方法を実施するためのキットであって、前記トランスジェニックマウスから体液を採取するための機具と、採取した体液からヒトTGFβ1を含む成分を分離するためのチューブと、ヒトTGFβ1濃度を測定するためのELISAとを備えたことを特徴とするキット。

【請求項11】
ヒトの線維症を診断するキットであって、被験者から体液を採取するための機具と、採取した体液からヒトTGFβ1を含む成分を分離するためのチューブと、ヒトTGFβ1を測定するためのELISAとを備えたことを特徴とするキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016529636thum.jpg
出願権利状態 公開
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