TOP > クイック検索 > 国内特許検索 > 測定装置およびセンサシステム

測定装置およびセンサシステム NEW

国内特許コード P170014569
整理番号 (S2015-0129-N0)
掲載日 2017年9月6日
出願番号 特願2016-560248
出願日 平成27年11月17日(2015.11.17)
国際出願番号 JP2015082318
国際公開番号 WO2016080415
国際出願日 平成27年11月17日(2015.11.17)
国際公開日 平成28年5月26日(2016.5.26)
優先権データ
  • 特願2014-232898 (2014.11.17) JP
  • 特願2014-245101 (2014.12.3) JP
発明者
  • 田中 洋介
  • 黒川 隆志
  • 塩田 達俊
  • 柏木 謙
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 測定装置およびセンサシステム NEW
発明の概要 誘導ブリルアン散乱光利用した測定装置において、周波数の線形掃引を必要としない。被測定対象における誘導ブリルアン散乱光の利得スペクトルを測定する測定装置であって、第1のコム光を生成して被測定対象の一端に入力する第1のコム光発生器と、第1のコム光に対して、基準周波数が被測定対象のブリルアンシフト周波数だけシフトしており、且つ、周波数間隔が異なる第2のコム光を生成して被測定対象の他端に入力する第2のコム光発生器と、被測定対象から出力される誘導ブリルアン散乱光のスペクトルを測定する測定器とを備える測定装置を提供する。
産業上の利用分野


本発明は、測定装置およびセンサシステムに関する。



図20は、従来のセンサシステムを示す図である。半導体レーザは、単一の周波数の光を連続的に出射する。半導体レーザから出射された光は、分波用カプラでプローブ光とポンプ光とに分岐する。周波数シフタは、プローブ光の周波数をポンプ光の周波数に対してずらす。パルス変調器は、ポンプ光をパルス状の光に変調する。周波数シフトされたプローブ光とパルス状に変調されたポンプ光とは、対向して光ファイバに入射する。光ファイバの材料および構造によって決まる特定の周波数だけ互いに周波数がずれた光が対向して入射した場合、誘導ブリルアン散乱光が発生することが知られている。



特に、プローブ光の周波数とポンプ光の周波数とがブリルアンシフト周波数νだけ異なる場合に、誘導ブリルアン散乱光は最大のブリルアン利得を得る。νは、光ファイバの材料にも依るが、例えば約11GHzである。誘導ブリルアン散乱光は、光電変換素子で電気信号に変換され、信号処理部でブリルアン利得スペクトルが算出される。なお、プローブ光はパルス状であるので、プローブ光が光ファイバ中のどの位置で散乱されたかを特定することができる(例えば、特許文献1参照)。



ブリルアンシフト周波数νは、光ファイバの歪みおよび温度変化に起因して変化することが知られている。それゆえ、トンネル、橋、ガス管および下水道等の大型かつ長尺の構造物に沿って光ファイバを敷設して、光ファイバの歪みまたは温度変化から上記構造物の歪みまたは温度を検知することができる。



図21は、ブリルアン散乱を利用した光ファイバセンサの従来例である。コム光発生器から出力されるコム光の間隔をブリルアン周波数シフト量の2倍とすることにより、100kmのシングルモードファイバに渡ってブリルアン散乱光を取得できることが報告されている(非特許文献1参照)。なお、SSB変調器は、図20の例の周波数シフタとして機能する。オシレータおよびコンピュータは、図20の例の信号処理部として機能する。



図20の従来のセンサシステムでは、プローブ光の周波数をブリルアンシフト周波数νに相当する約11GHzからさらに100MHz程度の範囲、例えば時間に対して精密に線形掃引する必要がある。図21のブリルアン散乱を利用した光ファイバセンサの従来例においても、プローブ光の周波数を掃引する必要がある。周波数掃引の線形性は、測定精度に影響する。線形掃引を実現するためには、複雑かつ精密な制御系が必要となる。それゆえ、装置コストが高くなる。また、周波数掃引は非線形になりがちであるので、これを補償するために、信号処理部および周波数シフタにおける複雑な信号処理が必要となる。



トンネル、橋、ガス管および下水道等の大型かつ長尺の構造物に沿って光ファイバを敷設して、光ファイバの歪みまたは温度変化から上記構造物の歪みまたは温度を検知する光ファイバセンサが知られている。当該光ファイバは長手方向において、複数のファイバー・ブラッグ・グレーティング(以下、FBGと略記する)を有する。



図22の従来技術に示す様に、複数のFBGを有する光ファイバに広帯域スペクトルを有する光源の光を入射させて、各FBGからの反射光スペクトルを光スペクトル解析装置で直接観測する、多点型光ファイバセンサが知られている。また、図23の従来技術に示す様に、単一周波数を有する光源の周波数を周波数軸上で掃引するとともに、複数のFBGを有する光ファイバに当該光源の光を入射させて、各FBGからの反射光の光パワーを測定する、多点型光ファイバセンサが知られている(例えば、特許文献2参照)。



図24は、多点型FBGセンシングシステムの従来例である。この例では5つのFBGを用いている。この例では、1つのコム光発生器から出力されるコム光の周波数間隔を変化させることにより、コヒーレンスピークを掃引して、各FBGの位置を特定している(非特許文献2参照)。



図22の従来技術では、波長当たりの光パワーが小さいので、各FBGからの反射光の光パワーが小さくなるという問題がある。また、図23の従来技術では、時間に対して光周波数の線形掃引が困難であるので、これを補正するべく反射光の測定後に複雑な信号処理が受信側において必要となる。加えて、広範囲にわたって光周波数を掃引する場合、周波数の不連続な変化が必ず生じるので、光源側においても複雑な補正処理が必要となる。図24の例では、1つのコム光発生器から出力されるコム光をFBGに入射するコム光とFBGに入射しないコム光とに分離させ、かつ、当該1つのコム光発生器から出力されるコム光の周波数間隔を変更しているに過ぎない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第2589345号明細書
[特許文献2] 特開2008-014934号公報
[非特許文献]
[非特許文献1] 光周波数コムを光源としたブリルアンセンサ長距離化の検討 第60回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集(2013年春)、27a‐A2‐5、東京農工大学、澤口 光 et.al
[非特許文献2] 周波数間隔可変コム光源を用いた多点型FBGセンシングシステム、2011年電子情報通信学会エレクトロニクスソサエティ大会、エレクトロニクス講演論文集1、第194頁、2011年9月13日~16日、何 祖源 et.al

特許請求の範囲 【請求項1】
被測定対象に周波数間隔の異なる2つのコム光を入射するコム光源と、
前記被測定対象から出力される光を測定する測定部と
を備える
測定装置。

【請求項2】
前記被測定対象における誘導ブリルアン散乱光の利得スペクトルを測定する測定装置であって、
前記コム光源は、
第1のコム光を生成して前記被測定対象の一端に入力する第1のコム光発生器と、
前記第1のコム光に対して、基準周波数が前記被測定対象のブリルアンシフト周波数だけシフトしており、且つ、周波数間隔が異なる第2のコム光を生成して前記被測定対象の他端に入力する第2のコム光発生器と
を有し、
前記測定部は、
前記被測定対象から出力される誘導ブリルアン散乱光のスペクトルを測定する測定器である
請求項1に記載の測定装置。

【請求項3】
前記第1のコム光と基準周波数が同一であり、且つ、周波数間隔が異なる第3のコム光を生成する第3のコム光発生器を更に備え、
前記測定器は、前記誘導ブリルアン散乱光と前記第3のコム光とのビート信号を測定する
請求項2に記載の測定装置。

【請求項4】
前記第1のコム光発生器、前記第2のコム光発生器および前記第3のコム光発生器は、同一の種光源から生成される単一波長のレーザ光を元に、それぞれ前記第1のコム光、前記第2のコム光および前記第3のコム光を生成する
請求項3に記載の測定装置。

【請求項5】
前記第1のコム光発生器は、時間軸における波形がパルス状の前記第1のコム光を生成し、前記第2のコム光発生器は、時間軸における波形がパルス状の前記第2のコム光を生成する
請求項2から4のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項6】
前記第1のコム光の2以上のパルスをそれぞれ含む2以上のパルス群間の周期を調整する第1のパルス変調器と、
前記第2のコム光の2以上のパルスをそれぞれ含む2以上のパルス群間の周期を調整する第2のパルス変調器と
を更に備える請求項5に記載の測定装置。

【請求項7】
前記第1のパルス変調器および前記第2のパルス変調器は、前記第1のコム光の前記2以上のパルス群間の周期と前記第2のコム光の前記2以上のパルス群間の周期とを異ならせて、前記第1のコム光のパルス群と前記第2のコム光のパルス群とが重なる前記被測定対象における位置を順次変化させ、
前記測定器は、前記被測定対象の各位置における前記誘導ブリルアン散乱光のスペクトルの分布を測定する
請求項6に記載の測定装置。

【請求項8】
前記第1のコム光および前記第2のコム光の周波数間隔の差は、前記被測定対象のブリルアン利得スペクトルの幅よりも小さい
請求項2から7のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項9】
前記第1のコム光および前記第2のコム光の周波数間隔は、いずれも前記被測定対象のブリルアン利得スペクトルの幅の2倍よりも大きい
請求項2から8のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項10】
前記被測定対象は、前記被測定対象の歪み変化および温度変化を測定するために用いられる第1の光ファイバと第2の光ファイバとを有する
請求項1から9のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の測定装置と、
前記被測定対象と
を備えるセンサシステム。

【請求項12】
前記コム光源は、互いに同期し、かつ、周波数間隔が異なる第1のコム光および第2のコム光を生成するデュアルコム光源部を有し、
前記被測定対象は、周囲環境によって分光特性が変化する1以上の反射点を有し、前記第1のコム光および前記第2のコム光が入射する光ファイバであり、
前記測定部は、前記1以上の反射点から反射または透過された前記第1のコム光および前記第2のコム光のビート信号を測定する測定器であり、
前記測定装置は、多点型光ファイバセンサとして機能する
請求項1に記載の測定装置。

【請求項13】
前記1以上の反射点は、1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングである、請求項12に記載の測定装置。

【請求項14】
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングの各々の反射帯域幅は、前記第1のコム光の複数の周波数ピークが収まる幅を有する、請求項13に記載の測定装置。

【請求項15】
前記第1のコム光および前記第2のコム光は、
第1のファイバー・ブラッグ・グレーティングで反射する周波数ピークと、
前記第1のファイバー・ブラッグ・グレーティングとは異なる第2のファイバー・ブラッグ・グレーティングで反射する周波数ピークと
を有する、請求項13または14に記載の測定装置。

【請求項16】
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングの各々において、反射光の周波数スペクトルの中心周波数は互いに異なり、
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングは、前記第1のコム光が入射する位置から離れるに従い前記中心周波数が大きくなるように前記光ファイバ中に配置される、請求項13から15のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項17】
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングの各々において、反射光の周波数スペクトルの中心周波数は互いに異なり、
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングは、前記第1のコム光が入射する位置から離れるに従い前記中心周波数が小さくなるように前記光ファイバ中に配置される、請求項13から15のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項18】
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングの各々において、反射光の周波数スペクトルの中心周波数は互いに異なり、
前記1以上のファイバー・ブラッグ・グレーティングは、前記第1のコム光が入射する位置から離れるに従い前記中心周波数が常に小さくまたは常に大きくならないように前記光ファイバ中に配置される、請求項13から15のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項19】
互いに同期し、かつ、周波数間隔が異なる第1のコム光および第2のコム光を生成するデュアルコム光源部と、
周囲環境によって分光特性が変化する2以上の反射点を有し、前記第1のコム光が入射する光ファイバと、
前記2以上の反射点から反射または透過された前記第1のコム光と、非偏光状態の前記第2のコム光とのビート信号を測定する測定器と
を備え、
多点型光ファイバセンサとして機能する測定装置。

【請求項20】
前記デュアルコム光源部は、
単一波長のレーザ光を出射する種光源と、
前記種光源の前記レーザ光から前記第1のコム光を生成する第1のコム光発生器と、
前記種光源の前記レーザ光から前記第2のコム光を生成する第2のコム光発生器と
を有する、
請求項12から19のいずれか一項に記載の測定装置。

【請求項21】
前記種光源の前記レーザ光の周波数を変化させる、請求項20に記載の測定装置。

【請求項22】
前記第1のコム光発生器は、少なくとも第1の位相変調器および第1の強度変調器のいずれかを有し、
前記第2のコム光発生器は、少なくとも第2の位相変調器および第2の強度変調器のいずれかを有し、
少なくとも前記第1の位相変調器および前記第1の強度変調器のいずれかと、少なくとも前記第2の位相変調器および前記第2の強度変調器のいずれかとは同期制御される、請求項20または21に記載の測定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2016560248thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close