TOP > クイック検索 > 国内特許検索 > インフルエンザ治療剤

インフルエンザ治療剤 NEW

国内特許コード P170014621
整理番号 S2016-0515-N0
掲載日 2017年10月13日
出願番号 特願2016-047807
公開番号 特開2017-160168
出願日 平成28年3月11日(2016.3.11)
公開日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明者
  • 西堀 正洋
  • 劉 克約
  • 塚原 宏一
  • 森島 恒雄
  • 八代 将登
  • 野坂 宜之
  • 畑山 一貴
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 インフルエンザ治療剤 NEW
発明の概要 【課題】インフルエンザ治療剤を提供する。より詳しくは、インフルエンザウイルス感染に伴う肺炎の予防及び/又は治療によるインフルエンザ治療剤を提供する。
【解決手段】抗HMGB1モノクローナル抗体の投与による。本発明の抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とするインフルエンザ治療剤によれば、インフルエンザによる死亡リスクを低減化することができる。本発明の有効成分としての抗HMGB1モノクローナル抗体は、インフルエンザウイルスに対して直接的に作用するのではなく、インフルエンザウイルス感染に伴う症状を抑制することにより効果を発揮する。特にインフルエンザウイルス感染に伴う肺炎に対して有効な予防剤及び/治療剤となり得る。さらに、本発明のインフルエンザ治療剤は従来のインフルエンザ治療剤とは作用機序が異なるため、従来公知のインフルエンザ治療剤と併用して使用することができる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


かぜ症候群の原因は約9割以上がウイルスに感染し発症する病気で、原因ウイルスは200種類以上あるといわれている。インフルエンザはかぜ症候群の一種で、原因となるインフルエンザウイルス(主にA,B)は感染力が非常に強く、高熱を特徴とした様々な全身症状を起こす。かぜ症候群は初期に喉や鼻の上気道炎症状が表れる。それに対しインフルエンザは急激な発熱があり、続いて倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状や上気道炎症状が強く表れる。大多数の人では、1~2週間で自然治癒するが、体力のない高齢者や乳幼児などは気管支炎や肺炎を併発し易く、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともある。



インフルエンザと肺炎の関係について、インフルエンザウイルスによるウイルス性肺炎や、インフルエンザに引き続いて発症する肺炎(二次感染)が挙げられる。肺炎はその後に発症するARDS(acute respiratory distress syndrome)や、インフルエンザが治癒したと思えた頃に発症する二次感染による肺炎等、重症化しやすく、インフルエンザで死亡する人の殆どが肺炎によるといわれている。



インフルエンザに対する治療剤には、抗ウイルス薬としてオセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)、ザナミビル水和物(商品名:リレンザ)、アマンタジン塩酸塩(商品名:シンメトレル等)、ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ)、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル)等がある。これらの薬剤は、感染後の有効時間帯が略48時間とされており使用に制限がある。また抗ウイルス剤耐性株の出現が報告されている。さらに、危惧される高病原性の鳥インフルエンザの流行に対しては、ワクチンの安定供給体制も整っていない。前述のオセルタミビルリン酸塩、ザナミビル水和物、ペラミビル水和物、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、いずれもインフルエンザウイルスの表面に存在するノイラミニダーゼ(NA)に対する阻害剤であり、感染初期のみで有効である。発症から48時間以降の場合は、個体治癒効果は殆ど期待できない。また、これらの薬剤は耐性ウイルスに対しては有効ではない。耐性ウイルスとしては、例えばノイラミニダーゼの274番目のアミノ酸が通常のヒスチジンからチロシンへの置換したものが挙げられる。



抗ウイルス剤とは異なる作用機序であって、薬剤耐性インフルエンザウイルス、ウイルスサブタイプに影響を受けずインフルエンザの症状を改善しうる薬剤の開発が望まれている。



HMGB1(High Mobility Group Box 1:以下、「HMGB1」という)タンパク質は、代表的なDAMP(danger-associated molecular patterns)である。HMGB1 はDNA の編成や転写調節に関わる非ヒストンクロマチン関連性タンパク質ファミリーの一員である。IL-1αと同様に細胞のネクローシスにより細胞核から細胞外に放出され炎症反応を誘導する。HMGB1 は樹状細胞や単球などに作用し、成熟化・浸潤・サイトカインや炎症メディエーターの放出を誘導することが示唆されている。また、好中球上のTLR4 に認識されると、疾患との関連としてHMGB1 は関節炎やシェーグレン症候群における炎症反応に寄与していることが示唆されている。また、HMGB1 は癌において高発現しており、NF-κB の活性化を介して細胞の生存・増殖を助長していることが示唆されている。近年、細胞の壊死によりHMGB1が細胞外に遊離したり、血管炎症性シグナル応答で細胞外に能動分泌が見られるなど、新たな炎症マーカーとしても注目されている。HMGB1はげっ歯類からヒトまで99%以上のアミノ酸配列について相同性を有するタンパク質である。このHMGB1は正常細胞にも存在するが、敗血症(全身性炎症反応症候群)において放出される菌体内毒素であるLPS(リポ多糖)による刺激によって血中濃度が上昇し、最終的な組織障害をもたらす。このHMGB1に対する抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とする薬剤について、脳血管攣縮抑制剤(特許文献1)及び脳梗塞抑制剤(特許文献2)がすでに特許されているが、インフルエンザやインフルエンザウイルス感染に伴う肺炎の予防及び/又は治療については開示されていない。

産業上の利用分野


本発明は、インフルエンザ治療剤に関するものである。より詳しくは、インフルエンザウイルス感染に伴う炎症に関し、特に肺炎の予防及び/又は治療に関する。更に本発明は、作用機序の異なる他のインフルエンザ治療剤との併用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とする、インフルエンザ治療剤。

【請求項2】
インフルエンザ治療剤が、インフルエンザウイルス感染に伴う炎症に対するものである、請求項1に記載のインフルエンザ治療剤。

【請求項3】
インフルエンザ治療剤が、インフルエンザウイルス感染に伴う肺炎の予防及び/又は治療によるインフルエンザ治療である請求項1に記載のインフルエンザ治療剤。

【請求項4】
抗HMGB1モノクローナル抗体を、1回当たり0.2~5 mg/kg投与するものである請求項1~3のいずれか1に記載のインフルエンザ治療剤。

【請求項5】
抗HMGB1モノクローナル抗体とは作用機序の異なるインフルエンザ治療剤を併用することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1に記載のインフルエンザ治療剤。

【請求項6】
抗HMGB1モノクローナル抗体とは作用機序の異なるインフルエンザ治療剤が、ノイラミニダーゼ阻害薬である、請求項5に記載のインフルエンザ治療剤。

【請求項7】
抗HMGB1モノクローナル抗体とは作用機序の異なるインフルエンザ治療剤が、ペラミビルである、請求項5に記載のインフルエンザ治療剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2016047807thum.jpg
出願権利状態 公開
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close