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エルゴチオネインの産生方法 NEW

国内特許コード P170014678
整理番号 (S2015-0225-N0)
掲載日 2017年11月21日
出願番号 特願2016-566355
出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
国際出願番号 JP2015085698
国際公開番号 WO2016104437
国際出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
国際公開日 平成28年6月30日(2016.6.30)
優先権データ
  • 特願2014-259232 (2014.12.22) JP
  • 特願2015-156037 (2015.8.6) JP
発明者
  • 谷 明生
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 エルゴチオネインの産生方法 NEW
発明の概要 本発明は、メチロトローフであるC1化合物資化性菌及び/又は酵母を、炭素源としてC1化合物及び/又はグリセリン等を含む培地を用いて培養し、EGTを産生させる方法に関する。
従来技術、競合技術の概要


エルゴチオネインはアミノ酸の一種であり、高い抗酸化活性を有するが、その生物学的な役割は不明な点が多い。ヒドロキシラジカルを早く消去できることから、細胞内の活性酸素除去に関わっていると考えられている。エルゴチオネインはヒスチジンから生合成され、イオウ原子はシステインから供給される。しかしながら、エルゴチオネインは哺乳類の体内では合成されないため、外部から摂取する必要がある。



エルゴチオネインの製造方法として、例えば化学合成法、エルゴチオネインを産生する子のう菌や担子菌を培養後、エルゴチオネインを抽出精製する方法、発酵法、エルゴチオネインを含有する動物血液等から抽出する方法等がある。しかしながら、エルゴチオネインを生産する生物についての情報はそう多くなく、限られたカビ、キノコ、バクテリアでその生産の報告があるのみであり(非特許文献1)、大量に蓄積する生物についての情報はさらに限られている。



他の方法として、タモギタケ(Pleurotus cornucopiae var. citrinopileatus)から抽出したエルゴチオネインは最適条件で生産量が450 mg/Lに達することが報告されている(特許文献1)。特許文献1に記載の方法は高い生産性を示しているが、培養時間が長いこと、菌体からの抽出に有機溶媒を用いていること、培地中にメチオニンを添加しており、コストなどについて問題が残されていると考えられる。また、特許文献2に示す化学合成方法で得られたエルゴチオネインは、合成試薬が高価であり、精製にもコストがかかるなどの問題点が残されている。カビ、キノコ、バクテリアでその生産に関し、生産量として特許文献1に示す方法を超える報告はない。



近年、Mycobacterium属細菌においてエルゴチオネインの生合成経路が明らかにされ、その遺伝子が幅広い微生物に保存されていることが報告されている(非特許文献2)。クラスターを形成しているegtABCDE遺伝子はエルゴチオネイン合成遺伝子としてMycobacterium属細菌に認められ、egtBとegtDのホモログ遺伝子もMethylobacterium属細菌を含んだ多くの真核生物や細菌において認められている。egtABCDE遺伝子はヒスチジンをエルゴチオネインに変換するタンパク質をコード化する遺伝子である。しかしながら、Methylobacterium属細菌等のこれらの遺伝子を持つ微生物が、実際にエルゴチオネイン合成能を有しているかどうか、またそれら微生物のエルゴチオネインの生産性については解明されていない。



微生物中には、炭素数を1つだけ含む化合物を炭素源として利用するC1化合物資化性菌(メチロトローフ、methylotroph)がある。C1化合物資化性菌の代謝開始物質としてのC1化合物とは、メタノール(methanol)、メチルアミン(methyl amine)などが挙げられる。C1化合物資化性菌に関し、エルゴチオネインの生合成に係る報告はない。C1化合物資化性菌の微生物として、Methylobacterium属細菌が報告されている(特許文献3)。Methylobacterium属細菌はメタノールを単一炭素源として利用可能なグラム陰性細菌であり、植物の表面に多くみられる。M. extorquens AM1株をモデルとしてメタノール代謝経路について研究が進んでいる。Methylobacterium属細菌はMxaFとXoxFのメタノール脱水素酵素を保持している(非特許文献3)。ここでは、MxaFの破壊株は通常の培地ではメタノールに生育できないが、希土類元素であるランタンの存在下で生育することが報告されている。これはXoxFがランタンを補欠分子属として含むメタノール脱水素酵素であることによる(非特許文献4)。一方、XoxFの遺伝子破壊株はAM1株ではカルシウム存在下メタノールへの生育が遅れ、MxaFの発現にXoxF1が必要であることが示唆されている(非特許文献5)。



また分裂酵母のSchizosaccharomyces pombeについて、グルコースを枯渇した条件下でのメタボローム解析を行ったところ、代謝産物としてエルゴチオネインが生成されることが報告されている(非特許文献6)。しかしながら、酵母のエルゴチオネイン合成能について詳細な解析は行われておらず、特に出芽酵母によるエルゴチオネイン合成に関する報告はない。

産業上の利用分野


本発明は、エルゴチオネインの産生方法及び製造方法に関し、詳細にはC1化合物資化性細菌及び/又は酵母を用いたエルゴチオネインの産生方法及び製造方法に関する。



本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2014-259232号優先権及び特願2015-156037号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
C1化合物資化性細菌及び/又は酵母を、炭素源を含む培地を用いて培養し、エルゴチオネインを産生する工程を含む、エルゴチオネインの製造方法。

【請求項2】
C1化合物資化性細菌及び/又は酵母を、炭素源としてメタノール、メチルアミン及び/又はグリセリンを含む培地を用いて培養し、エルゴチオネインを産生する工程を含む、請求項1に記載のエルゴチオネインの製造方法。

【請求項3】
C1化合物資化性細菌が、Methylobacterium属細菌である、請求項1または2に記載の製造方法。

【請求項4】
酵母が、Rhodotorula属の酵母である、請求項1~3のいずれか1に記載の製造方法。

【請求項5】
培地中の炭素源が、0.1~5 %の濃度で含有される、請求項1~4のいずれか1に記載の製造方法。

【請求項6】
培地中にアンモニウム塩が、0.2~2.0 g/Lの濃度で含有される、請求項1~5のいずれか1に記載の製造方法。

【請求項7】
培地中にアンモニウム塩として、塩化アンモニウム又はリン酸二水素アンモニウムが含有される、請求項1~6のいずれか1に記載の製造方法。

【請求項8】
以下の工程を含む、エルゴチオネインの製造方法:
1)請求項1~7のいずれか1に記載の方法でC1化合物資化性細菌及び/又は酵母を培養する工程;
2)前記培養したC1化合物資化性細菌及び/又は酵母を熱処理し、産生したエルゴチオネインをC1化合物資化性細菌菌及び/又は酵母から抽出する工程。

【請求項9】
C1化合物資化性細菌が、受託番号NITE BP-02088、NITE BP-02089、およびNITE BP-02090としてそれぞれ寄託されたMethylobacterium属のC1化合物資化性細菌より選ばれたものである、請求項1~8のいずれか1に記載のエルゴチオネインの製造方法。

【請求項10】
酵母が、受託番号NITE BP-02171、およびNITE BP-02172としてそれぞれ寄託されたRhodotorula属の酵母より選ばれたものである、請求項1~9のいずれか1に記載のエルゴチオネインの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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