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サイトカインストーム抑制剤 NEW

国内特許コード P170014679
整理番号 (S2015-0245-N0)
掲載日 2017年11月21日
出願番号 特願2016-566354
出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
国際出願番号 JP2015085693
国際公開番号 WO2016104436
国際出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
国際公開日 平成28年6月30日(2016.6.30)
優先権データ
  • 特願2014-258546 (2014.12.22) JP
  • 特願2015-154972 (2015.8.5) JP
発明者
  • 西堀 正洋
  • 森 秀治
  • 和氣 秀徳
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 サイトカインストーム抑制剤 NEW
発明の概要 新規なサイトカインストーム抑制剤を提供することを課題とする。HRGが複数種のサイトカインの抑制作用を有することを見出したことに基づく、HRGを有効成分とするサイトカインストーム抑制剤による。また、HRGは炎症性サイトカインおよび抗炎症サイトカインに対する抑制作用を有する。さらには、本発明のHRGを有効成分とするサイトカインストーム抑制剤を含む、全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防又は治療薬による。発明のサイトカインストーム抑制剤によれば、血液中や肺組織中の複数種のサイトカイン、例えばIL-6、TNF-α、IL-10、KC(CXCL1)、MCP-1(CCL2)、MIG(CXCL9)及びMIP-1 alpha(CCL3)から選択される2種以上のサイトカイン濃度の上昇を抑制することができる。
従来技術、競合技術の概要


サイトカインは、炎症反応と免疫応答に関与するタンパク性因子の総称であり、数百種類以上の因子が含まれる。サイトカインは、個々に非常に多彩な活性プロフィールを有し、それらがバランス良く協調的に相互作用することで生体機能を維持・調節している。またサイトカインは、特に炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患の病態形成においてメディエーター物質として重要な役割を果たすことが知られている。



血液中のサイトカイン濃度が異常上昇した状態を、サイトカインストーム(cytokine storm)又は、高サイトカイン血症と呼ぶ。例えば感染症や薬剤投与などの原因により、血中サイトカイン(IL-1,IL-6,TNF-αなど)の異常上昇が起こる。例えば、エボラ出血熱・高度の手術侵襲の後・薬剤投与後などの全身性炎症症候群(systemic inflammatory response syndrome:以下、単に「SIRS」という場合がある。)等の疾患の前段階に観察される症状である。SIRSは、呼吸数の増加、肝臓の急性期タンパクの産生亢進などを呈することが知られている。SIRS病態についてモデル実験動物を用いて解析した結果、炎症を惹起する活性を有する炎症性サイトカイン(起炎性サイトカイン)が血液中に著増することが確認されている。さらにSIRSの重篤な病態では、炎症性サイトカイン濃度の上昇のみならず、炎症・免疫応答を抑制する抗炎症サイトカイン濃度も上昇し、免疫応答不全を生じていると考えられている。サイトカインストームは、SIRSから播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全にに至る段階にも確認されている。



近年、TNF-αやインターロイキン-6(IL-6)を分子標的とする抗体医薬の成功が報告されており、抗サイトカイン治療の新しい時代が切り開かれつつある。抗体医薬は、標的となるサイトカインの活性又はその受容体を特異的に遮断することを特徴とする。しかしながら、SIRS等の炎症性サイトカインと抗炎症サイトカインが同時に複雑に反応する病態に対しては、上記抗体医薬による制御が困難であり、複数種のサイトカインを制御し得る医薬の開発が必要である。細胞表面分子のサブユニットであるCD61タンパク質に結合する抗体が、複数種のサイトカインを制御し得ることが報告されているものの(特許文献1)、複数種のサイトカインを制御しうる医薬は未だ実用化されていない。



HRG(Histidine-rich glycoprotein)は、1972年にHeimburger et al (1972)によって同定された分子量約80kDaの血漿タンパク質である。合計507個のアミノ酸より構成され、そのうちヒスチジンが66存在する高ヒスチジン含有タンパク質であり、主として肝臓で合成され、約100~150μg/mlという非常に高いと考えられる濃度でヒト血漿中に存在する。HRGは、凝固線溶系の調節や血管新生の制御に関与していることが知られている(非特許文献1)。さらに、HRGポリペプチドを投与することによる血管形成を阻害する方法、HRGポリペプチド、HRGポリペプチドに結合する抗体及び受容体、HRG欠乏性血漿及びポリヌクレオチド、HRGポリペプチドをコードするベクター及び宿主細胞を含む、製薬的組成物及び製品が開示されている(特許文献2)。また、血管新生の分野に関し、HRGの中央領域に由来するサブフラグメントを含む抗血管新生活性のある実質的に純粋な連続ポリペプチドの使用に関する開示がある(特許文献3)。また、HRGによる好中球活性化の制御機能についての報告がある(特許文献4)。



しかしながら、HRGによる複数種のサイトカイン制御については、報告はされていない。

産業上の利用分野


本発明は、ヒスチジンリッチ糖タンパク質(Histidine-rich glycoprotein:以下、単に「HRG」という場合がある。)を有効成分とするサイトカインストーム抑制剤に関する。



本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願特願2014-258546号及び2015-154972号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質を有効成分として含有する、サイトカインストーム抑制剤。

【請求項2】
サイトカインストーム抑制剤により、血中及び/又は肺組織中のIL-6、TNF-α、IL-10、KC(CXCL1)、MCP-1(CCL2)、MIG(CXCL9)及びMIP-1 alpha(CCL3)から選択される2種以上のサイトカインが抑制される、請求項1に記載のサイトカインストーム抑制剤。

【請求項3】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質が、ヒト血液成分又は遺伝子組換えの手法により動物細胞により産生された粗ヒスチジンリッチ糖タンパク質を、アフィニティーゲルクロマトグラフィーを用いて精製して得たタンパク質である、請求項1又は2に記載のサイトカインストーム抑制剤。

【請求項4】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質が、遺伝子組換えの手法により作製されたヒスチジンリッチ糖タンパク質である、請求項3に記載のサイトカインストーム抑制剤。

【請求項5】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質を有効成分として含有するサイトカインストーム抑制剤の作製方法として、ヒト血液成分又は動物細胞により産生された粗ヒスチジンリッチ糖タンパク質を、アフィニティーゲルクロマトグラフィーを用いて精製し、有効成分としてのヒスチジンリッチ糖タンパク質を調製する工程を含むことを特徴とする、サイトカインストーム抑制剤の作製方法。

【請求項6】
請求項1~4のいずれか1に記載のサイトカインストーム抑制剤を含む、全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防剤又は治療剤。

【請求項7】
請求項1~4のいずれか1に記載のサイトカインストーム抑制剤を用いることを特徴とする、血中及び/又は肺組織中のIL-6、TNF-α、IL-10、KC(CXCL1)、MCP-1(CCL2)、MIG(CXCL9)及びMIP-1 alpha(CCL3)から選択される2種以上のサイトカインを抑制するサイトカインストーム抑制方法。

【請求項8】
請求項1~4のいずれか1に記載のサイトカインストーム抑制剤を用いることを特徴とする、全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防又は治療方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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