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多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法 NEW

国内特許コード P170014696
整理番号 OU-0300
掲載日 2017年12月7日
出願番号 特願2015-126830
公開番号 特開2017-009495
出願日 平成27年6月24日(2015.6.24)
公開日 平成29年1月12日(2017.1.12)
発明者
  • 山本 隆栄
  • 佐久間 俊雄
  • 鈴木 章彦
出願人
  • 国立大学法人 大分大学
発明の名称 多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法 NEW
発明の概要 【課題】温度と応力の変動する負荷の下での多結晶形状記憶合金の変態挙動を、材料のミクロ構造の挙動を解析することなく、直接的に現象論的に推定する手法を提供する。
【解決手段】材料を変態応力および逆変態応力の異なる部分要素の直列結合で表し、ある応力を受ける材料に対し、部分要素ごとに変態・逆変態を評価し、材料のひずみを部分要素のひずみの平均によって評価することを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


多結晶形状記憶合金を利用する機器において、当該機器に設けられた多結晶形状記憶合金の変形挙動を推定するためには、多結晶形状記憶合金の相変態挙動を精密に推定する必要がある。



多結晶形状記憶合金は、結晶方位の異なる単結晶合金の集合体であり、それぞれの結晶粒は24通りの変態方位を持っている。例えば、ある結晶のある変態方位において変態が生じたとすると、生じた変態ひずみによって、その変態方位の変態に抵抗するような内部応力が形成され、次の変態は別の結晶粒の別の方位において生じる。このようなメカニズムが次々と働き、変態過程における多結晶体中の内部応力を最小にする。



このメカニズムによる変態ひずみ生成過程をアコモデーションと呼び、当該メカニズムをアコモデーション機構と呼ぶ。



特許文献1には、アコモデーション機構に基づいて、多結晶形状記憶合金の相変態を伴う負荷応力と当該多結晶形状記憶合金のひずみの関係を計算する構造式モデルが開示されている。特許文献1に開示された前記構造式モデルによれば、応力誘起によるマルテンサイト変態開始のひずみとその変態終了のひずみ、及び除荷過程におけるマルテンサイト相からオーステナイト相に逆変態開始のひずみとその逆変態終了のひずみを明瞭にすることができる。



また、特許文献2には、アコモデーション機構に基づいて、多結晶形状記憶合金に応力と温度が与えられた時の当該多結晶形状記憶合金の相変態挙動を計算する構造式モデルが開示されている。特許文献2に開示された前記構造式モデルによれば、与えられた応力及び温度履歴に関して多結晶形状記憶合金の変態ひずみを精度良く算出することができる。



しかし、特許文献1、2に開示された構造式モデルは、いずれも、多結晶形状記憶合金を結晶方位の異なる結晶粒の並列結合により示し,各結晶粒をさらに部分要素に分割することを要件としている。そのため、特許文献1、2に開示された構造式モデルを用いて多結晶形状記憶合金の変態挙動を予測するには、多結晶形状記憶合金中の全ての結晶粒の方位およびそれぞれの結晶粒における変態面と変態方向(24通りの組合わせがある)における分解せん断応力の値を計算し、変態および逆変態発生の判定をすることが必要になる。このように、従来の構造式モデルを用いた相変態挙動の推定方法は、計算負荷が大きい。そのため、必要な精度を保ちながら計算負荷の少ない相変態挙動の推定技術が求められている。



また、多結晶形状記憶合金を産業機器に応用するときには、温度と応力の組み合わせの下で多結晶形状記憶合金の変態ひずみを推定する必要がある。更に、応力は一般的には多軸応力となるので、前記変態ひずみの推定手法は多軸応力状態に適用可能なものでなくてはならない。

産業上の利用分野


本発明は、多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
多結晶形状記憶合金の一様な応力を受ける微視材料要素を、変態応力・逆変態応力の異なる部分要素が直列に配列した直列モデルとみなすステップと、
前記多結晶形状記憶合金の変態終了応力と変態開始応力との応力差を算出し、前記直列モデルを構成する部分要素の数で前記応力差を等分して、得られた応力値を各部分要素の変態応力とするステップと、
前記多結晶形状記憶合金の逆変態開始応力と逆変態終了応力との応力差を算出し、前記直列モデルを構成する部分要素の数で前記応力差を等分して、得られた応力値を各部分要素の逆変態応力とするステップと、
前記多結晶形状記憶合金への負荷応力を増加する過程において、前記部分要素の応力変態ひずみの誘起を判定するステップと、
前記多結晶形状記憶合金への負荷応力を増加する過程において、応力誘起変態の完了を判定するステップと、
前記部分要素の応力変態ひずみの誘起を判定するステップにおける判断に基づいて、前記部分要素の変態ひずみ量を算出するステップと、
前記多結晶形状記憶合金への負荷応力を減少する過程において、前記部分要素の逆変態の有無を判定するステップと、
前記多結晶形状記憶合金への負荷応力を減少する過程において、前記逆変態の完了を判定するステップと、
前記部分要素の逆変態の有無を判定するステップにおける判断に基づいて、前記部分要素の逆変態ひずみ量を算出するステップとを有することを特徴とする多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。

【請求項2】
前記多結晶形状記憶合金に対する前記部分要素の体積率は、変態における加工硬化曲線の実測値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。

【請求項3】
前記部分要素への負荷応力が当該部分要素の変態応力に達する前後において、前記部分要素のひずみ量の変化率が同一或いは連続的に変化するように、前記部分要素のひずみ量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。

【請求項4】
前記部分要素への負荷応力が当該部分要素の逆変態応力に達する前後において、前記部分要素のひずみ量の変化率が同一或いは連続的に変化するように、前記部分要素のひずみ量を算出することを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。

【請求項5】
前記応力誘起変態の判定及び前記応力誘起逆変態の判定は、前記部分要素に負荷される応力をミーゼスの相当応力とすることによって行うことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。

【請求項6】
前記部分要素のひずみ量のテンソル成分は、全ひずみ理論におけるヘンキーの式を用いて算出されることを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1項に記載の多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。

【請求項7】
前記多結晶形状記憶合金の変態終了温度と変態開始温度との温度差を算出し、前記直列モデルを構成する部分要素の数で前記温度差を等分して、等分された温度差を部分要素の変態温度とするステップと、
前記多結晶形状記憶合金の逆変態開始温度と逆変態終了温度との温度差を算出し、前記直列モデルを構成する部分要素の数で前記温度差を等分して、等分された温度差を部分要素の逆変態温度とするステップと、
温度誘起変態した部分要素が、温度誘起変態から応力誘起変態へ変化するか否かを判断するステップとを含み、
前記変態終了応力、変態開始応力、逆変態開始応力及び逆変態終了応力の温度依存性の実測値を参照して前記部分要素のひずみ量を算出し、
温度変動を伴う環境下における応力負荷された多結晶形状記憶合金の変態挙動を推定することを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1項に記載の多結晶形状記憶合金の相変態挙動推定方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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