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誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法 NEW

国内特許コード P170014700
整理番号 OU-0322
掲載日 2017年12月7日
出願番号 特願2016-056206
公開番号 特開2017-155324
出願日 平成28年3月18日(2016.3.18)
公開日 平成29年9月7日(2017.9.7)
優先権データ
  • 特願2016-035624 (2016.2.26) JP
発明者
  • 市來 龍大
  • 津留 卓斗
  • 喜多村 圭一
  • 赤峰 修一
  • 金澤 誠司
出願人
  • 国立大学法人 大分大学
発明の名称 誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法 NEW
発明の概要 【課題】誘電体バリア放電技術を用いて、大気圧下で、金属表層に浸窒処理を施し、金属表層を均一に硬化する。
【解決手段】被処理金属の表層に窒化処理を施して硬化させる金属表層の硬化方法において、(i)窒素ガス、必要に応じ、水素ガスや希ガス等の不活性ガスを含む混合ガスからなる雰囲気で、被処理金属を包み、(ii)大気圧下又は大気圧近傍下で、誘電体バリア放電により、窒素の電離プラズマを発生させ、被処理金属の表層又は所定領域の表層に窒化処理を施すことを特徴とする誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


鋼の表層を硬化する方法のひとつに,窒素原子を鋼の表層に固溶させ、最表層に、厚さ10μm程度の窒化鉄からなる「化合物層」を形成し、その下に、深さ100μm程度まで、窒素原子が鉄の結晶に固溶して硬化した「拡散層」を形成する窒化処理がある。化合物層は、耐食性と耐焼付性を担い、拡散層は、耐摩耗性及び疲労強度を担うので、窒化処理は、自動車産業において重要な技術である。



窒化処理は、低圧下で直流放電を用いるプラズマ窒化(イオン窒化)が普及している。プラズマ窒化によれば、高エネルギー電子の存在により、窒素原子及び他のラジカルを多量に生成して窒化処理を促進することが可能である。



しかし、プラズマ窒化は、高価な真空容器を必要とし、また、バッジ処理であるため作業時間及び作業工程が増えるという課題を抱えている。このことを踏まえ、例えば、特許文献1には、窒素を原料ガスとして発生させた大気圧プラズマジェットを材料の表面に照射し,材料の表面を窒化する窒化処理法が提案されている。



特許文献1の窒化処理法によれば、材料表層の硬度は向上するが、材料の靱性は低下する。通常、金属材料の表層を窒化すると、硬度は向上するが、靭性が低下し脆くなるが、特許文献2には、大気圧下でN原子を被処理物に拡散固溶させ、靭性を保ったまま硬度を向上させ,しかも、N原子の拡散処理を連続ラインで処理できる金属又は樹脂等の表層硬化方法が提案されている。



特許文献2の表層硬化方法は、容器内に窒素ガスと水素ガスの混合ガスを供給しながら、容器内を大気圧かそのプラス近傍の陽圧状態にして、被処理物の表面にパルスアーク型プラズマジェットを照射することを特徴とするパルスアーク型プラズマジェットによる表層硬化方法であるが、被処理物の表層を均一に硬化することは難しい。



近年、大気圧下で、誘電バリア放電を用いてプラズマを発生させて、被処理物の表層を均一に処理する方法が注目されている。



例えば、特許文献3には、i)基板をプラズマ処理する工程と、ii)オルガノポリシロキサンポリマー、オルガノポリシロキサンオリゴマー、シロキサン樹脂及びポリシランの群から選択される1つ以上の化合物を含む液体コーティング材料をソフトリソグラフィック印刷法により基板表面に塗布して、基板表面上にパターン化皮膜を形成する工程と、iii)必要な場合は、基板表面から残留液体コーティング材料を除去する工程とを含む、基板上にパターン化薄膜を適用する方法であって、工程i)の前に、噴霧液及び/又は固体コーティング形成材料を、大気圧プラズマ放電及び/又は該大気圧プラズマ放電から生じるイオン化/励起ガス流中に供給し、大気圧条件下で、基板を噴霧コーティング形成材料に曝露する方法が開示されている。



また、特許文献4には、誘電体バリア放電(DBD)技術を用いて無機-有機ハイブリッドポリマー材料で基材を被覆するための方法において、次の段階:a)二つの電極間の空間に試料を供給する、b)電極間の雰囲気を制御する、c)電極間にプラズマ放電を発生する、d)ゾル-ゲル工程を介して形成された、ハイブリッド有機/無機架橋プレポリマーを含むエアロゾルをプラズマ放電中に混合する、を含むことを特徴とする方法が開示されている。



しかし、特許文献3及び特許文献4の方法は、基板(基材)の表面をポリマー材料で被覆する方法であり、浸窒処理により金属表層を硬化する方法ではない。



また、非特許文献1には、真空反応炉にアンモニアガスを供給して、誘電体バリア放電で窒化処理を行い、金属表層を硬化する方法が開示されているが、この方法は、プラズマ化するガスとしてアンモニアガスを使用するので、コスト及び環境の点で、課題を抱えている。



また、近年、金属表面に、図形やパターンの形で窒化処理を施す技術が開発されている(非特許文献2、参照)。この技術によれば,金型などの表面硬化において、所望の場所のみを高精度に限定して硬化させることができる。



しかし、ミリメートル以下の精度で窒化のパターニングをするためには,金属表面に、微細加工で作製したマスクを被せ,マスキングした部分に、ガスやプラズマから窒素が拡散しないようにする必要がある。それ故、上記技術には、微細加工によるマスキングの作製に手間がかかり、さらに、マスキングが消耗するという問題がある。



マスキングなしで窒化のパターニングを可能とするためには,対向電極通りの形状でプラズマを生成するDBDが有力な手法である.しかし、非特許文献1のDBD窒化処理では、アンモニアガスを用いるため,プラズマが発生していない部分にも、アンモニアガスから直接窒素が供給されてしまうので、結局は、金属表面全体が窒化されてしまい、パターニング窒化ができない。

産業上の利用分野


本発明は、大気圧下で、誘電体バリア放電により、N原子を含むプラズマを発生させ,鋼,鉄,アルミニウム,チタン等の金属の表層に窒化処理を施す方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被処理金属の表層に窒化処理を施して硬化させる金属表層の硬化方法において、
(i)窒素ガス、必要に応じ、水素ガスや希ガス等の不活性ガスを含む混合ガスからなる雰囲気で、被処理金属を包み、
(ii)大気圧下又は大気圧近傍下で、誘電体バリア放電により、窒素の電離プラズマを発生させ、被処理金属の表層に窒化処理を施す
ことを特徴とする誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法。

【請求項2】
前記被処理金属表面の所定領域の表層に窒化処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法。

【請求項3】
前記混合ガスにおける水素ガスと窒素ガスの体積比:水素ガス/窒素ガスが0~0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法。

【請求項4】
前記混合ガスを、流量0.1~100L/分で処理装置に供給し、被処理金属の温度を、室温~1000℃に保持して窒化処理を行なうことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法。

【請求項5】
前記被処理金属が鋼又は鉄合金であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の誘電体バリア放電による金属表層の硬化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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