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HIV-1感染細胞殺傷剤及びその用途 NEW

国内特許コード P170014710
整理番号 (S2015-0401-N0)
掲載日 2017年12月7日
出願番号 特願2016-570711
出願日 平成28年1月22日(2016.1.22)
国際出願番号 JP2016051768
国際公開番号 WO2016117666
国際出願日 平成28年1月22日(2016.1.22)
国際公開日 平成28年7月28日(2016.7.28)
優先権データ
  • 特願2015-011506 (2015.1.23) JP
  • 特願2015-119111 (2015.6.12) JP
発明者
  • 岡本 実佳
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 HIV-1感染細胞殺傷剤及びその用途 NEW
発明の概要 本発明は、式(I):
【化1】



(式中、Ar及びArは同一又は異なり、置換又は無置換の芳香族基であり、Xは-CHO-又は-CH=CH-である。)
で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有するHIV-1感染細胞殺傷剤;並びにHIV-1感染の治療又は予防において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
(a)式(I)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤、及び
(b)抗HIV-1薬を含有する製剤
を含む組み合わせ製剤に関する。
従来技術、競合技術の概要


2013年における全世界のHIV-1感染者数は約3,500万人、HIV-1新規感染者は約210万人であり、HIV-1感染症は、依然として、世界的に公衆衛生上の大きな問題となっている。



しかし、現在の抗HIV-1薬は、HIV-1増殖を抑制することはできるが、HIV-1感染細胞を感染者体内より排除することはできない。よって、HIV-1感染者は生涯にわたり抗HIV-1薬を服用しなければならず、長期服用による抗HIV-1薬の慢性毒性や薬剤耐性HIV-1の出現が問題になっている。そのため、現在、HIV-1感染症に対する根治療法開発の必要性が高まっている。また、治療期間を約40年間と暫定した場合、HIV-1感染者一人あたり医療費は約1億円かかるとされる高額な医療費は社会的に大きな問題となっており、HIV-1根治療法の開発は世界中から望まれている。



HIV-1感染症の完治が困難となっている主な原因はHIV-1潜伏感染細胞の存在である。潜伏感染細胞は、主に寿命期間の長い休止期メモリーCD4T細胞のHIV-1感染細胞であり、それらの細胞においてHIV-1はゲノムDNAの中にプロウイルスDNAとして存在し、増殖刺激など細胞活性化刺激のない状態ではHIV-1粒子やHIV-1蛋白はほとんど産生されないが、活性化刺激を受けるとHIV-1産生を開始する。現在の抗HIV-1薬のほとんどはHIV-1由来の酵素をターゲットとしているので、HIV-1産生を抑えることはできるが、HIV-1潜伏感染細胞数を減少させることはできない。そのため、HIV-1根治療法の確立には、HIV-1潜伏感染細胞をターゲットとした治療法の開発が必要である。



ヒストンデアセチラーゼの働きを抑えて、ヒストンの高アセチル化を引き起こすことにより遺伝子発現に影響するヒストンデアセチラーゼ(histone deacetylase, HDAC)阻害剤は、がん遺伝子あるいはがん抑制因子の発現を変化させることにより、抗腫瘍効果を発揮する。すでに、いくつかのHDAC阻害剤は、固形及び血液学的腫瘍に対する治療法として、単独あるいは併用療法として、臨床開発の初期段階にある。



一方、C型肝炎ウイルス感染症と肝細胞がん、ピロリ菌感染と胃がんなど、慢性感染症と発がんには関連性があることが知られている。これには、炎症性シグナル伝達系の活性化や各種遺伝子の発現誘導など、慢性炎症としてがんと共通する分子メカニズムを持つことが関与していると考えられている。



最近、エンチノスタット(entinostat)、ボリノスタット(vorinostat)等のいくつかのHDAC阻害剤はHIV-1潜伏感染細胞(リザーバー細胞)を活性化して、HIV-1産生を誘導することが報告された(非特許文献1)。



特許文献1及び2、並びに非特許文献2には、HDAC阻害剤であるエンチノスタット、チダミド(chidamide)等のベンズアミド誘導体が悪性腫瘍、自己免疫疾患、皮膚病、寄生虫感染症の治療・改善剤として有用であることが記載されている。



これまで、エンチノスタットによるHIV-1感染ヒト単核球に対する特異的細胞死誘導効果に関する報告はない。

産業上の利用分野


本発明は、HIV-1感染を治療又は予防するために用いられる薬剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I):
【化1】


(式中、Ar及びArは同一又は異なり、置換又は無置換の芳香族基であり、Xは-CHO-又は-CH=CH-である。)
で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有するHIV-1感染細胞殺傷剤。

【請求項2】
前記式(I)において、Ar及びArは同一又は異なり、フェニル基又はピリジル基を表し、当該フェニル基又はピリジル基はアミノ基、C1-6-アルキル基及びハロゲン原子から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい請求項1記載のHIV-1感染細胞殺傷剤。

【請求項3】
前記式(I)において、Arはピリジル基であり、Arはアミノ基及びハロゲン原子から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基である請求項1記載のHIV-1感染細胞殺傷剤。

【請求項4】
HIV-1感染者であって、がんに罹患していない者を投与対象とする請求項1~3のいずれか1項に記載のHIV-1感染細胞殺傷剤。

【請求項5】
請求項1に記載の式(I)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物と、抗HIV-1薬とを含有するHIV-1感染の治療又は予防用組成物。

【請求項6】
抗HIV-1薬がHIV-1プロテアーゼ阻害剤から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載のHIV-1感染の治療又は予防用組成物。

【請求項7】
HIV-1感染の治療又は予防において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
(a)請求項1に記載の式(I)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤、及び
(b)抗HIV-1薬を含有する製剤
を含む組み合わせ製剤。

【請求項8】
抗HIV-1薬がHIV-1プロテアーゼ阻害剤から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載の組み合わせ製剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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