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ドレブリンA発現抑制作用を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P03P000879
整理番号 A091P20
掲載日 2003年7月10日
出願番号 特願2001-107694
公開番号 特開2002-300884
登録番号 特許第4101467号
出願日 平成13年4月5日(2001.4.5)
公開日 平成14年10月15日(2002.10.15)
登録日 平成20年3月28日(2008.3.28)
発明者
  • 白尾 智明
  • 関野 祐子
  • 田中 聡一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ドレブリンA発現抑制作用を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド 新技術説明会 実績あり
発明の概要 【課題】 脆弱X症候群の治療薬等としての有用性が期待できる、ドレブリンAの発現を特異的に抑制することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供すること。
【解決手段】 ドレブリンAに特異的に存在し、動物種を超えてその配列がよく保存されているins2領域のaggcatcggacagtgggccttcct(配列番号5)のアンチセンス鎖である24-merのS-オリゴ(5′-AGGAAGGCCCACTGTCCGATGCCT-3′)や、前記配列番号5に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつドレブリンA発現抑制作用を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドや、それらの誘導体を調製する。
従来技術、競合技術の概要


神経細胞は、他の体細胞には見られない非常に複雑な形状を有し、核をもつ原形質部分である細胞体からは、樹状突起と軸索突起という2種類の突起が伸びている。樹枝状に伸びる樹状突起はスパイン(spine)と呼ばれる無数の棘構造を有し、他の細胞からの情報を受け取る機能をもつシナプス後部を形成している。この神経細胞特異的形態は、神経特異的なアクチン結合タンパクにより決定される。他方、本発明者らは、発生過程の神経細胞に多量発現するアクチン結合タンパクドレブリン(Drebrin)を世界に先駆けて発見し(J. Neurochem. 44, 1210-1216(1985)、J. Biochem. 117, 231-236 (1995))、このドレブリンがアクチンファイバーの性状を変えることにより神経細胞の形態形成、特に突起形成に関わっていること(J. Neurosci. Res. 38: 149-159 (1994) 、Exp. Cell Res. 215:145-153 (1994) 、J. Biol. Chem. 269:29928-29933 (1994))や、発生中で移動している神経細胞では、細胞体と突起全体に存在するが、成熟した神経細胞では棘構造中に特異的に存在すること(J. Neurosci. 15: 7161-7170 (1996)、Dev. Brain Res. 29, 233-244 (1986)、Brain Res. 413, 374-378 (1987))を既に証明している。ドレブリンには、胚性型(embryonic type)のドレブリンEと成体型(adult type)のドレブリンAという2つのアイソフォームが存在しており(J. Biochem. 117, 231-236 (1995))、成熟した神経細胞のスパインに特異的に見られるドレブリンAは、神経細胞にしか発現しないという特徴を有している(Dev. Brain Res. 29, 233-244 (1986)、Brain Res. 413, 374-378 (1987))。ドレブリンAはalternative splicing機構によりドレブリンEに“ins2”と呼ばれる領域が加わった配列をしている。すなわち、5′側から956base~1093baseにgtcgtccgtactgccctttcataaaggcatcggacagtgggccttcctcctcctcctcttcctcctcttcccctccacggactccctttccctatatcacctgccaccgcaccccaaacctctcttcctccctcccat)[配列番号1]が挿入されて発現したものである(Mol. Brain Res. 19, 101-114 (1993)、Neuroreport 3, 109-112 (1992))。



また最近、本発明者らは、ドレブリンAを初代培養神経細胞に発現させると自動的に樹状突起スパインに集まり、しかもその長さを長くしたり、ある一つのタンパク合成量を変化させることによってスパインの形態を変化させることができることを報告している(J. Neurosci. 19, 3918-3925 (1999))。その他、ドレブリンの所属するタンパクファミリーに関して、ドレブリンがADF Homology Domainをもったアクチン結合タンパクの一種に分類できる可能性が示唆されている(Mol. Biol. Cell 9, 1951-1959 (1998))。また、ドレブリンのホモローグとしてSH3P7が発見されているが、SH3P7の機能が明らかになりつつある(Mol. Cell. Biol. 19, 1539-1546 (1999) 、Nature Biotech. 14, 741-744 (1996))。



その他、神経栄養因子BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)を特異ノックアウトするアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し、外来性のBDNFがスパイン密度をインビボ及びインビトロで増加させるエストラジオールの効果を遮断し、選択的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたBDNFの発現抑制がエストラジオールに似た効果をもたらし、抗BDNF抗体によりスパイン密度が増加するなど、スパイン密度の調節に関与するBDNFの役割が明らかにされている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 11412-11417, 1998)。また、脆弱X症候群(fragile X syndrome)は、X染色体にフラジャイル・サイトが存在するため起こる遺伝性の精神遅滞の原因としては最も頻度の高い病気であり、X染色体上の遺伝子FMR1の発現異常、主に発現欠損により引き起こされ、FMR1の発現異常は脳神経系の形態異常を伴うが、かかる脆弱X症候群などの脳神経疾患の治療法は、現在のところ見つかっていない。

産業上の利用分野


本発明は、ドレブリンA発現抑制作用を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドやその誘導体、それらを担持したベクター、ドレブリンAの過剰発現・機能亢進に起因する疾病の治療薬等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号6に示される塩基配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチド。

【請求項2】
配列番号5に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつドレブリンA発現抑制作用を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド。

【請求項3】
請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドのリン酸エステル基をチオリン酸エステル基或いはメチルホスホネート基で置換したもの、及び、請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドのリボース部分の水酸基をメトキシ或いはアリロキシからなるアルコキシ基、アミノ基、又はフッ素原子で置換したもの、から選択される請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドの誘導体。

【請求項4】
請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又は請求項3記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドの誘導体を担持したベクター。

【請求項5】
配列番号7示されるアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体。

【請求項6】
モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項5記載の抗体。

【請求項7】
請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又は請求項3記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドの誘導体を有効成分とするドレブリンAの過剰発現・機能亢進に起因する疾病の治療薬。

【請求項8】
請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又は請求項3記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドの誘導体と薬学的に許容される細胞内導入試薬とからなるドレブリンAの過剰発現・機能亢進に起因する疾病の治療薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[C07-04]
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 脳を創る 領域
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