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血液適合性に優れたセラミック及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P020000318
整理番号 U1997P044
掲載日 2003年5月27日
出願番号 特願平10-067459
公開番号 特開平11-262658
登録番号 特許第2952351号
出願日 平成10年3月17日(1998.3.17)
公開日 平成11年9月28日(1999.9.28)
登録日 平成11年7月16日(1999.7.16)
発明者
  • 高島 征助
  • 尾坂 明義
  • 大槻 主税
  • 早川 聡
出願人
  • 国立大学法人岡山大学
発明の名称 血液適合性に優れたセラミック及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】血液適合性に優れるシリカ-アルミナ-リン酸カルシウム系セラミックを提供すること、及び該セラミックを製造する方法を提供すること。
【解決手段】上記課題は、血液適合性を有するシリカ-アルミナ-リン酸カルシウム系セラミックの製造方法であって、1)シリカゾル及び硝酸カルシウムの水溶液を調製すること、2)リン酸水素二アンモニウムの水溶液を調製すること、3)前記1及び2)で得られた各水溶液をアルカリ性にすること、4)前記1)の水溶液に、前記2)及び3)の各水溶液を同時に添加すること、5)前記4)で得られた反応混合物を熟成し、焼成することを具備する方法及びこの方法により得られるセラミックによって達成される。
従来技術、競合技術の概要


医療分野において、患者に対する診断、治療の直接的な技術に加え、これらを支えるセンシング技術、医用材料などの飛躍的進歩によって従来不治とされていた重篤な疾患の緩解、更には完治も望めるようになった。しかし、疾病によっては患者自身の臓器の機能の廃絶によって置換外科的療法しか生命の維持、機能の維持が望めない場合も多い。このような場合の最適の治療方法は、臓器移植であるが、提供される臓器の不足、更には、提供された臓器と患者との間の厳密なレベルでの組織適合性の欠損など今後解決されなければならない多くの問題がある。このような状況から、特に慢性腎不全症の患者には、血液透析療法が行われている。現在、我が国では約15万人の患者がこの治療の対象となり、治療歴20年という延命効果も珍しくない。このように血液透析療法によって延命効果が認められるものの、小分子量蛋白質の除去が困難であるという血液透析療法に使用される透析膜の性能の根本的な問題から、患者の血液中に病因物質であるこれら小分子量蛋白質が蓄積され、骨痛、皮膚の掻痒感などが起こり、これらの改善が求められている。しかし、これらの病因物質と血液の有効成分であるアルブミンは分子量が接近しているため、透析膜での分画除去は困難である。このようなことから、これら病因物質を選択的に除去する方法の早期開発が望まれてはいるが、現時点で有効な方法は見出されていない。
更に、シリカ-アルミナはその表面にブレンステッド酸点が存在し、しかもシリカ/アルミナ組成比を任意に変更すること、更に焼成温度によってその表面の酸性度を調節できること、比表面積が大きく熱安定性もあることから工業用触媒として多用されている。本発明者の一人は、これまでにシリカ-アルミナの酸性点に着目して、その血液浄化用吸着剤としての可能性を検討し、シリカ-アルミナがin vitro試験でB型肝炎抗原除去効果(特開昭61-137821、特開昭61-226058、特開昭62-266072、特開昭63-093728)、ヒト免疫不全症候群ウイルスの除去効果(特開平2-288832)を有することを確認している。
しかし、上記特許出願で検討した一連の吸着剤は主目的の病因物質を効率的に除去しうるものの、血液適合性に難点があった。
一方、セラミックを素材にした血液浄化用吸着剤が、ヒドロキシアパタイトを中心に検討されている。ヒドロキシアパタイトは、元来生体の骨組織の主成分であり、血液適合性を有している。ヒドロキシアパタイトがすぐれた血液適合性を有することは、血液成分に対して刺激が少ないことによるものであり、この結果、病因物質の吸着除去性能は不十分となる。
従って、上記病因物質を選択的に除去でき、しかも血液適合性を有するセラミックの開発が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、血液適合性の優れたセラミック及びその製造方法に関する。特に本発明は、リン酸カルシウムを含有するシリカ-アルミナ系セラミック及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
血液適合性を有するシリカ-アルミナ-リン酸カルシウム系セラミックの製造方法において、該方法が
1)シリカゾル及び硝酸カルシウムの水溶液を調製する工程
2)リン酸水素二アンモニウムの水溶液を調製する
3)アルミナゾルを調製する工程
)前記1)及び2)の工程で得られた各水溶液をアルカリ性にする工程
5)前記4)の工程で得られたシリカゾル及び硝酸カルシウムのアルカリ性水溶液に、前記4)の工程で得られたリン酸水素二アンモニウムのアルカリ性水溶液及び前記3)の工程で得られたアルミナゾルを同時に添加する工程、並びに
)前記の工程で得られた反応混合物を熟成し、00から600℃の温度で焼成する工程
を具備し、かつ前記5)の工程で用いるシリカゾルとアルミナゾルのシリカ/アルミナ重量組成比が3/7から5/5であることを特徴とする方法。

【請求項2】
前記リン酸水素二アンモニウム及び硝酸カルシウムが、焼成後のカルシウムとリンの原子比がCa/P=1.68となるような量で使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項3】
血液適合性を有するシリカ-アルミナ-リン酸カルシウム系セラミックにおいて、該セラミック
1)シリカゾル及び硝酸カルシウムの水溶液を調製する工程
2)リン酸水素二アンモニウムの水溶液を調製する
3)アルミナゾルを調製する工程
)前記1)及び2)の工程で得られた各水溶液をアルカリ性にする工程
5)前記4)の工程で得られたシリカゾル及び硝酸カルシウムのアルカリ性水溶液に、前記4)の工程で得られたリン酸水素二アンモニウムのアルカリ性水溶液及び前記3)の工程で得られたアルミナゾルを同時に添加する工程、並びに
)前記の工程で得られた反応混合物を熟成し、00から600℃の温度で焼成する工程
を具備する方法により製造されるものであり、かつシリカ/アルミナの重量組成比が3/7から5/5であるセラミック。

【請求項4】
カルシウムとリンの原子比が、Ca/P=1.68であることを特徴とする請求項3に記載のセラミック。

【請求項5】
焼成後のリン酸カルシウムの含有量が7から10重量%である請求項3又は4に記載のセラミック。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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