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エピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質 コモンズ

国内特許コード P03A000097
整理番号 Y00-P213
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2000-314288
公開番号 特開2002-119286
登録番号 特許第4007477号
出願日 平成12年10月13日(2000.10.13)
公開日 平成14年4月23日(2002.4.23)
登録日 平成19年9月7日(2007.9.7)
発明者
  • 芝 清隆
  • 大野 典也
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 エピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質 コモンズ
発明の概要 【課題】 従来の手法からは十分な免疫応答誘導活性が得られないHIVのgp120ループ3等のペプチド性エピトープに強い免疫応答誘導能力を付与し、エイズウイルス中和活性等を有する特異抗体を効率よく作製する手法を提供すること。
【解決手段】 ペプチド性エピトープのアミノ酸配列の全部又はその一部を含み、タンパク質の高次構造形成を補助する性質が付与されたアミノ酸配列や、免疫担当細胞による抗原提示処理を補助する性質が付与されたアミノ酸配列から構成されているエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質を調製する。次いで、該人工タンパク質を用いて常法により前記ペプチド性エピトープに対する抗体を効率よく作製する。
従来技術、競合技術の概要


分子進化工学の誕生により、生命反応の根幹を形成するタンパク質あるいはそれらをコードする遺伝子DNAを、実験室の中で人工的に創り出すことが行われている。この技術により、自然には存在しない新たな活性を持った酵素・タンパク質や、天然のタンパク質とは大きく構造の異なるタンパク質を産み出すことが可能となり、医療領域や工学領域への様々な応用が期待されている。分子進化工学では、タンパク質又はそれをコードする遺伝子を構成するアミノ酸又はヌクレオチドのブロック単位のランダムな重合体プールの中から、目的とする活性を持つ分子を選び出す操作が行われる。例えば、Szostakらのグループは、100塩基の長さをもつランダムな配列をもったDNA集団をDNA合成機で作製し、このDNA集団をインビトロでRNAに転写し、1013の多様性をもつRNA集団を用意し、このRNA集団の中から特定の色素に特異的に結合するRNA分子を選択し、どのような配列構造を有するRNA分子が与えられた機能を満足するかについて報告している(Nature,346:818-822,1990)。Szostakらのグループはさらに同様のアプローチで、リガーゼ活性といったより複雑な活性をもつRNA分子を創出することに成功している(Science,261:1411-1418,1993)。



一方、遺伝子は小さな遺伝子が繰り返し重合して誕生したのではないかという仮説があり(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:3391-3395,1983)、また、繰り返し構造に富むポリペプチドは安定な高次構造を取りやすいと考えられるので、大きなタンパク質や遺伝子を対象とする分子進化工学では、短い構造単位を繰り返し重合させ巨大分子を合成する技術が要求されている(Nature,367:323-324,1994)。短いDNA単位の繰り返し重合体を得る方法として、ローリング・サークル合成法が報告されている(Proc,Natl,Acad.Sci.USA,92:4641-4645,1995)が、この方法はリン酸化反応、連結反応、重合反応、二本鎖形成反応などのステップを何段階も経なければならないため、反応系が複雑である。



そこで本発明者らは、効率的かつ単純にマイクロ遺伝子の繰り返し重合体を作製する方法として、少なくとも一部の配列が互いに相補しているオリゴヌクレオチドA及びオリゴヌクレオチドBに、DNAポリメラーゼを作用させて重合反応を行うことを特徴とするマイクロ遺伝子重合法(特開平9-322775号公報)を提案している。



また、絹タンパク質やエラスチン等の天然タンパク質の反復単位に類似する反復単位を有するアミノ酸ポリマーをコードするDNA(特開平10-14586号公報)や、繰返しアミノ酸配列を有する人工タンパク質をコードする遺伝子カセット(米国特許第5089406号明細書)や、アミノ酸の繰返し配列を有する大ポリペプチド作製用の合成反復DNA(米国特許第5641648号明細書)や、アミノ酸の繰返し単位を有するペプチドをコードするDNA配列(米国特許第5770697号明細書)や、アミノ酸の反復配列を含む大ポリペプチド作製用の合成反復DNA(米国特許第5830713号明細書)が知られている。また、6つの読み枠の1つがαヘリックス構造を形成しやすいDNA断片をデザインし、そこから作成したライブラリーが高頻度に安定なタンパク質をコードすることや、同様に、6つの読み枠の中の1つがβストランド構造を形成しやすいDNA断片をデザインすることが報告(Proc,Natl,Acad.Sci.USA,94:3805-3810,1997)されている。



従来また、ペプチド性エピトープの抗原性を増強する手法としては、ペプチド性エピトープをタンデムにいくつも連結し、得られる種々のペプチド性エピトープのタンデム重合体を免疫原として用いる手法が知られており(J. Immunol. 153:5634-5642, 1994)、例えば米国特許第5,951,986号明細書には、HIVのエピトープを多価にもつペプチドの免疫原としての利用について開示されている。また、枝状に連結し多価にエピトープをもつ巨大分子を作製する方法(米国特許第5,229,490号明細書、特表平08-511007号公報)や、ペプチド性エピトープを提示するファージを免疫原として利用する方法(Nature Biotechnology, 18:873-876, 2000)なども知られている。

産業上の利用分野


本発明は、エピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質や、該人工タンパク質を含んでなる免疫応答の誘導剤や、該人工タンパク質を抗原として用いる抗体の製造方法や、該人工タンパク質を有効成分として含有する機能性食品や、該人工タンパク質を発現する腸内細菌からなる脱感作・免疫寛容状態の誘導剤や、該人工タンパク質をコードするDNAを含んでなる免疫応答誘導用DNAワクチン等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ペプチド性エピトープのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列から構成されていることを特徴とするエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質の製造方法であって、
前記人工タンパク質をコードするDNAとして、塩基配列の読み枠を異にした場合に、該塩基配列の少なくとも1つの読み枠にペプチド性エピトープがコードされ、他の読み枠に該ペプチド性エピトープの抗原性を高めるαヘリックス形成能力、βシート形成能力、疎水性度向上能力に関する性質、又は、クラスI、クラスIIのMHC分子との親和性向上能力に関する性質を付与しうるペプチドがコードされているDNAの重合体を用い
この人工タンパク質をコードするDNAを発現させる
ことを特徴とする人工タンパク質の製造方法

【請求項2】
ペプチドタグ又はマーカータンパク質が融合している人工タンパク質であることを特徴とする請求項1記載のエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質の製造方法

【請求項3】
ペプチドタグがポリヒスチジン残基であることを特徴とする請求項2記載のエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質の製造方法

【請求項4】
ペプチド性エピトープのアミノ酸配列が、配列番号1に示されるアミノ酸配列であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質の製造方法

【請求項5】
ペプチド性エピトープのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列が、配列番号24~47のいずれかに示されるアミノ酸配列であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質の製造方法

【請求項6】
請求項1~5のいずれか記載の製造方法により得られる、ペプチド性エピトープのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列から構成されていることを特徴とするエピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質。

【請求項7】
塩基配列の読み枠を異にした場合に、該塩基配列の少なくとも1つの読み枠にペプチド性エピトープがコードされ、他の読み枠に該ペプチド性エピトープの抗原性を高めるαヘリックス形成能力、βシート形成能力、疎水性度向上能力に関する性質、又は、クラスI、クラスIIのMHC分子との親和性向上能力に関する性質を付与しうるペプチドがコードされているDNAの重合体からなり、ペプチド性エピトープのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列から構成されており、エピトープの免疫原性が増強された人工タンパク質をコードするDNA。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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