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光パルス発生方法およびその装置 コモンズ

国内特許コード P03A000105
整理番号 Y00-P232
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2000-306022
公開番号 特開2002-116420
登録番号 特許第4044277号
出願日 平成12年10月5日(2000.10.5)
公開日 平成14年4月19日(2002.4.19)
登録日 平成19年11月22日(2007.11.22)
発明者
  • 小西 毅
  • 一岡 芳樹
  • 岩本 匡平
  • 長坂 由起子
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光パルス発生方法およびその装置 コモンズ
発明の概要 【課題】再帰的なフォトクロミック過程を持つ光材料を用い、複雑な機構を必要としないで高繰り返し速度の光パルス列を発生する。
【解決手段】 初期状態で波長λ1 に吸収帯をもち、λ1 の光を照射するとその光を吸収して別の波長λ2 に吸収帯をもつシフト状態に遷移し、その状態で波長λ2 の光を照射するとλ1 の吸収帯をもつ初期状態に戻る再帰的なフォトクロミック過程をもつ光材料の光デバイス1に、λ1 とλ2 の2つの連続光を重畳させて照射する。このときλ2 の連続光をわずかに先行させて照射し、光デバイス1を初期状態にセットしておく。すると、初期状態とシフト状態の間での状態遷移が自己誘導的にサイクリックに引き起こされる。その結果、光デバイス1からの透過光は、光デバイス1内の吸収/透過のオン、オフでスイッチングされ、連続的な光パルス列が得られる。
従来技術、競合技術の概要


従来、高速で繰り返される光パルス列を連続発生させる技術としては、半導体レーザ、ファイバレーザ、固体レーザなどを用いるものがある。これらのレーザを用いて高速の光パルス列を発生させるには、通常、共振器内を走行する光パルスの周期をロックする(引き込む)モード同期方式がとられる。モード同期方式には、共振器内に光変調器を挿入して損失変調をかける能動方式と、入射光強度に対して吸収係数が非線形に変化する過飽和吸収体を共振器内に挿入して受動的にモード同期をとる受動方式などがある。しかし、これらはいずれも機構が複雑であり、また高価であることや、面型デバイスとして使用することが難しいなどの問題がある。



ところで近年、光を吸収すると吸収波長帯や屈折率などの光学特性を可逆的なサイクルで変化させる、いわゆる再帰的なフォトクロミック過程をもつ光材料が注目を集めている(参考文献1、2、3参照)。この光材料は有機高分子材料の一種で、ある吸収波長帯をもつ初期状態で特定の波長の光を照射されると、吸収波長帯をシフトさせたシフト状態に遷移し、シフト状態で別の特定の波長の光を照射されると、元の初期状態に復帰する性質を備えており、構造が単純で面型デバイスに適合しやすいことから、光メモリや光スイッチング素子などの各種デバイスへの応用が期待されている。しかし、光パルス発生装置への適用例はまだ見られない。



〔参考文献〕
1. 辻岡 強,“二光子吸収による書換え型光メモリー”, O plus E ,
Vol.20 ,No.9, pp.1033-1037.
2. 河合 壮・入江 正浩, “フォトクロミック導電性高分子の光記憶
性”, 高分子加工 49巻1号(2000年),pp.19-24.
3. 岡田佳子,“光受容性タンパク質バクテリオロドプシンとは”,
パリテイ Vol.10 No.10 1995-10, pp.26-36.

産業上の利用分野


本発明は、光通信、光情報処理等の分野に利用される高速の光パルス列を連続的に発生するための光パルス発生方法および光パルス発生装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
光学的特性の異なる初期状態とシフト状態を有し、特定の第1の波長の光の照射により初期状態からシフト状態へ遷移し、他の特定の第2の波長の光の照射によりシフト状態から初期状態へ遷移する再帰的なフォトクロミック過程を持つ材料の光デバイスにおいて、特定の第1の波長の連続光と特定の第2の波長の連続光を重畳させて照射し、光デバイス自己誘導的に連続的に生じる状態遷移の繰り返しに基づいて、光デバイスから出力される透過光の強度を変化させ、光パルスを連続的に発生することを特徴とする光パルス発生方法。

【請求項2】
前記初期状態とシフト状態で異なる光デバイスの光学的特性は、光吸収帯特性であることを特徴とする請求項1に記載の光パルス発生方法。

【請求項3】
前記光デバイスの光吸収帯特性は、シフト状態で生じる前記特定の第1の波長を含む第1の光吸収帯領域と、初期状態で生じる前記特定の第2の波長を含む第2の光吸収帯領域からなることを特徴とする請求項2に記載の光パルス発生方法。

【請求項4】
前記特定の第1の波長の連続光を前記特定の第2の波長の連続光よりも先に照射することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の光パルス発生方法。

【請求項5】
光デバイスの材料は、バクテリオロドプシンであることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の光パルス発生方法。

【請求項6】
光学的特性の異なる初期状態とシフト状態を有し、特定の第1の波長の光の照射により初期状態からシフト状態へ遷移し、他の特定の第2の波長の光の照射によりシフト状態から初期状態へ遷移する再帰的なフォトクロミック過程を持つ材料の光デバイスと、
特定の第1の波長の連続光を発生して光デバイスに照射する第1のレーザ光源と、
特定の第2の波長の連続光を発生して光デバイスに照射する第2のレーザ光源を備え、
第1のレーザ光源からの特定の第1の波長の連続光と第2のレーザ光源からの特定の第2の波長の連続光は、重畳して光デバイスに入射、光デバイスに自己誘導的に連続的に生じる状態遷移の繰り返しに基づいて、光デバイスから出力される透過光の強度を変化させ、光パルスを連続的に発生することを特徴とする光パルス発生装置。

【請求項7】
前記初期状態とシフト状態で異なる光デバイスの光学的特性は、光吸収帯特性であることを特徴とする請求項6に記載の光パルス発生装置。

【請求項8】
前記光デバイスの光吸収帯特性は、シフト状態で生じる前記特定の第1の波長を含む第1の光吸収帯領域と、初期状態で生じる前記特定の第2の波長を含む第2の光吸収帯領域からなることを特徴とする請求項7に記載の光パルス発生装置。

【請求項9】
前記第1のレーザ光源からの連続光は、前記第2のレーザ光源からの連続光よりも先に光デバイスに入射されることを特徴とする請求項6ないし請求項8に記載の光パルス発生装置。

【請求項10】
光デバイスの材料は、バクテリオロドプシンであることを特徴とする請求項6ないし請求項9に記載の光パルス発生装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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