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金属硫化物触媒を用いた一酸化炭素の水素化法

国内特許コード P03A000462
整理番号 U2001P053
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2001-217017
公開番号 特開2003-027064
登録番号 特許第3742816号
出願日 平成13年7月17日(2001.7.17)
公開日 平成15年1月29日(2003.1.29)
登録日 平成17年11月25日(2005.11.25)
発明者
  • 山田 宗慶
  • 小泉 直人
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 金属硫化物触媒を用いた一酸化炭素の水素化法
発明の概要 簡略化されたプロセスで温和な条件のもと、一酸化炭素を高い転化率で水素化し得る方法を提供する。一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素とPdとを含む担持金属硫化物触媒に接触させて、合成燃料を得ることを特徴とする。前述の金属硫化物は、固体酸との複合触媒として用いて、合成燃料を得ることもできる。また、前記担持金属硫化物触媒の担体は、マグネシア、カルシアおよびシリカからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
従来技術、競合技術の概要
現在、石油、石炭、天然ガス、バイオマス、その他の炭素資源から有用な有機化学品を得る手段としては、次のような方法が工業的に行なわれている。まず、リフォーミング反応や石炭のガス化反応などによって、これらの炭素資源から一酸化炭素と水素とを含む混合ガス(合成ガス)を得る。次いで、こうした混合ガスを、特定の触媒の存在下、高温、高圧で反応させることにより、アルカンやアルケンなどの炭化水素、アルコール、およびエーテルなどの含酸素化合物に転換する。
【0003】
このようにして得られた有機化学品は、その製造プロセスの特性から、硫黄化合物や窒素化合物などを含まないため、各種燃焼用燃料として用いた場合には、有害物質の発生を抑制することができる。特に、工業的に合成ガスから大量に得られているメタノールは、ガソリン基材あるいは添加剤としてのみならず、最近は燃料電池用の水素源としても注目されており、より生産性の高い製造法が望まれている。
【0004】
上述したような合成ガスから炭化水素やアルコールなどを合成する反応には、CuやFeあるいはCoなどの金属を含む特定の触媒が用いられている。これらの触媒については、Studies in surface science and catalysis,vol.81,NATURAL GAS CONVERSION,H.E.Curry-Hyde,R.F.Howe,Elsevier(1994)などに詳しく記載されている。
【0005】
合成ガスからメタノールを合成するための触媒としては、商業的にはCu系触媒が最もよく使用されている。しかし、Cu以外にもRh、Pd、Ir、Ptなどもアルコール合成活性を示すことが知られており、さらにアルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいは希土類を添加することによって、その合成活性が向上することも知られている。
【0006】
例えば、米国特許4,119,656号には、シリカ担持Pd(Pd/SiO2)によりメタノールを選択的に生成できることが記載されている。また、米国特許4,289,709号および4,289,710号には、Li、Mg、Sr、Ba、MoおよびCaがPd/SiO2のメタノール生成を促進することが記載されている。さらに、A.Gotti and R.Prins,Journal of Catalysis,175,302-311(1998)にも、CaやLaの添加により、Pd/SiO2の(メタノール+ジメチルエーテル)合成活性と選択性が格段に向上することが述べられている。
【0007】
これらのアルコール合成活性を示す金属の中でも、前述のCu系触媒は、比較的安価で入手しやすいことから、商業的に広く使用されている。しかしながら、Cu系触媒は、原料ガス中の種々の化学物質により劣化し、特に、硫化水素などの硫黄化合物に対しては、そのわずかな量の混入によって短時間で失活してしまう(硫黄被毒)。このため、工業的には、合成ガスの製造装置や一酸化炭素の水素化反応装置の前に脱硫設備を設けて、原料ガス中に含有される硫黄化合物をppbのオーダーの量まで低減しなければならない。その結果、前述の触媒を用いるには、プロセスが複雑化かつ高価なものとなることが避けられない。
【0008】
さらに、このような脱硫設備を設けたところで、何らかのトラブルにより硫黄化合物を含む原料ガスがアルコール合成反応系に流入すれば、高価な触媒がダメージを受け、新品と交換せざるを得ない事態にもなる。
【0009】
硫黄被毒に対する耐性を付与した触媒として、Mo、W、Re、Ru、Ni、Pd、Rh、Os、IrあるいはPtの硫化物、酸化物または金属と、アルカリまたはアルカリ土類金属化合物とを含む触媒を用いて、アルケン炭化水素を製造する方法が、特開昭55-139324および55-139325号公報に開示されている。ここでは、MoO3-K2O-カーボランダムからなる触媒に合成ガスを流通させ、その合成ガスが硫化水素20ppmを含む場合と含まない場合とで、活性およびガス相アルケン選択性に著しい変化がないことが実施例で述べられている。また、特公平4-51530および米国特許4,749,724号には、アルカリ金属やアルカリ土類金属を添加したMo、WあるいはReの硫化物が、原料ガスに硫化水素が混入していても10MPa前後の高圧下であれば、C1~C4のアルコールを生成することが述べられている。
産業上の利用分野
本発明は,担持金属硫化物触媒を用いた一酸化炭素の水素化法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素とPdとを含み、マグネシア、カルシアおよびシリカからなる群から選ばれる少なくとも一種を担体とする担持金属硫化物触媒に接触させて、メタノールおよび/またはジメチルエーテルを得ることを特徴とする一酸化炭素の水素化法。
【請求項2】 一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素とPdとを含み、マグネシア、カルシアおよびシリカからなる群から選ばれる少なくとも一種を担体とする担持金属硫化物および固体酸を含む触媒に接触させて、メタノールおよび/またはジメチルエーテルを得ることを特徴とする一酸化炭素の水素化法。
【請求項3】 前記固体酸は、γ-アルミナである請求項2に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項4】 前記原料ガスは、1~10000ppmの硫黄化合物を含有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項5】 前記原料ガスにおける水素と一酸化炭素との比(H2/CO)は1~5であり、前記原料ガスと前記触媒との接触は、温度100~400℃、圧力0.1~10MPaの条件下で行なわれる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項6】 前記原料ガスにおける水素と一酸化炭素との比(H2/CO)は3以下である請求項5に記載の一酸化炭素の水素化法。
産業区分
  • 液体燃料・油脂
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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