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NaV2チャネル遺伝子欠損非ヒト動物 外国出願あり

国内特許コード P03A000464
整理番号 U2001P059
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2001-222263
公開番号 特開2002-360116
登録番号 特許第4701374号
出願日 平成13年7月23日(2001.7.23)
公開日 平成14年12月17日(2002.12.17)
登録日 平成23年3月18日(2011.3.18)
優先権データ
  • 特願2000-237320 (2000.8.4) JP
  • 特願2000-241637 (2000.8.9) JP
発明者
  • 野田 昌晴
  • 渡辺 英治
出願人
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明の名称 NaV2チャネル遺伝子欠損非ヒト動物 外国出願あり
発明の概要 塩分過剰摂取実験モデル動物として有用な、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示すヌル変異非ヒト動物、例えばNaV2チャネル遺伝子欠損非ヒト動物を提供する。ラットNaGcDNAをプローブとして、マウスのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし、ゲノムDNAのNaV2遺伝子を単離し、NaV2のエキソン部分に、ネオ遺伝子等マーカー遺伝子を挿入してターゲットベクターを作製し、作製されたターゲットベクターをES細胞に導入し、相同的組換えを起こしたES細胞を選択し、このES細胞系を用いて生殖系列のキメラマウスを作製し、野生型マウスと交配させることによって得られるヘテロ接合体マウス同士を交配させることによってNaV2ノックアウトマウスを作製する。
従来技術、競合技術の概要
電位依存性ナトリウムチャネルは、電位依存性カリウムチャネルとともに、神経細胞、筋肉細胞等の興奮性細胞において活動電位の発生と伝播に中心的役割を担うイオンチャネルとして知られている。ナトリウムチャネルタンパク質は、電位検出系をもつイオン選択的チャネルを構成し、270kDaの糖タンパク質からなるα-サブユニットと、1つ又は2つのより小さいβ-サブユニットから構成されている。電位依存性ナトリウムチャネルは、細胞膜が静止電位(通常-70~-90mV)にある時は閉じているが、細胞膜が脱分極するとチャネルが開き、1msec程度の後にチャネルが閉じることから、ナトリウムチャネルタンパク質分子は、膜電位を感受する電位センサーとそれに連動して動く活性化依存性、ナトリウムイオンを選択的に透過するための選択性フィルター、及び不活性化依存性を構成しているといわれている。
【0003】
本発明者等による脳のナトリウムチャネルタンパク質α-サブユニットcDNAタイプI、II及びIIIの同定(Nature 320,188-192(1986)、FEBS Lett.228,187-194(1988))以来、多くの構造的に関連するα-サブユニットのアイソフォームが各種の組織からクローニングされており、これらは多重遺伝子族を形成している。最近になって興奮性細胞のほかにも、グリア細胞もまた電位感受性ナトリウム電流を発現することが見出され(Trends Neurosci.19,325-332(1996))、in situハイブリダイゼーション、RT-PCR、ノーザンブロット及び免疫細胞化学などの手法によって、グリア細胞における脳-タイプI、II、III、H1、NaS、NaCH6等の存在が報告されている(Glia 26,92-96(1999))。しかし、いわゆる電気的に非興奮性の細胞における電位依存性ナトリウムチャネルの機能は解明されていない。
【0004】
数年前、電位依存性ナトリウムチャネルα-サブユニットと相同性のある部分cDNAがラット星状膠細胞に由来するcDNAライブラリーからクローニングされNaGと命名された(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89,7272-7276(1992))。これに引き続き同様なα-サブユニットアイソフォームが各種の動物種から独立にクローニングされている。例えば、ヒトの心臓からのNaV2.1(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89,4893-4897(1992))、マウスの動脈腫瘍細胞株からのNaV2.3(J.Biol.Chem.269,30125-30131)及びNaGのスプライシングヴァリアントに相当するラットの脊髄神経節由来のSCL11が報告されている(FEBS Lett.400,183-187(1997))。これらは配列の相同性から、異なる種における対応する遺伝子(species ortholouges)とも考えられ、電位依存性ナトリウムチャネル(NaCh)α-サブユニットファミリーの中で異なるサブファミリーすなわちサブファミリー2NaCh(NaV2)に分類することができる。それらの全アミノ酸配列は、先にクローニングされた電位依存性ナトリウムチャネル群に比べ相同性が50%以下と低く、イオン選択性や電位依存性の活性化・不活性化に関連する領域においてすらもその配列は特異的である。それらの領域は他の全てのサブファミリーメンバーにおいては完全に保存されていることから、NaV2は特別なチャネル特性をもっていると考えられるが、機能的NaV2チャネルをアフリカツメガエル卵母細胞、CHO細胞、HEK293細胞などを用いる異種発現系で発現させる試みはこれまで成功しておらず、生体内におけるNaV2チャネルの機能については全くわかっていなかった。
【0005】
NaG/SCL11は、星状膠細胞からクローンニングされたので、星状膠細胞で発現される電位依存性ナトリウムチャネル(NaCh)の1つと考えられてきたが、その後のin situハイブリダイゼーションによりNaV2は生体内では星状膠細胞に発現しておらずシュワン(Schwann)細胞及び脊髄感覚ニューロンにおいて発現していることが明らかにされた(Glia 21,269-276(1997))。NaGのmRNAは神経系以外、特に肺や心臓に比較的高レベルで検出され、さらに、NaGのmRNAが中枢神経系に存在することがRNaseプロテクション及びノーザンブロット法で示されたが、非同位体プローブを用いるin situハイブリダイゼーションによってはNaGのmRNAは中脳核V(mesencephalic nucleus V)以外において検出できないことが報告されている(Mol.Brain Res.45,71-82(1997))。このことから、NaGのmRNAは中枢神経系全体に低レベルで発現するか又は中枢神経系の特定の領域で限定的に発現しているであろうと考えられる。NaGチャネルがこのように幅広い組織、電気的に非興奮性の細胞を含む幅広い細胞種に分布していることから、NaGチャネルは活動電位の発生と伝播以外の機能があると考えられる。
産業上の利用分野
本発明は、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示す、NaV2チャネル遺伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物や、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質や、それをコードする遺伝子等に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質の機能促進若しくは抑制物質又は発現促進若しくは抑制物質のスクリーニング方法であって、以下の(X)及び(Y)の工程を含み、及び、前記タンパク質が、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質である、方法:
(X)前記タンパク質を発現しているマウス細胞と、被検物質とを接触させる工程:及び、
(Y)前記タンパク質の機能又は発現の変化を測定・評価する工程。
【請求項2】前記タンパク質を発現している細胞が、前記のタンパク質を発現することができる発現系を含んでなる宿主細胞である、請求項1記載の脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質の機能促進若しくは抑制物質又は発現促進若しくは抑制物質のスクリーニング方法
【請求項3】脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質の機能促進若しくは抑制物質又は発現促進若しくは抑制物質のスクリーニング方法であって、以下の(x1)及び(y1)の工程を含み、及び、前記タンパク質が、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質である、方法:
(x1)マウスから得られる神経細胞と被検物質とをインビトロで接触させる工程であって、該マウスが、前記のタンパク質をコードする、マウスの内在性遺伝子が破壊・欠損・置換により不活性化され、Na2を発現する機能を失った、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示すヌル変異マウスであるか、又は、前記のタンパク質を過剰発現するトランスジェニックマウスである、工程
y1)前記タンパク質の機能又は発現の変化を測定・評価する工程。
【請求項4】脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質の機能促進若しくは抑制物質又は発現促進若しくは抑制物質のスクリーニング方法であって、以下の(x2)及び(y2)の工程を含み、及び、前記タンパク質が、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質である、方法:
(x2)マウスにあらかじめ食塩水を投与した後、該マウスから得られる神経細胞を被検物質の存在下で培養する工程であって、該マウスが、前記のタンパク質をコードする、マウスの内在性遺伝子が破壊・欠損・置換により不活性化され、Na2を発現する機能を失った、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示すヌル変異マウスであるか、又は、前記のタンパク質を過剰発現するトランスジェニックマウスである、工程
y2)前記タンパク質の機能又は発現の変化を測定・評価する工程。
【請求項5】脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質の機能促進若しくは抑制物質又は発現促進若しくは抑制物質のスクリーニング方法であって、以下の(x3)及び(y3)の工程を含み、及び、前記タンパク質が、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質である、方法:
(x3)マウスにあらかじめ被検物質と食塩水を投与する工程であって、該マウスが、前記のタンパク質をコードする、マウスの内在性遺伝子が破壊・欠損・置換により不活性化され、Na2を発現する機能を失った、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示すヌル変異マウスであるか、又は、前記のタンパク質を過剰発現するトランスジェニックマウスである、工程
y3)該マウスから得られる神経細胞における前記タンパク質の機能又は発現の変化を測定・評価する工程。
【請求項6】脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質の機能促進若しくは抑制物質又は発現促進若しくは抑制物質のスクリーニング方法であって、以下の(x4)及び(y4)の工程を含み、及び、前記タンパク質が、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質である、方法:
(x4)マウスにあらかじめ被検物質と食塩水を投与する工程であって、該マウスが、前記のタンパク質をコードする、マウスの内在性遺伝子が破壊・欠損・置換により不活性化され、Na2を発現する機能を失った、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示すヌル変異マウスであるか、又は、前記のタンパク質を過剰発現するトランスジェニックマウスである、工程
y4)該マウスにおける前記タンパク質の機能又は発現の変化を測定・評価する工程。
産業区分
  • 畜産
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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05026_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


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