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2次元放射線分布測定方法

国内特許コード P03A000465
整理番号 U2001P054
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2001-223409
公開番号 特開2003-035683
登録番号 特許第3595845号
出願日 平成13年7月24日(2001.7.24)
公開日 平成15年2月7日(2003.2.7)
登録日 平成16年9月17日(2004.9.17)
発明者
  • 内田 俊介
  • 佐藤 義之
  • 古渡 意彦
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 2次元放射線分布測定方法
発明の概要 本発明の目的は、2次元の透過X線分布を小型軽量の検出器で、簡便に撮影し、その透過像(ディジタル・ラジオグラフ)を得ることにある。本発明は、放射線源35から供試体に放射線を照射し、供試体を透過した放射線分布を蓄光体フイルム31に保存する。
従来技術、競合技術の概要
構造物の内部の様子を探る非破壊測定は、大きく超音波反射法とX線透過法に二分される。なかでもX線透過法としては、医療用の比較的低エネルギーのX線を用いたX線透過から高エネルギーのX線を用いた鉄鋼部材の欠陥検査装置までさまざまなものが使用されている。最近では人体主要部位の断層像を撮像するX線CT(Computational Tomography,コンピューテーショナル・トモグラフィ)が普及し、脳、心臓、肺といった部位における異常の早期診断に威力を発揮している。また、自動車のエンジン、ロケットの筺体といった大型構造物の欠陥検査にも透過能の高い高エネルギーのX線を用いたX線CT装置が開発され、構造中の外からは検知できない微小な欠陥の測定に威力を発揮している。また、考古学資料のような貴重な品目の内部構造、材質の検査などにもX線CT装置の使用実績が数多く報告されている。
【0003】
図1に、従来の典型的なX線CT装置の概要構成を示す。X線CT装置では、X線発生源1と複数のX線検出器2とを、検査対象物又は被検体を挟んで相対して配置し、検査対象物を透過したX線を複数の検出器2で測定し、さらにX線源1を任意に移動(回転)させて、任意の断平面の透過像を多数の角度から測定し、集積する。集積された透過像測定データを計算機で処理し、元の構造の密度(X線透過能)の空間分布として再構成し、断面像を求める。
【0004】
装置の主要構成は、X線源1、検出器2、検出回路3、AD変換機4、X線源1と検出器2の位置を制御する位置制御装置5、測定データを蓄積するメモリ6、測定データから断層像再構成する専用ハードウエア7、システム全体を制御するCPU8、断層像、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)等を表示するためのモニタ9、コンソール(操作卓)10、X線源1に対する管電圧を発生する高電圧発生装置11から構成される。
【0005】
透過X線の測定には、小型で分解能が高く、検出効率の高いシンチレーション検出器が使用されることが多い。人体のように長時間固定化の難しい対象物の撮像のためには、1断面の断層像取得のためには1秒以内という高速での撮像が可能となっている。自動車のエンジンといった人工物の断層像撮像の場合も基本構成は同様である。
【0006】
人体の場合には対象物質が、骨を除くとほぼ水と等価な密度を有する低密度物質から構成され、しかも透過厚さも高々数10cmにしか過ぎないため、数10keV程度の低エネルギーX線の使用で十分であり、線源強度も人体への影響が医学上問題のない程度で十分に撮影可能である。一方、大型構造材の場合には、構造材を構成する素材密度が鉄(密度7.8g/cm)を中心とした高密度物質であり、対象とする構造の寸法も数10cmから数100cmにも達するため、使用されるX線のエネルギーも数100keVから数10MeVにも達すると共に、線源強度を10GBq以上もの人体にとって耐えられないような値に設定することが必要となることが多い。
【0007】
X線CT装置の場合、3次元の構造物内部の情報を得るためには、通常は一度に3次元情報を得るのではなく、構造物を幾層もの断層に分けて測定し、それらの断層情報を合成することにより、全体として3次元像を取得する。このためには、何段階にもわたる断層像撮影が必要となるが、透過像を2次元分布として測定することにより、一度の測定で数段の断層を得ることが可能となる。
【0008】
X線CT装置の基礎になる技術が、構造材を透過した放射線分布の測定技術である。特に、透過X線分布を2次元で測定することが重要となる。さらに、X線CT装置においては、透過X線を計算機により画像として再構成することが必須となるため、測定結果を計算機処理に対応できるようにディジタル化しておくことが必須となる。
【0009】
代表的な放射線分布の測定手法のひとつがX線カメラの採用である。図2(a)、図2(b)、図2(c)にはX線撮像システムのバリエーションを示している。図2(a)に示した例では、X線源21からコーンビーム形のX線を被検体に照射し、この被検体を透過したX線の2次元分布をイメージ・インテンシファイヤ(I.I.)23で光学情報に変換し、イメージ・インテンシファイヤ23の発光をビジコンカメラ23で撮影することにより、ディジタルデータとして取り込むことが可能となる。
【0010】
一般に、イメージ・インテンシファイヤ23は厚みが検出系の容量を大きくするという欠点があるため、図2(b)に示した例のように、蛍光板25でX線を可視光に変換し、蛍光板25での発光をイメージオルシコンカメラ26で撮像する手法が採用される例もある。また、図2(c)に示した例のように、蛍光板25での発光をCCDカメラ27で撮像する手法が採用される例もある。いずれの方式でも必要な感度は確保され得るが、大型となる欠点を有する。
【0011】
高速での撮像のためには、高感度シンチレーション検出器が使用される。シンチレーション検出器の場合には、個々の検出器がシンチレータと光電子増倍管の組合せで構成されるため、小型化に難がある。
【0012】
このように従来の測定では検出器の小型化に難があり、高感度と高分解能がトレードオフの関係となる。
【0013】
X線の2次元分布を求めるためには、通常のシンチレーション検出器の揚合には、1次元方向に配列するのみではなく、2次元方向にアレイ状に配することが必要となる。
【0014】
従来のX線CT装置は、いずれもCT装置が固定されており、被検体をX線CT装置内に挿入した状態で、精細な断層像、さらには3次元の内部情報のためのデータ(投影データ)を取得するものである。
【0015】
橋脚などの大型構造物において、鉄筋の欠陥あるいは劣化等が、震災時に大きな2次災害の要因となることが指摘されている。こういった検査対象物が大型の場合、その検査対象物を移送し、X線CT装置にかけることが本質的に困難であるため、逆にX線CT装置を検査対象物に設置して、CT像を得ることが必要な場合が生ずる。こういった場合には、必ずしも断層像をとることだけが必要ではなく、まずは透過像(ディジタル・ラジオグラフ)を取得し、可能であればこれらの透過像を合成して、CT像を得ることが要求される。
【0016】
このような場合を、模式化したX線CT装置の構成を図3に示す。特に、橋脚などの屋外においての撮像を想定すると、X線源1を任意の点に固定し、透過X線分布を2次元の透過像(ディジタル・ラジオグラフ)として取得し、複数の入射点についてのデータを集め、計算機処理することによりCT像として再構成可能となる。この場合、2次元の透過X線分布の測定値は、照射されたその場でデータ化されることが必須ではなく、撮影された結果を別の場所に運び、そこで2次元の透過像(ディジタル・ラジオグラフ)としてデータ化できれば、目的を達成することができる。すなわち、撮影とデータ処理を切り離して、対応することが許容される。
【0017】
この場合の透過像(ディジタル・ラジオグラフ)取得の概要を図2(c)に例示する。こういった透過X線の2次元分布測定に最も適しているのは、薄型のX線フイルム、イメージングプレートであるが、X線フイルムではデータのディジタル化がフイルムの現像後ディジタイザにかける必要があると共に、黒化度の線形性の補正が煩雑であるという欠点を有している。また、イメージングプレートではデータの読み出しにレーザ露光器などの設備が不可欠である。蛍光板を用いると非常に簡単であるが、蛍光量は時間と共に減衰し、1枚の蛍光版における相対的な透過像を解析、評価する場合には適用可能であるが、CT像を得る場合には複数の正確なX線分布の評価が難しい。この場合、複数の透過像(ディジタル・ラジオグラフ)の絶対値を取得することが必須となる。熱蛍光線量計材料をフイルム状に加工して、X線の2次元分布を測定することも可能ではあるが、発光量測定のためには高温に加温することが必要で、大きなフイルム状検出器を均一に加温することが難しく実用化が難しい。
産業上の利用分野
本発明は、放射線透過法による構造材料の非破壊検査を目的とした放射線測定方法に係わり、特に橋梁支柱の如く固定された大型構造物の2次元ディジタル・ラジオグラフを簡便に取得する方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】放射線源から供試体に放射線を照射し、
前記供試体を透過した放射線分布を蓄光体フイルムに保存し、
前記放射線分布が保存された蓄光体フイルムからの発光量分布をカメラシステムにより電気的信号に変換し、
前記発光量分布を放射線照射時間、照射後測定までの時間を含む条件に基づいて補正することにより、線量率分布を絶対値で定量化することを特徴とする2次元放射線分布測定方法。
【請求項2】前記蓄光体フイルムは、前記放射線源及び前記カメラシステムに対して着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の2次元放射線分布測定方法。
【請求項3】前記蓄光体フィルムの発光効率を増大させるために、前記蓄光体フイルムの背面に前記蓄光体フィルムよりも密度の大きな散乱板を設置することを特徴とする請求項1記載の2次元放射線分布測定方法。
【請求項4】請求項1の2次元放射線分布測定方法により前記供試体に対して複数方向から取得した複数の線量率分布に基づいて、断層像データを再構成することを特徴とする放射線透過型3次元断層像撮影方法。
【請求項5】前記放射線源はγ線源であることを特徴とする請求項4記載の放射線透過型3次元断層像撮影方法。
【請求項6】前記γ線源と前記蓄光体フイルムの位置をレーザ反射法で計測することを特徴とする請求項5記載の放射線透過型3次元断層像撮影方法。
【請求項7】供試体に放射線を照射する放射線源と、
前記供試体を透過した放射線分布を保存する蓄光体フイルムと、
前記放射線分布が保存された蓄光体フイルムからの発光量分布を電気的信号に変換するカメラシステムと、
前記発光量分布を放射線照射時間、照射後測定までの時間を含む条件に基づいて補正することにより、線量率分布を絶対値で定量化する手段とを具備することを特徴とする2次元放射線分布測定装置。
【請求項8】前記蓄光体フイルムは、前記放射線源及び前記カメラシステムに対して着脱可能であることを特徴とする請求項7記載の2次元放射線分布測定装置。
【請求項9】前記蓄光体フィルムの発光効率を増大させるために、前記蓄光体フイルムの背面に設置される前記蓄光体フィルムよりも密度の大きな散乱板をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の2次元放射線分布測定装置。
【請求項10】請求項7の2次元放射線分布測定装置を備える放射線透過型3次元断層像撮影装置であって、前記供試体に対して複数方向から取得した複数の線量率分布に基づいて、断層像データを再構成することを特徴とする放射線透過型3次元断層像撮影装置。
【請求項11】前記放射線源はγ線源であることを特徴とする請求項10記載の放射線透過型3次元断層像撮影装置。
【請求項12】前記γ線源と前記蓄光体フイルムの位置をレーザ反射法で計測することを特徴とする請求項11記載の放射線透過型3次元断層像撮影装置。
産業区分
  • 試験、検査
  • その他無機化学
  • 高分子化合物
  • 原子力
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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