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オキシトシン受容体欠損マウス及びその利用方法 コモンズ

国内特許コード P03A000487
整理番号 U2001P109
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2001-267359
公開番号 特開2003-070378
登録番号 特許第3697507号
出願日 平成13年9月4日(2001.9.4)
公開日 平成15年3月11日(2003.3.11)
登録日 平成17年7月15日(2005.7.15)
発明者
  • 西森 克彦
  • 高柳 友紀
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 オキシトシン受容体欠損マウス及びその利用方法 コモンズ
発明の概要 オキシトシン受容体に作用析を行った写真である。する薬剤を探索するための新規な方法を開発する。本発明により、オキシトシン受容体遺伝子が欠損したノックアウトマウスが与えられた。本発明のノックアウトマウスは、オキシトシン受容体に関連する医薬の開発やオキシトシン受容体に関連する医薬の開発に有用であると考えられる。
従来技術、競合技術の概要
オキシトシンは下垂体ホルモンの一種であり、全長9アミノ酸のポリペプチドから構成される。オキシトシンの作用としては、分娩時の子宮平滑筋収縮や乳汁射出中の乳腺筋上皮細胞の収縮において、働くことが知られている。近年明らかとなった知見により、オキシトシンは、性、母性行動、記憶、摂食、飽満、記憶、黄体退縮の調節因子としての卵巣における卵胞・卵母細胞制御、更に性周期、陰茎勃起、射精、腎臓機能、ナトリウム恒常性などを含む、より広範囲の生理学的機能に関わることを示す知見が得られてきた。
【0003】
オキシトシンは子宮筋収縮作用を有するペプチドホルモンとして最初にウシ下垂体から精製され、1953年にオキシトシンのアミノ酸配列が解明された(Du Vigneaud V et al.J.Biol.Chem.205、949-957,1953)。オキシトシンは構造が比較的に単純であることから、多数のアゴニストやアンタゴニストが合成されて解析が進み合成ペプチドの作製が可能となった。そのために、臨床においてオキシトシンは子宮収縮剤として誘発分娩に使用されてきた。
【0004】
一方リガンドであるオキシトシンが結合する標的である受容体に関しては、ラット子宮筋層における薬理学的な結合実験により、オキシトシン受容体の存在が初めて示された(Soloff MS et al.J.Biol.Chem.248、6471-6478,1973)。1992年にアフリカツメガエル卵母細胞内の発現系を用いてヒト子宮のオキシトシン受容体cDNAのクローニングが初めて行われ(Kimura et al.Nature,356,526-529,1992)、構造の決定されたオキシトシン受容体は、細胞膜を7回貫通するGTP結合蛋白質が結合するロドプシン型受容体であることが判った。更にオキシトシン受容体の遺伝子もクローニングされ、ヒト、ウシ、ラット、マウス、ハタネズミに関してはオキシトシン受容体遺伝子の構造が明らかにされている。ヒト由来のオキシトシン受容体cDNAは388個のアミノ酸から構成され、推定分子量は42.7kDaの一本鎖ポリペプチドである。各種間の相同性はヒトとマウスのアミノ酸配列では91%、ヒトとラットでは93%という高い相同性を示し、種を越えて保存されている。
【0005】
本発明者らは、過去においてオキシトシンをコードする遺伝子が欠損したマウスの作出に成功しており、そのマウスを用いて、オキシトシンが出産後の雌の射乳に必須であること(Nishimori et al.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,93,11699-11704,1996)、オキシトシンは個体識別機能に関わっている事(Ferguson J.etal.Nature Genetics,25,284-288,2000)などの知見を得た。これらの知見はオキシトシン/オキシトシン受容体システムの解明において非常に貴重である。
【0006】
しかし、オキシトシン/オキシトシン受容体システムを介する作動薬のスクリーニングを行うこと、更にはオキシトシン関連化合物の薬理作用やその作用メカニズムの解析等を行うことを考えると、リガンドであるオキシトシンの発現が欠損したマウスによる検討のみならず、オキシトシン受容体側からの検討が必要とされている。そしてその検討のために、オキシトシン受容体遺伝子の発現を欠損したノックアウトマウスの作出が求められていた。しかし、マウスオキシトシン受容体遺伝子は1996年にクローニングされていた(Kubota Y etal.Mol.Cell.Endocrinol.,124,1-2、25-32、1996)ものの、本発明までマウスオキシトシン受容体遺伝子を欠損したノックアウトマウスの作製は成功していなかった。
【0007】
また基礎研究の場において、オキシトシン/オキシトシン受容体システムにおけるリガンドと受容体は1対1対応の関係でもって多くの生殖機能、行動、記憶等に関わると考えられてきた。しかし、一方でリガンドと受容体が異なった生理的機能を担っている可能性を示す報告もあり、この点についての解決が待たれていた。この様な疑問に対する答えを得るためにも、やはりオキシトシン受容体遺伝子が欠損したマウスが必要とされていた。
産業上の利用分野
本発明は、オキシトシン受容体遺伝子を欠損させたノックアウトマウス及びその利用方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 オキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNAの一部または全部の改変により、当該オキシトシン受容体遺伝子の機能が欠損している、オキシトシン受容体欠損マウス。
【請求項2】 前記改変が、オキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNAにおいて、その一部または全部を欠失させること、またはその一部または全部を他の遺伝子により置換すること、若しくはオキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNA中に他の遺伝子を付加させることである、請求項1記載のオキシトシン受容体欠損マウス。
【請求項3】 オキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNAにおいて、エクソン2からエクソン3の領域が除去された変異を有することによりオキシトシン受容体遺伝子の機能が欠損している、請求項1記載のオキシトシン受容体欠損マウス。
【請求項4】 オキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNAにおいて、エクソン3領域の下流にネオマイシン耐性遺伝子が挿入されている変異を有することによりオキシトシン受容体遺伝子の機能が欠損している、請求項1記載のオキシトシン受容体欠損マウス。
【請求項5】 雌個体において乳汁射出機能が不全であることを特徴とする、請求項3または4記載の、オキシトシン受容体欠損マウス。
【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項記載のオキシトシン受容体欠損マウスを使用して、平滑筋収縮薬をスクリーニングする方法。
【請求項7】 前記平滑筋収縮薬が、乳腺収縮薬または子宮平滑筋収縮薬である、請求項6記載の方法。
【請求項8】 請求項1から5のいずれか1項記載のオキシトシン受容体欠損マウスを、オキシトシン受容体欠損を有する疾患のモデル動物として使用する方法。
【請求項9】 オキシトシン受容体欠損マウスの作製方法であって、
(1)オキシトシン受容体遺伝子のゲノム領域をクローニングする過程、
(2)オキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNAにおいて、その一部または全部を欠失させること、またはその一部または全部を他の遺伝子により置換すること、若しくはオキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNA中に他の遺伝子を付加させることにより改変し、オキシトシン受容体遺伝子の機能が欠損したターゲティングベクターを作製する過程、
(3)マウス胚性幹細胞を前記ターゲティングベクターにより相同組み換えを行うことにより、前記オキシトシン受容体遺伝子のゲノムDNAの一部または全部を改変し、オキシトシン受容体遺伝子の機能が欠損した胚性幹細胞を作製する過程、
(4)前記オキシトシン受容体遺伝子の機能が欠損した胚性幹細胞を、胚盤胞内に注入するかまたは8細胞期胚と凝集させることにより、キメラマウスを作製する過程:および
(5)前記キメラマウスを交配し、オキシトシン受容体遺伝子を欠損したホモ接合体マウスを作製する過程;
を含むことを特徴とする、オキシトシン受容体欠損マウスの作製方法。
【請求項10】 オキシトシン受容体欠損マウスの作製において、前記ターゲティングベクターを作製する過程において、欠失させる対象であるゲノム領域の両端にLoxp配列を挿入すること、及び前記ホモ接合体マウスを作製する過程において、前記キメラマウスを交配することにより得たヘテロ接合体マウスを用いてCre酵素を発現している形質転換マウスと交配することを更に含み、Cre酵素の作用によりLoxp配列で挟まれたゲノム領域が欠失していることを特徴とする、請求項9記載の方法。
産業区分
  • 畜産
  • 微生物工業
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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