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硫化物触媒を用いた一酸化炭素の水素化法

国内特許コード P03A000665
整理番号 U2000P023
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2000-202390
公開番号 特開2002-020767
登録番号 特許第3632071号
出願日 平成12年7月4日(2000.7.4)
公開日 平成14年1月23日(2002.1.23)
登録日 平成17年1月7日(2005.1.7)
発明者
  • 山田 宗慶
  • 小泉 直人
  • 高橋 陽介
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 硫化物触媒を用いた一酸化炭素の水素化法
発明の概要 簡略化されたプロセスで温和な条件のもと、一酸化炭素を高い転化率で水素化し得る方法を提供する。一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを、Rh、Pd、PtおよびHfからなる群から選択される少なくとも一種を含有する金属硫化物を含む触媒に接触させて、液体合成燃料を得ることを特徴とする。前述の金属硫化物は、固体酸との複合触媒として用いて、合成燃料を得ることもできる。また、前記原料ガスは、1~10000ppmの硫黄化合物を含有していてもよい。
従来技術、競合技術の概要
現在、石油、石炭、天然ガス、バイオマス、その他の炭素資源から有用な有機化学品を得る手段としては、次のような方法が工業的に行なわれている。まず、リフォーミング反応や石炭のガス化反応などによって、これらの炭素資源から一酸化炭素と水素とを含む混合ガス(合成ガス)を得る。次いで、こうした混合ガスを、特定の触媒の存在下、高温、高圧で反応させることにより、アルカンやアルケンなどの炭化水素、アルコール、およびエーテルなどの含酸素化合物に転換する。
【0003】
このようにして得られた有機化学品は、その製造プロセスの特性から、硫黄化合物や窒素化合物などを含まないため、各種燃焼用燃料として用いた場合には、有害物質の発生を抑制することができる。特に、工業的に合成ガスから大量に得られているメタノールは、ガソリンへの添加剤としてのみならず、最近は、燃料電池用の水素源としても注目されており、より生産性の高い製造法が望まれている。
【0004】
上述したような合成ガスの反応には、CuやFeあるいはCoなどの金属を含む特定の触媒が用いられている。これらの触媒に関しては、Studies in surface science and catalysis,vol.61,NATURAL GAS CONVERSION,A.Holmen et al.,Elsevier(1991)、およびStudies in surface science and catalysis,vol.81,NATURAL GAS CONVERSION,H.E.Curry-Hyde,R.F.Howe,Elsevier(1993)などに詳しく記載されている。
【0005】
これらの触媒は、高温、高圧の反応条件が必要とされるという欠点を有しているものの、比較的安価で入手しやすいことから、商業的に広く使用されている。しかしながら、上述したような触媒は、原料ガス中の種々の化学物質により劣化(触媒被毒)し、特に硫化水素などの硫黄化合物に対しては、そのわずかな量の混入によって短時間で失活してしまう。このため、工業的には、合成ガスの製造装置や一酸化炭素の水素化反応装置の前に脱硫設備を設けて、原料ガス中に含有される硫黄化合物をppbのオーダーの量まで低減しなければならない。その結果、前述の触媒を用いるには、プロセスが複雑化かつ高価なものとなることが避けられない。
【0006】
硫黄被毒に対する耐性を付与した触媒として、Mo,W,Re,Ru,Ni,Pd,Rh,Os,Ir,Ptの硫化物、酸化物または金属と、アルカリまたはアルカリ土類金属化合物とを含む表面積100m/g以下の触媒を用いて、アルケン炭化水素を製造する方法が、特開昭55-139325号公報に開示されている。ここでは、MoO-KO-カーボランダムからなる触媒に合成ガスを流通させ、その合成ガスが硫化水素20ppmを含む場合と含まない場合とで、活性(一酸化炭素変換率)またはガス相アルケン選択性に著しい変化がないことが実施例で述べられている。
【0007】
また特開昭55-139324号公報には、一酸化炭素および水素からC2~C4炭化水素を製造するに当たって、Mo,W,Re,Ru,Ptの金属、酸化物または硫化物と、アルカリまたはアルカリ土類金属化合物とを含む担持触媒を用いることが記載されている。この触媒においては、原料ガスに100ppm程度の硫化カルボニルを導入すると一時的に活性が低下するものの、原料ガスの供給を停止し、替わりに水素を500~600℃の高温で1日程度流通させることによって活性が回復するとしている。しかしながら、この手法によれば、一時的な硫黄化合物の混入に対しては、原料ガスをいったん停止しなければならず、ppmオーダーの量の硫黄化合物を含有する原料ガスに対しては、常に被毒された状態で、低い活性しか示さないことになる。
【0008】
さらに、特開昭61-91139号公報には、Mn酸化物、アルカリ金属、硫黄およびRuを含む触媒に合成ガスを接触させて、アルケンを製造する方法が開示されており、特公平4-51530号公報には、MoあるいはWとアルカリプロモーターと担体とを含む混合アルコールの製造法が開示されている。後者の方法においては、反応の際には少なくとも7MPa、通常10MPa以上の高圧を要するという問題がある。
産業上の利用分野
本発明は、硫化物触媒を用いた一酸化炭素の水素化法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを、Rh、Pd,およびPtからなる群から選択される少なくとも一種を含有する金属硫化物のみからなる金属化合物を含む触媒に接触させて、メタノールを得ることを特徴とする一酸化炭素の水素化法。
【請求項2】前記金属硫化物はRhの硫化物である請求項1に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項3】前記金属硫化物はPdの硫化物である請求項1に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項4】前記金属硫化物はPtの硫化物である請求項1に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項5】一酸化炭素と水素とを含む原料ガスを、Rh、Pd,およびPtからなる群から選択される少なくとも一種を含有する金属硫化物のみからなる金属化合物と固体酸とを含有する触媒に接触させて、ジメチルエーテルを得ることを特徴とする一酸化炭素の水素化法。
【請求項6】前記固体酸は、γ-アルミナである請求項5に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項7】前記原料ガスは、1~10000ppmの硫黄化合物を含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項8】前記原料ガスにおける水素と一酸化炭素との比(H2/CO)は1~5であり、前記原料ガスと前記触媒との接触は、温度100~400℃、圧力0.1~10MPaの条件下で行なわれる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の一酸化炭素の水素化法。
【請求項9】前記原料ガスにおける水素と一酸化炭素との比(H2/CO)は1~3である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の一酸化炭素の水素化法。
産業区分
  • 液体燃料・油脂
  • その他無機化学
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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