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植物の稔性低下方法

国内特許コード P03A000526
整理番号 U2001P136
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2001-375940
公開番号 特開2003-180178
登録番号 特許第3769611号
出願日 平成13年12月10日(2001.12.10)
公開日 平成15年7月2日(2003.7.2)
登録日 平成18年2月17日(2006.2.17)
発明者
  • 江面 浩
  • 鎌田 博
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 植物の稔性低下方法
発明の概要 従来の方法に比較して簡便かつ実用的な、植物の花粉発達を抑制し稔性を低下する方法を提供する。エチレンレセプター遺伝子を植物体の中に組込んで発現させることにより、植物の花粉発達を抑制し稔性を低下させる。
従来技術、競合技術の概要
植物の稔性を制御する技術は、農作物の品種改良にとって極めて重要な技術である。特に、花粉の発達を制御する技術は、F1品種が主力となっている種子繁殖性作物では、採種を効率化するために重要である。さらに、近年になって多くの遺伝子組換え作物が開発されているが、これらの遺伝子組換え植物において、その稔性を制御する技術は特に重要な意味を有する。
【0003】
遺伝子組換えを利用した植物の改良は全世界的に実施され、現在までにトウモロコシ、ダイズ、ナタネ、ジャガイモ、ワタなどで商業的に利用されている。今後、野菜、花き類、樹木など多様な組換え植物が開発されてくる見込みである。これらの組換え作物の栽培の広がりとともに、組換え植物の環境影響が懸念されている。特に、これら組換え植物から飛散した花粉が周辺の生態系に大きな影響を及ぼすのではと懸念されている。組換え植物の花粉発達を抑制することは、花粉飛散を直接防止することにつながり、組換え植物の商業利用に対して大きなメリットとなりうる。
【0004】
このような状況の中で、遺伝子組換え技術を活用して花粉発達を抑制し、植物を不稔化する試みがなされてきている。例えば、タバコで細胞外で働くインベルターゼ遺伝子をアンチセンス遺伝子として葯で発現させて、花粉発達を阻害し、不稔性を誘導する技術が報告されている(Goetz, M., Godt, D.E., Guivarc'h, A., Kahmann, U., Chriqui. D., Roitsch T. (2001) Proceedings of National Academy of Science USA, 98:6522-6527)。この方法は、導入遺伝子をアンチセンス遺伝子として発現させるため、この技術の効果を最大限に引き出すには、目的とする種から細胞外で働くインベルターゼ遺伝子を単離・解析し、そのアンチセンス遺伝子を構築し、目的とする種に導入する必要がある。そのため、処理操作が著しく煩雑であり、実用性に乏しいという問題があった。
【0005】
一方、エチレンレセプター遺伝子は、シロイヌナズナのetr1突然変異体の研究から、エチレン感受性に関わる遺伝子としてETR1が単離された(Bleecker, A.B., Estelle. M.A., Somerville, C., Kende, H. (1988) Science 241:1086-1089, Chang, C., Kwok, S.F., Bleecker, A.B. and Meyerowitz, E. M. (1993) Science 262:539-544)。ETR1の変異遺伝子の1つであるetr1-1を導入した組換え植物は、エチレン非感受性を示した。トマトやペチュニアにこの変異遺伝子を導入した場合も、エチレン非感受性の組換え体が得られた(Wilkinson, J.Q., Lanahan, M.B., Clark, D.G., Bleecker, A.B., Chang, C., Meyerowitz E.M. and Klee, H.J. (1997) Nature Biotechnology 15:444-447)。その後、多くの植物種からETR1ホモログが単離されている(Sato-Nara, K., Yuhash K., Ezura, H. (1999) Plant Biotechnology 16:321-334)。
【0006】
エチレンレセプターの機能としては、現在までに大きく2つの機能が明らかにされている。第一は、植物のエチレン感受性を制御する機能である。これは、シロイヌナズナのエチレンレセプター遺伝子ETR1の変異遺伝子etr1-1を導入したシロイヌナズナのエチレン感受性が変化することから明らかにされた(Chang, C., Kwok, S.F., Bleecker, A.B. and Meyerowitz, E. M. (1993) Science 262:539-544)。第二は、果実や花の日持ち性を制御する機能である。これは、シロイヌナズナetr1-1遺伝子を導入した組換えトマトと組換えペチュニアが、果実や花の日持ち性が向上したことから明らかにされた(Wilkinson, J.Q., Lanahan, M.B., Clark, D.G., Bleecker, A.B., Chang, C., Meyerowitz E.M. and Klee, H.J. (1997) Nature Biotechnology 15:444-447)。
産業上の利用分野
本発明は植物の稔性を低下させる方法に関し、特に、エチレンレセプター遺伝子を利用して植物の稔性を抑制する方法に関する。この方法は、特に遺伝子組換植物の稔性を低下するために有用である。
特許請求の範囲 【請求項1】 エチレンレセプター遺伝子を植物体の中に組込んで発現させることを特徴とする、植物の花粉発達を抑制する方法。
【請求項2】 前記エチレンレセプター遺伝子がメロン由来のエチレンレセプター遺伝子からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記エチレンレセプター遺伝子がCmERS1およびその変異体遺伝子H70A、並びに他のエチレンレセプター遺伝子からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】 前記植物がトランスジェニック植物である、請求項13のいずれか1に記載の方法。
産業区分
  • 農林
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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