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もつれ合い光子対発生装置 コモンズ

国内特許コード P03P000983
整理番号 K055P01
掲載日 2003年8月28日
出願番号 特願2002-026085
公開番号 特開2003-228091
登録番号 特許第4098530号
出願日 平成14年2月1日(2002.2.1)
公開日 平成15年8月15日(2003.8.15)
登録日 平成20年3月21日(2008.3.21)
発明者
  • 竹内 繁樹
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 もつれ合い光子対発生装置 コモンズ
発明の概要 【課題】 もつれ合った状態の光子対をビーム状に収束して高効率に発生できるもつれ合い光子対発生装置を実現することにある。
【解決手段】 垂直偏光、他方が水平偏光に固定された「もつれ合っていない」状態で、光子対をビーム状に発生させるBBOなどを用いた偏光確定光子対発生装置を2つ直列に配置し、それら2つの装置の中間に偏光を90度回転させる1/2波長板を挿入する構成をとるものである。ポンプ光を入射することにより、2つの偏光確定光子対発生装置でそれぞれ発生された水平偏光と垂直偏光の光子ビームを、異なる偏光同士で重ね合わせることができ、従来よりも高い効率でもつれ合った光子対ビームを発生させることができた。
従来技術、競合技術の概要


近年、量子力学の性質を本質的に利用することで、これまでにない情報通信や情報処理の機能を実現する研究が注目されている。例えば、量子暗号通信は、不確定性原理により盗聴者からの完全な秘匿性を実現し、また量子計算はこれまでの計算機では天文学的な時間を要する計算を、数時間で実行する可能性が指摘されている。「もつれ合った光子対源」は、それらのアプリーションの実現にとって欠かすことができない技術要素である。たとえば量子暗号においては、その距離的な限界は100km程度とされているが、その限界をうち破る方法として、「もつれ合った光子対源」を内蔵した中継器が提案されている。一方、「もつれ合った光子対源」と既存の光学素子や光子検出器を組み合わせることで、光子を用いた量子計算が実行できることが理論的に示されている。もつれ合った光子対源としては、これまで主にパラメトリック下方変換が利用されてきた。しかしこの方法では、光子対は非常に広い範囲に広がって発生するため、発生したうちのごく一部しか利用することができず、またファイバ等への結合も大変に困難であった。



これまでもつれ合った光子対源としては、P.Kwiat らが1995年に発表した方式(参考文献1)、および1999年に発表した方式(参考文献2)の2つが用いられてきている。しかし、これらの光子対源から発生する光子対は広い立体角に広がって放射され、収率がわるかった。最近、量子情報の実験的研究は盛んになりつつあるが、このようなもつれ合った光子対の発生に関する研究は、これまであまり行われていないのが現状である。

産業上の利用分野


本発明は、もつれ合い光子対発生装置に関するものであり、対となっている光子の発生時刻が互いに等しくて、それぞれの光子の量子状態に相関(もつれ合い)を有するような対光子を含む2つの光子ビームを効率的に発生することができる。このようなもつれ合い光子対は、光を用いた量子暗号通信システムや量子計算システム、分析システム等において、さまざまに利用される。

特許請求の範囲 【請求項1】
入射ポンプ光に応じて、偏光面が固定されかつもつれ合いのない光子対ビームである第1の偏光確定光子対ビームを発生する第1の偏光確定光子対発生装置と、
第1の偏光確定光子対発生装置から出射された第1の偏光確定光子対ビームの偏光面を90度回転させる波長板と、
入射ポンプ光に応じて、偏光面が固定されかつもつれ合いのない光子対ビームである第2の偏光確定光子対ビームを発生する第2の偏光確定光子対発生装置とが、入射ポンプ光の光軸に沿って、順に隣接して配置されていることを特徴とするもつれ合い光子対発生装置。

【請求項2】
第1及び第2の偏光確定光子対発生装置は、非線形光学素子であることを特徴とする請求項1に記載のもつれ合い光子対発生装置。

【請求項3】
非線形光学素子への入射ポンプ光の入射角は、非線形光学素子における結晶の光学軸と入射ポンプ光のなす角度が相互平行条件を満たすような角度であることを特徴とする請求項2に記載のもつれ合い光子対発生装置。

【請求項4】
非線形光学素子は、BBO (β-Ba B2 O4 ) 結晶であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のもつれ合い光子対発生装置。

【請求項5】
もつれ合い光子対ビームの各ビームを集束するレンズと、集束されたビームを結合される光ファイバとを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のもつれ合い光子対発生装置。

【請求項6】
第1および第2の偏光確定光子対発生装置は、
入射ポンプ光発生部と、
結晶の光学軸と入射ポンプ光のなす角度を、横軸を波長、縦軸をパラメトリック蛍光対の結晶内での放出方向が入射ポンプ光となす放出角度として、異常偏光と常偏光の蛍光の放出曲線を表わすそのチューニングカーブがある特定の単一波長aで接するような角度に設定された非線形光学素子からなる光子対発生部と、
を備え、互いに発生時刻の等しい波長aの対光子を含むような2つの光子ビームを発生するものであることを特徴とする請求項1に記載のもつれ合い光子対発生装置。

【請求項7】
第1および第2の偏光確定光子対発生装置は、
入射ポンプ光発生部と、
結晶の光学軸と入射ポンプ光のなす角度を、横軸を波長、縦軸をパラメトリック蛍光対の結晶内での放出方向が入射ポンプ光となす放出角度として、異常偏光と常偏光の蛍光の放出曲線を表わすそのチューニングカーブがそれぞれ波長a,bで接するような角度に設定された非線形光学素子からなる光子対発生部と、
を備え、互いに発生時刻の等しい波長a,bの対光子を含むような2つの光子ビームを発生することを特徴とする請求項1に記載のもつれ合い光子対発生装置。

【請求項8】
発生した光子対の一方を検出する検出部を備え、ビームに含まれる個々の光子の発生時刻を特定可能にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のもつれ合い光子対発生装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002026085thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 光と制御 領域
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