TOP > 国内特許検索 > CAGリピート病の治療薬

CAGリピート病の治療薬

国内特許コード P03A001526
整理番号 U1997P079
掲載日 2004年4月16日
出願番号 特願平10-027739
公開番号 特開平11-209304
登録番号 特許第3012923号
出願日 平成10年1月26日(1998.1.26)
公開日 平成11年8月3日(1999.8.3)
登録日 平成11年12月17日(1999.12.17)
発明者
  • 辻 省次
出願人
  • 学校法人新潟大学
発明の名称 CAGリピート病の治療薬
発明の概要 本発明は、CAG リピート(CAG repeat expansion disease)においてポリグルタミン鎖の伸長がもたらす「毒性機能の増加」の分子的機序を解明し、CAG リピート病に対する治療薬を提供する。CAG リピート病の治療にトランスグルタミナーゼの活性阻害剤であるシスタミンおよびモノダンシルカダベリンが有効に利用できることを見出した。本発明の治療の対象となるCAGリピート病としては、脊髄、延髄性筋萎縮症、ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼ルイ体萎縮症、マーシャード・ジョセフ病、1 型脊髄小脳運動失調症、2 型脊髄小脳運動失調症、6 型脊髄小脳運動失調症、および7型脊髄小脳運動失調症などが挙げられる。この治療薬は、シスタミンまたはモノダンシルカダベリンを有効成分とする限り、公知の製剤学的方法により製剤化されていてもよい。CAG リピート病患者への投与は、公知の投与方法、例えば、動脈内投与、静脈内投与、皮下投与などの方法で投与することが可能である。
従来技術、競合技術の概要 ポリグルタミン鎖をコードするCAGトリヌクレオチド反復の伸長は、脊髄・延髄性筋萎縮症(SBMA)1 、ハンチントン病(HD)2 、1型脊髄小脳運動失調症(SCA1)3 、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)4,5 、アーシャード・ジョセフ病(MJD)6 、SCA27-9 、SCA610、およびSCA711という8種類の神経変成疾患に共通する病原性変異であることが確認されており、同じ機序に起因することが見いだされる疾患の数は今後さらに増えると予想される。この一連の疾患には多くの共通した特徴がある。第一に、中枢神経系が主に冒され、それぞれの疾患に特有な明瞭な分布の神経細胞損失を伴う。第二に、臨床像には同一家系内でも高度の不均一性が認められ、これにはCAG反復の伸長サイズが関係する。第三に、表現促進効果、すなわち世代を経るに連れて若年発症化する。これはCAG反復の伸長サイズに世代間の増加が生じる結果でもある。遺伝子産物の間にはポリグルタミンの連鎖を除いて共通の相同ドメインはみられず1-14変異遺伝子の産物の発現レベルは野生型遺伝子と類似することが示されている15-18 。これらの観察結果は、ポリグルタミンの連鎖それ自体が「毒性機能の増加」の役目を果たす可能性が高いことを示している。この考え方を裏付ける所見として、伸長型CAG反復を含み、L7プロモーターの制御下にある完全長SCA1のcDNAを導入したトランスジェニックマウスは、小脳性運動失調、および小脳ブルキンエ細胞の変性を来すことが示されている19。さらに興味深いことに、MJD1遺伝子の伸長したCAG反復が大部分を占める遺伝子20、または伸長したCAG反復を含むhuntingtin遺伝子のエクソン121を導入したトランスジェニックマウスは、神経疾患の表現型および神経変性を生じることも示されている。ごく最近になって、伸長したCAG反復を含むHD遺伝子のエクソン1を導入したマウスは神経細胞に核内封入体を生じることが示されている。また、MJD1蛋白質の伸長したポリグルタミン鎖が大部分を占めるペプチドが毒性を持つことは、COS細胞を用いた一時的発現系でも示されている22。このように、伸長したポリグルタミン鎖が毒性機能を有することを示す所見は徐々に蓄積されつつある。伸長したポリグルタミン鎖が毒性を及ぼす機序を説明するためにさまざまな仮説が提出されている。Perutzらは、ポリグルタミン鎖は水素結合を会して相補的な蛋白質同士を会合させることによって極性ジッパー(polar zipper)として機能し、ポリグルタミン鎖の伸長が起こると異常蛋白質の会合および凝集は強固になるとの仮説を提唱した23,24 。Kahlemらは最近、興味深い別の仮説を提出している25。Kahlemらは、ポリグルタミン鎖の伸長部を有する蛋白質は、野性型の蛋白質よりもトランスグルタミナーゼの基質として優れており、ポリグルタミン鎖の伸長部はリジル基を含むポリペプチドとの架橋によって共有結合した凝集体を形成しやすいとの仮説を提唱した。しかしながら、ポリグルタミン鎖の伸長を有する完全長または切断型の蛋白質が凝集体を形成し、細胞毒性を示すかどうか、またトランスグルタミナーゼが凝集体形成または細胞毒性に関与するかどうかについては何ら解明されていない。従って、また、変異型蛋白質の細胞毒性を軽減する方法についても何ら知見がないのが現状である。すなわち、CAGリピート病の治療法については今日まで全く存在しなかった。
産業上の利用分野 CAGリピート病の治療薬
特許請求の範囲 【請求項1】 シスタミンまたはモノダンシルカダベリンを有効成分とする、CAGリピート病の治療薬。
【請求項2】 CAGリピート病が、脊髄・延髄性筋萎縮症、ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、マーシャード・ジョセフ病、1型脊髄小脳運動失調症、2型脊髄小脳運動失調症、6型脊髄小脳運動失調症、および7型小脳運動失調症からなる群より選択される、請求項1に記載の治療薬。
産業区分
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

05269_05SUM.gif
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close